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まちがえの定番、テイク・ワン・ベース

5月8日のロッテ対オリックス戦。3回裏、先頭打者のエチェバリアはショートゴロを打った。ショートの安達はゴロを処理をして一塁へ送球したが、これが暴投。送球は一塁側スタンドに入ってしまった。ボールデッドとなり、打者走者エチェバリアは二塁へ進んだ。
よくあるプレイである。
テレビの実況アナウンサーはこう言った。「テイク・ワン・ベース」
よくある間違えである。

公認野球規則5.06b4(G)
2個の塁が与えられる場合――送球が競技場内に観衆があふれ出ていないときに、スタンドまたはベンチに入った場合。

そう、この場合は2つの安全進塁権が与えられるので、テイク・ワン・ベースは間違えである。

2ベースを与えられるのなら、ランナー三塁になるのではないか? と思う人がいるかもしれない。
安全進塁権で見落とししやすいのは、どこを基準にしているかということ。

審判員は2個の進塁を許すにあたって、次の定めに従う。すなわち、打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場合は、投手の投球当時の各走者の位置、その他の場合は、悪送球がなされたときの各走者の位置を基準として定める。

安達の悪送球は、打球処理後の最初のプレイなので、投球当時の位置から2つの塁が与えられる。つまりエチェバリアは打席から2つの塁、二塁に進むというわけだ。

これを一塁から二塁へのワン・ベースを与えていると勘違いしている人は非常に多い。テレビ中継の実況でも間違えていたし、その後のプロ野球ニュースでも間違えていたので、ついここで書いてしまった。

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