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大腸がん日記 235日目

5サイクル目の6日目。服薬すると頭痛と胃痛があった。お腹は落ち着いてきているが、ひどくお腹を壊してしまうことを考えて食事は控えめにした。
食欲は回復しているから、お腹の様子によって食事を増やしていこう。

ランチタイムはできるだけ時間をとって散歩にでていて、この日も20分くらいは歩けた。
日傘とミニ扇風機を使ったけど、それでも暑くて疲れてしまった。足のしびれや痛みも増してきているし、体を動かすと急に倦怠感が増してくる。

しかし、腸閉塞予防に歩かねば。抗がん剤を早く代謝するためにも少し強めの運動がいいらしいし、倦怠感を改善するには軽くでも体を動かすのが効果的だそうだ。
少しでもいいから続けよう。

今月の初めまで放送されていたがんサバイバーのドラマ『6人の女 ワケアリなわたしたち』で印象的だったシーンがある。

アパートのドアの前で座り込んで泣いている女性。
その女性は抗がん剤治療中で、手の冷感刺激でカギを触ることができず、自宅のドアを開けられなかったのだ。
連絡をした仲間のがんサバイバーが仕事中に抜け出して助けに来てくれた。

いままでの私ならハテナがいっぱいのシーンだ。
手袋をするとか、ハンカチやタオルを使うとか、なければ洋服の袖口や裾をギュッと伸ばしたっていい。
カギやドアノブを触る方法はいくらでもある。
わざわざ友達を呼び出すようなことではないはず。
しかも仕事中の友人を。

でも、そうじゃないんだ。
大の大人がドアの前に座り込み助けを求めて泣き出してしまうほどのことなんだ。

当たり前のことができない自分がツラい。
こういうことが一日に何度も不意に起こる。
小さな小さな砂が降り積もる砂時計のよう。

そもそも、ベースに「がん」という恐怖がある。
いつ悪化するとも転移するとも知れず。
もしかしたら現に今、すでに取り返しのつかない状況にあるやも知れず。

もし隣人にカミングアウトしていたとしても、こんな些細なことにどれだけ大きなストレスを受けるか、理解を得るのは難しそう。
それがまた大きなストレスとなって。

寛解まであと4年半もある。
それまで体だけじゃなく心も健康に保つ方法を手に入れたい。

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