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朝の環境認識 2021年12月3日

おはようございます。
市場は不安定な動きになっていますね。今日の相場はどうなるでしょうか。

◆トレード手法

スタイル:ディトレード
取引通貨:GBPJPY GBPUSD GBPAUD
チャート設定:水平線(キリ番毎に50pips) 
       SMA(紫:60 青:240 赤:720 茶:2880)
監視足:1時間 5分

4本の移動平均線と水平線を基に環境認識を行い、ローソク足と移動平均線の位置関係を基にエントリー根拠を定めています。

基本はテクニカル分析を基にエントリー判断を行いますが、レートは市場参加者の総意で形成されており、また、様々な事象を網羅しているとの考えから、ここで述べている最低限度のファンダメンタルズは重視しています。

◆昨日の動き

OPEC+は、日量40万バレルの増産(現在の生産計画の維持)で合意しました。ただし、市場が変化した場合、は予想される供給量の増加を修正する可能性があるとしており、新型コロナの感染再拡大や米国などによる石油備蓄放出で先行きが不透明となっている状況が浮き彫りになっています。
OPEC+会合後に米エネルギー省は声明を発表し、既に発表した戦略石油備蓄(SPR)の放出時期および規模を変更する計画は無いとしています。
会合結果を受けて原油価格は、一時パニック売りとなり、8月以来の安値となる62ドル半ばまで急落しましたが、増産も小幅で変わりがないことから、売られ過ぎ感が意識されると一転して買い戻し優勢となり、前日比でプラスで終えています。

11月27日までの1週間の米国の新規失業保険申請件数は、前週比2.8万件増の22万件となっており、市場予測ほどの増加はありませんでしたが、労働市場がタイトな状況にあることが示されています。労働市場がタイトになると、賃上げ要求が高まり高インフレの要因にもなるので、テーパリング加速議論の後押しになるかもしれません。

欧州の新型コロナの感染は拡大傾向にあります。
ドイツは新型コロナウイルスのワクチンを接種していない人を対象に、全国で厳格な制限措置を導入し、レストランや劇場のほか、生活必需品ではない商品を販売する店舗への入場をワクチン接種済みまたは感染から回復した人に限定するなど、新たな感染抑止策を打ち出しています。
また、一部での病院の収容能力の限界に達している模様で、メルケル首相は、「感染拡大に緩和の兆しも見られるが、水準は極めて高すぎる」と指摘しています。

英国でもオミクロンの感染が拡がっており、感染者は南アへの渡航歴がなく市中感染の懸念が拡がっています。

オミクロン株に関しては、JPモルガンは「これまでの変異株よりも強い可能性がある一方、初期の報告によれば致死性は低いともみられる。これは歴史的に観察されたウイルスの進化パターンに合致している」と指摘し、オミクロン株は新型コロナパンデミックの終焉が近いことを示唆している可能性があり、リスク資産にとって最終的にプラスとなるかもしれないと分析しています。

市場は、オミクロン株への警戒感からか神経質な動きになっていますが、徐々に警戒感も薄れてきている気もします。
今のところ、感染力の強さは確認できていますが、重症化の報告は上がってきていないので、一つ一つの事実を積み重ねて消化してきているのかもしれません。

米下院は、2月18日までの連邦政府の資金を手当てするつなぎ予算を賛成多数で可決し、上院に送付しました。現行つなぎ予算が3日に失効する前に成立すれば、政府機関の閉鎖は回避されることになります。

◆今日の予定など

今日は米国の雇用統計が発表されます。
[非農業部門雇用者数]事前予測:+55万人 前回:+53.1万人
[失業率]事前予測:4.5% 前回:4.6%
[平均時給(前年比)]事前予測:+5.0% 前回:4.9%
先行指標の中で雇用統計と相関関係が最も強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の11月分は前月比+53.4万人と、10月+57万人から伸びが鈍化したものの予想を上回っています。

新規失業保険申請件数も減少傾向が続いていますが、11月の米労働省雇用動態調査(JOLTS)では、有効求人数が1040万件となっており自発離職者も増加傾向にあるため、労働市場は引き続きタイトな状況となっています。
パウエル議長も前日の上院公聴会での証言の中で、前回のFOMC会合後の雇用統計で非農業部門雇用者数の伸びが予想を上回っていますが、労働参加率が伸び悩んでいる点について「意外感がある」との見解を示しています。

労働市場がタイトとなると、賃金上昇圧力がかかり賃金上昇率の上昇がCPI、コアPCEデフレーターなどインフレ指数の上昇に深く関与していることが見て取れます。
11月30日、12月1日の上下院公聴会での証言において、パウエル議長は、すでに経済が強くインフレ圧力が強まっているため、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、11月に決定した軌道よりも早いペースでの資産購入縮小を進める選択肢を協議することが妥当だとタカ派的な発言をとなっています。その一方で、オミクロン株はリスクとの認識を示しており、次回FOMCまでに「新たなデータ(経済指標等)をさらに入手し、新たな変異株に関する理解を深めることになる」としており、海外での反応は、「向こう2週間で公衆衛生状況の悪化がない限り、FOMCの次回会合でテーパリング加速の決定が下される見込み」との見方です。

