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割り切れない彼女たちと、割り切るしかない俺ら ~Vのオタク視点から見る「22/7」~

「22/7」こと「ナナニジ」の存在を知ったのは大体2019年末。主にフォロワーの影響ではございますが、アニメ放送直前だったと思います。
2018年からVのオタクをしていた私にとって、ナナニジは興味を惹くのに十分な要素を持っていました。
アニメ調の3Dモデル、原則としてリアルメンバーは写さずキャラクターを出演者として放送してきた番組「計算中」

計算中と同じようにキャラクターとしてYouTubeに動画投稿する、まさしく「VTuber」としての活動。

あのAKB48や欅坂46をプロデュースした秋元康コンテンツなだけあって楽曲や番組、動画のクオリティは折り紙付きである。
ちなみにデビューシングル「僕は存在していなかった」2ndシングル「シャンプーの匂いがした」のMV制作は
「プリティーリズム」「プリパラ」でお馴染みの「タツノコプロ」である。ここも僕がナナニジに興味を惹かれた理由の一つだった。

「でもナナニジって声優公開してるしVと関わり無くね?」とお思いの方もいらっしゃるでしょう。
実は2018年にclusterで開催予定だった「バーチャルハロウィン」にてあの「ヒメヒナ」と共演する予定だったのだ。

…そう、「予定」だった。このバーチャルハロウィン、機材トラブルの影響で延期となり、ヒメヒナとの共演は消滅してしまったのである。

確かにVとの共演は無かった。だがしかし、京都にて開催されるマンガ・アニメ総合見本市「京都国際マンガ・アニメフェア」略して「京まふ」
その京まふの2018年応援サポーターにナナニジが選ばれており、2019年にもスペシャルステージで出演しているのですが

2019年のおこしやす大使(多分応援サポーターと似たような立ち位置)に「にじさんじ」「樋口楓」「本間ひまわり」が選ばれており
なんとその時のプレゼンテーションにて樋口楓ことでろーんの口から、ナナニジについて言及されているのである。

ちなみににじさんじは「にじさんじのくじじゅうじ」という3Dバラエティ番組を2018年10月からAbemaにて放送していたのだが
ナナニジの「計算中」は2018年7月から放送、1クール先輩なのである。

流石にこの時点ではにじさんじ側の3Dの出来はお世辞にも良いとは言えなかったのでクオリティの差は歴然である。(ナナニジ側もモデル完成まではパネルだったけど)
しかし年月を重ね、3Dモデルも改良を繰り返し、今やクオリティの高い3Dモデルを持つライバーが現時点で50人以上もいる大所帯。
更にくじじゅうじとほぼ同じスタッフでゲームバラエティ番組「レバガチャダイパン」を制作するなど
これまでの経験を生かして新たなコンテンツを生み出し、バーチャルライバーのエンタメ路線を切り開いているのが今の「にじさんじ」である。

更にナナニジ3rdシングル「理解者」のMV制作は「株式会社白組」が行っているのだが(計算中やアニメの3Dも白組が関わっている)

先ほど紹介した「にじさんじ」所属ライバー「樋口楓」の1stメジャーアルバム「AIM」収録曲「アンサーソング」のMVを制作したのも「白組」なのである。

この2つを結びつけるのはいささか強引だと自分でも理解しているが、それでも運命的な何かを感じずにはいられないのである。


若干脱線してしまったのでナナニジの話に戻すとしましょう。
ナナニジは「キャラクター」と声優を務める「リアルメンバー」の2つの要素が合わさった上で成り立つ「デジタル声優アイドル」コンテンツというのが「前提」である。
なので、ナナニジは世間が言う「VTuber」とは似た要素を持ちながらも若干異なるのである。
とはいえ「中の人」や「実写」という概念はタブーとされてきたVTuberの中でも「MonsterZ MATE」のように中の人を公開してたり
「ナギナミ」のようにバーチャルとリアルを交差させる「はんなま」系もいたりと、V側も割と曖昧だったりするのである。
…この話をするとVTuberの定義とは何かみたいな、もう飽きるほどされてきた議論に繋がりかねないのですが
わたくしが思うVTuberの定義は「だいたいにじさんじのらじお」で委員長こと「月ノ美兎」が説明していたものと大体一緒です。

そもそも定義付ける事に意味があると思えないからね。バーチャルだろうとリアルだろうと何を成すかが重要な訳で。
なので、私としては「ナナニジ」は「ナナニジ」、「VTuber」は「VTuber」、という考え方を持っています。
似ている要素はあれど全てが一致する訳ではない、計り切れない、割り切れない存在、それが「22/7」だと。

しかし、割り切れない存在であっても、割り切るしかない現実もこの世には存在するのである。
声優がいなくてはキャラクターは生きられない。11人が揃わなくては「ナナニジ」は成り立たない。
「斎藤ニコル」の声優が「花川芽衣」から「河瀬詩」に変わったように、「佐藤麗華」の声優が「帆風千春」から変わる現実を、僕たちは割り切って受け入れる他ないのである。

これが普通のアニメであるならば単純な声優交代として割り切る事も容易いだろうが、ナナニジに関しては少し話が変わってくる。
アニメやナナオンのように設定に忠実な「佐藤麗華」がいれば、計算中のように「帆風千春」の側面を併せ持った「佐藤麗華」も存在しているのである。
計算中season2のBlu-ray発売や蛍光灯再生計画のボイス入りグッズも控えてる中、果たして新たな「佐藤麗華」を割り切って受け入れられる日は訪れるのだろうか。
今はただ、昨日まで「佐藤麗華」として生き続けた彼女の青春を、過去に刻む事しか出来ない。

帆風千春さん、22/7での活動お疲れ様でした。また貴方の声が聞けるその日まで。

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