見出し画像

小学生のプログラミング教育はどこまでやるべきか

小学生でどこまでやればいいの?

アルスクールでもよく聞かれる質問ですが、目指すところによるので回答は難しいです。「英会話はどこまでやればいい?」と質問されても答えがないのと同じです。

とはいえ、質問したくなる気持ちは分かります。プログラミングは多くの保護者にとって未知の世界ですよね。

ですので、アルスクールは1つのプログラミングスキルとしての目標を定めたいと思います。

到達してほしいプログラミングレベル

ブロックプログラミングで150〜200ブロックを用い意味を理解してゲームをゼロから作る

まずはここを目指しましょう。1つずつ解説します。

ブロックプログラミング

ブロックプログラミング(下図)というのは、スクラッチに代表される、ブロックを組み合わせることでプログラミングができゲームが作れるものです。それに対してテキストプログラミングというのが、大人が使うような、文字をひたすら入力してプログラミングするものです。

コードプログラミング

ブロックプログラミングとテキストプログラミングの関係、どう接続するかは別途記事を書きたいと思います。

150〜200ブロック

では、どの程度のゲームなのでしょうか?150〜200ブロックというと、だいたいシューティングゲームやプラットフォーマーゲーム(マリオっぽいの)などで2面まで作って、ゲームクリアやゲームオーバーができるくらいです。

ダウンロード (6)

2面というのは1つのポイントで、面が増えるとプログラミングが一気に増え、条件分岐の組み合わせやイベント処理などの理解が必要になります。
2面がなくても、150ブロック以上を使うにはプログラミングの理解が伴ってないと難しいです。

150〜200ブロックを使ってしっかりと創作できるようになれば、そこから300、400使うような作品へのステップアップはそこまで難しくありません。

意味を理解する

小学生で特にプログラミングを独学した子に多いのが、テキストの内容を暗記していて、それを思い出そうとする傾向です。

複雑なプログラミングができるように見えるのですが、暗記したとおりにしかできない。プログラミングの意味を聞いても答えられず、ちょっと改造してみようとしても、理解してないからいじれない。

はじめはそれでもいいんです。まず作品が完成して創作の面白さ、成功体験を積むことでプログラミングが好きになることも多いので。

あるいは、低学年で難しい問題に取り組んでいる場合などは、発育を待ってから理解すればよくて、それまでは慣れたり遊んでればよく、テキストを写しててもいいと思います。

ただ、その子の発育状況、算数や国語のレベルなどをみながら理解できるようなスキルであれば、「なぜそのプログラミングなのか」「それぞれのブロックがないとどうなるのか」などしっかりと理解した上で使いこなせるようになるべきです。暗記でできることのスキル的な意味は全くありません

ゼロから作る

ゼロからというのは、企画からはじめるということです。お題を与えられてそのとおりにプログラミングする。それはそれで素晴らしいスキルですが、小学生のうちは「ゲームが作られるなるべく幅広い工程」を体験すべきと考えます。たとえ将来、プログラマーなどそのうちの一部に特化するにしても。

具体的には例えば、下記です。

1. 前段階
企画して、どういうキャラにするか考え、キャラのデザインを行い、ゲームのルールを定め、処理フローやアルゴリズムを考える。

2. 開発
プログラミングを行い、プログラミングが終わったら動かしてみてバグがないかテストし、デバッグする。

3. 後段階
ゲームの難易度をチェックし、ゲームバランスを調整する。ゲームが完成したら説明を書いて公開する。

これだけのステップがあり、好き嫌い、向き不向きあると思います。それを知るとともに、多くのスキルが必要でどれも大切であることを知っておくのはプログラミングスキルを上げる上でもそれ以外でも、とても役に立つと考えています。

目標を超えて

このようにスキル面での目標を言語化してみました。ではここに達すればもうやる必要がないのか。それはどこを目指すかによります。

アルスクールでは、かんたんにこのレベルに達する子もたくさんいますし、そういう子はもっと主体的にどんどんチャレンジしていきます。大人顔負けどころか、僕らスタッフを超えたレベルに達している子もたくさんいます。

一方で、例えばイラストが好きだったりアニメーションに興味が強く、アルゴリズムへそこまで関心がない子などもたくさんいます。であればイラストツールなどを使いこなしながらテクノロジーのセンスを養っていけばいいと考えています。とはいえそういう子でも、ここで書いたレベルには達してほしいし、アルスクールに通っている子たちであれば十分達します。

また、この目標をクリアするためのアプローチが非常に大切です。スキルをただ追うだけではおそらく達成も難しい。小学生であれば途中で嫌になったり、理解するのを放棄して暗記に走ってしまうことが多いです。

一方で学ぶ力を身につける、正しい学び方をすることが単にスキルを覚えるよりも圧倒的な近道だったりします。しかもそれはプログラミングに限らない汎用的な力でもあります。


次は、学び方について書いてみようと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?