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【メキシコ】ボランティア記 その5--ボランティアと資本主義

こんにちは。

就活をしていたのですが、2ヶ月もかからずに内定をいただき、終えることとなりました。SPIとかESとか全く手をつけなかった、「就活の異端児」との別名を自ら名乗りたいと思います。いわゆる「普通の」就活をしていない人はたくさんいると思いますが。

こんな茶番はさておき、今回は、私が以前から少し考えていた「ボランティアの意義」を書こうと思います。

端的に説明すると、お金がもらえるわけでもないのになぜわざわざボランティアなんかするのか、といったことです。これを、資本主義の仕組みとともにちょろっと考察していきます。

それでは、まず資本主義についてさらっと復習。(NewspicksのWEEKLY OCHIAI 2に出演されていた大阪大学准教授の安田洋祐さんの話を参考にしています。)

資本主義がどのようにお金を回しているかについてですが、それは以下の写真の通りです。

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超簡素ですが、こんな感じ。

もともと持っている「資本」を生産に投資して、出た利益をまた生産に投資していく。このサイクルを続けていき、利潤を求めていくのが資本主義の根本的な仕組み(のはず)です。

そして、近年、このサイクルからはみ出た活動が生まれている、と安田先生は仰っています。

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出た利益を生産にまわさないものです。以前、内部留保という言葉がバズりましたが、これもその1つですね。金融商品も。

クラウドファンディングもこれに該当します。ボランティアもです。

そもそも、利益を生産に再投資するのは、利潤を求めるためです。「利潤動機」は資本主義の根本的な価値観の1つだと安田先生は述べています。

クラウドファンディングやボランティアは、金銭的な利潤を求めているわけではありません。代わりに、純粋な社会貢献や自分以外の誰かのためなど、挙げればキリがありませんが様々な理由で行われているわけですね。

現実的な問題として、冷戦後に資本主義システムが世界を席巻して以降、ありとあらゆる場所で経済格差が問題になっています。南北問題もそうですし、アメリカでもメキシコでも、さらには日本でも格差が拡大していると言われていますね。

なんていったって、そもそも「資本」がなければ生産活動が行えないのですから。自助努力で獲得することも可能ですが、マクロな構造レベルの問題によって獲得が困難な人は世界中にたくさんいるのもまた事実です。

資本主義システムの中でこぼれ落ちてしまう人はいます。

ボランティアは、そんな人たちに真正面から向き合うことができるものではないか、と私は思っています。あるいは、社会問題と真正面から向き合う、と言えるかもしれません。

何らかの社会問題の解決を目指すソーシャルビジネスも近年増えていますが、まず経済的利益を上げる必要がある。

ボランティアでは、経済的利益なんかどうでもよくて、社会問題とそれによって苦しむ人に100%向き合える。

私は、メキシコでボランティアを行っている時に、金銭のことを全く気にせずに現地の子供達のことだけを必死に考えている環境の固有性にふと気付きました。もし収益を考えなければならないとしたら、活動の自由度は大幅に制限されていたと思います。

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気づかない間に、あらゆる物事を考える際にお金という軸を用いてしまうことが私にはありました。お金がそれくらいに重要なのは事実ですが、ボランティアを通してお金という軸から離れて現地の子供達のために100%をエネルギーを注いだという経験はとても貴重だなと、後から気づかされました。

ボランティアの良さはたくさんありますが、資本主義というシステムを鑑みると、このような良さもあるんですね。実際にボランティアするまでは全くわかりませんでした。

超簡単にまとめると、

①資本主義は、利潤動機をもとにして、出た利益を生産に再投資していくサイクルを回していくこと。

②ボランティアは、利潤動機とは一線を画しており、資本主義の仕組みとは異なる活動である。

③お金のことを忘れて、他者貢献と社会貢献に意識とエネルギーを100%注ぐことがボランティアでは可能。

こんな感じです。

経済の知識が全然無いため、特に資本主義の説明は誤りがありそうですが、伝えたいことが伝わったらいいな、って思います。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

これからボランティアをする方が良い経験をできますように....