『アイビーは微笑んだ』

アイビーは微笑んだ
君は知らないだろう

デイ・ドリームの続きを見ていた
絡まって解けないもので何を掴んできたのだろう

日々重ねて空は重くとも
頭を擡げる不安の色
日々濁って目は暗くとも
頭に浮かぶ希望の色
染みになって落ちないだけの指を一本懸けている

空を切って 空回って 白を切って 烏の頭の白くなるまで
なんて言ってられないことに気がつけば
夢などとうに覚めていたことにも気がついて
枯れない薔薇を握りしめる

そして道端のアイビーは微笑んだ

絡まって解けない蔦を手繰り寄せれば
確かにそこには花があること
君は知らないだろう

僕がそれを知る刹那
その刹那に
微笑み返すことが出来たならば
そこでようやく僕は
生きていて良かったと思うのだ


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