現時点では、オミクロン株の影響が未知数ですので市場はこのニュースに過敏に反応していますが、今後、ワクチンの有効性などが明らかになってくれば徐々に落ち着きを取り戻してくるかもしれません。
オミクロンに関しては、デルタ株同様に中国などの製造業の中心地で新たな行動制限につながり、サプライチェーン(供給網)問題を悪化させ、ロックダウンが再開され、健康不安が人々の職場復帰を妨げ労働力不足を深刻化れば経済成長には悪材料となるリスクが想定されています。この様な事態に至らない限りは、テーパリングの加速議論は進んでいくのではと思われます。

利上げ時期に関しては、CMEFedwatchツールでも、本日時点2022年6月に利上げを行うとの予測が70%程であり、2022年に少なくとも2回の利上げを想定しています。
現時点では、12月のFOMCでテーパリングの加速を決議して、2022年3月にテーパリングを終了させ、6月に最初の利上げを行うというシナリオがコンセンサスになりつつあるかもしれません。
今回の雇用統計で事前予測中央値は53~55万人の増加となっていますが、アップサイドでは60~70万人の増加とみる予測も出ています。
この程度の増加の場合には有効基準数1000万人を充足できるほどの規模ではないので、賃金上昇率を抑えるまでには至らずインフレ懸念が後退することはないため、コンセンサスが崩れることもなく、テーパリングの加速が確実視され、ドルも底堅い動きとなるかもしれません。コンセンサスに変化を与えるとしたら、新規雇用者数が大幅に減少し、労働参加率が悪化して景気減速が見て取れるようであれば、テーパリングの加速にストップがかかる可能性があり、ドルが大きく売られる場合が想定されます。

その他では、ISM非製造業非製造業景況指数も発表されますので、今日もNY時間の指標には注意が必要です。

政治的な動きとしては、昨日下院で可決された2月18日までの連邦政府の資金を手当てするつなぎ予算が上院で審議されます。本日中に可決となれば当面の政府機関閉鎖の脅威は回避されることになります。
欧州では、英国とEUとの間のブレグジットに関する協議が行われます。ここのところ進展が見られない状況が続いていますので、今日の結果で動きがあるかどうか注目です。

◆ポンド円 GBPJPY

9時時点 1時間足基準 150.339
昨日は、149.50付近から反発して150.50付近まで上げて終えています。
紫MAは下向きから水平にかわりつつあり、青MAは下向きのままです。
チャートも三角保ち合いのとなっていますので、今日の東京時間から欧州時間にかけては、150.50付近でレンジの動きで推移して雇用統計の発表をまつ動きになるかもしれません。
今日は、東京時間は様子見をして、欧州、ニューヨーク時間と市場の傾きを確認しながらポジション取りを考えたいと思います。

◆ポンドドル GBPUSD

9時時点 1時間足基準 1.32982
ポンドドルも1.3300を挟んで神経質な動きになっています。
ポンド円同様に三角保ち合いになっていますので、このまま1.3300付近で雇用統計発表まで推移するかもしれません。
方針は、ポンド円と同じく、東京時間は様子見をして、欧州、ニューヨーク時間と市場の傾きを確認しながらポジション取りを考えたいと思います。

◆ポンドオージー GBPAUD

9時時点 1時間足基準 1.87721
ポンドオージーは、2日連続で上昇しています。
紫MA、青MA共に上向きですが、紫MAは強い上昇を示すというよりやや水平になりつつあります。
現在のレートは、直近で反落したポイントに差し掛かっているので、このまま上昇するのか、もう一度反落するのか注意が必要です。
基本は、紫MAまで下げてくれば押し目買い狙い。利確目標は1.8800付近。
紫MAを下抜けした場合には、紫MAの向きが下向きに変われば戻り売り狙い。利確目標は1.8600付近。
1時間足での一目均衡の雲の切れ目が1.8670付近にあり、紫MAもこのラインで推移しているので、少し注意して見ていきたいと思います。

◆ドル円 USDJPY

9時時点 1時間足基準 113.067
昨日は、113.00を挟んで上下する新家質な動きでした。
紫MAは水平、青MAは下向きですので、三角保ち合いになりつレンジで推移して雇用統計の発表を待つ動きにかもしれません。
ドル円も東京時間は様子見をして、欧州、ニューヨーク時間と市場の傾きを確認しながらポジション取りを考えたいと思います。

◆まとめ

今日は米国雇用統計の発表を控えており、また、オミクロン株への警戒感も払拭されたとは言えない状況です。
この様な時は、無理せず市場の傾きを確認して「後の先」を取る方針でもいいかもしれません。
市場は今日だけではないので、無理せず焦らずです。


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