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朝の環境認識 2021年12月6日

おはようございます。
朝の寒さが身に堪えますね。今日の相場はどうなるでしょうか。

◆トレード手法

スタイル:ディトレード
取引通貨:GBPJPY GBPUSD GBPAUD
チャート設定:水平線(キリ番毎に50pips) 
       SMA(紫:60 青:240 赤:720 茶:2880)
監視足:1時間 5分

4本の移動平均線と水平線を基に環境認識を行い、ローソク足と移動平均線の位置関係を基にエントリー根拠を定めています。

基本はテクニカル分析を基にエントリー判断を行いますが、レートは市場参加者の総意で形成されており、また、様々な事象を網羅しているとの考えから、ここで述べている最低限度のファンダメンタルズは重視しています。

◆先週金曜日の動き

先週金曜日は、米雇用統計の発表がありました。
非農業部門雇用者数(NFP)のヘッドラインはは前月比21万人増と事前予測(55万人増)を大きく下回る結果となっています。

家計調査に基づく失業率は、事前予測(4.5%)以上の4.2%に低下となっており、季節調整済みの失業者は、687万人となり前年同月比の1072万人からは、385万人の減少となっています。
パンデミックが雇用に与えた影響では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に対する懸念のために過去4週間に求職しなかった米国人は11月に119万人となり、前月の129万人から減少し、パンデミック後で最低でしたが、引き続き100万人を大きく上回っています。
この調査期間は、10月に新型コロナの新規感染者数が減少後、再び増加していた時期となります。オミクロン株の影響は今回の統計では反映されていないため、今後の統計で表れてくることになります。
既に働いている労働者にとっては、新型コロナの影響は引き続き後退しており、11月に仕事ができなかった、または事業閉鎖や業務縮小により労働時間が短縮された人は約364万人で、前月の約383万人から減少しています。
パンデミックの影響でテレワーク(遠隔勤務)を最近したとの回答は11月に1750万人となり、前月の1805万人から減少しています。

求人件数は9月時点で1000万件を超えているものの、仕事を探している人も含めた労働参加率は低迷し、人手不足が続いています。
11月の労働参加率は61.8%と10月から0.2ポイントの改善に留まっており、コロナ禍を機に退職したり、賃金上昇が続くとみて慌てて仕事に就くのを控えたりする人が多く、無職でも職探しをやめると失業者に算入されないことにより、失業率は計算上は下がりやすくなるため、失業率の低下となっています。

今回の発表で前月から大きく減少したのは、小売業-2.04万人、製造業の自動車と部品-1.01万人となっており、それ以外も前月に対して増加とはなっていますが、総じて雇用者数は減少しています。また、政府系の雇用も引き続きマイナスとなっています。
前述のとおり、9月時点の有効求人数は1000万件を超えており、それに対して失業者は687万人であることから、「仕事がない」状況ではなく「仕事を選んでいる」状況になっていると思われ、企業が求める職種、ポジションや条件と、求職者が希望する職種、条件がマッチしていない状況が浮き彫りになってきていると思われます。
2021年版の米国で人気の無い職種(食えない職種)ランキングでは、
1位:タクシー運転手
2位:木こり
3位:新聞記者
4位:小売店販売員
5位:軍人

となっており、今月大きく減少した小売業は、もともと”人気が無い職種”であり、賃金も平均より低い職種です。よって、仕事が選べる状況下であれば、そもそも人が集まりにくい職種であると言えます。

逆に、企業側からみれば行動制限の緩和や、ブラックフライデーや年末商戦による需要増から人手が必要と考えて、8月、9月と人員増を進めてきましたが、サプライチェーンの混乱により在庫不足が慢性化(売るものがない)、消費者の購買パターンの変化(ネットショッピングの増加)などから、高い賃金を提供してまで採用をするという積極採用を手控えている状況だと思われます。
ネットショッピングの台頭の裏付けとしては、輸送および倉庫保管が順調に雇用者増となっていることで推し量れます。
日本でもネットショッピングの売上が百貨店の売上を逆転していますので、同様の傾向が米国でも見られているのではないかと思われます。
製造業の自動車と部品が新規雇用が減少した一因として、半導体などの原材料の一部の供給制約があり製造が滞っていることが要因かと思われます。
これらから、今回のNFPの減少が景気減速を示唆するものではなく、労働市場がよりタイトかつ複雑になっていることが浮き彫りになったと思われます。
労働市場はタイトになってきており、それがインフレを一段と長引かせる要因となることから、FRBはテーパリング加速の議論を推し進める可能性が高いと市場は観測しています。
来週の12/8のJOLT労働調査で10月の求人状況を確認し、12/9の消費者物価指数(CPI)でインフレ率を確認することになります。事前予想はCPIは+前年比6.7%、コアCPIは前年比+4.9%と前月を上回る予測となっており、事前予想とおりの内容であれば、テーパリング加速はより現実味を帯びてくると思われます。FRBはインフレ抑制を主軸に置くと見られており、オミクロン株の影響の懸念とテーパリング加速の警戒感で株価が大きく反応し下落しています。
11月の雇用統計はオミクロンの影響をまだ捉えておらず、感染リスクを恐れて職場への復帰をためらう人や、在宅で子育てなどに専念せざるを得ない人が増えれば、人手不足はさらに深刻になるかもしれません。
それがインフレを一段と長引かせる要因となり、人の往来や経済活動が広く制限されれば、高インフレが収まらないうちに雇用と景気が悪化するリスクを抱えることになります。
次回FOMCでは、オミクロン株の影響の評価も焦点になると思われます。

ISMが発表した11月の非製造業総合景況指数は、統計開始以来の最高を更新し、着実な消費需要を背景に企業活動が一段と活発化したほか、堅調な受注が続いており、新規受注は統計が始まった1997年以来の最高水準を維持しています。

11月は18業種すべてが活動拡大を報告。不動産や運輸・倉庫、小売りが特に伸びています。
ISMでは、「需要が引き続き供給を上回っている。供給は生産能力の制約や労働力・資材不足、物流の問題に影響を受けている」と発表資料で指摘し、「こうした状況は需要けん引型インフレの要因にもなっており、全体のビジネス状況に影響を及ぼしている」と説明しています。
こうした需要に基づく指数は伸びの加速が続いた一方で、供給問題が和らぎ始めていることも示唆されており、受注残の指数は過去最高水準から低下、雇用指数は5ポイント近く上昇の56.5と4月以来の高水準となっています。
仕入価格指数は82.3に小幅低下。前月は2005年9月以来の高水準となっており、入荷水準の指数は統計が始まって以来2番目に高い数字にとどまり、遅延がまだ続いていることが示唆されています。
しかしながら、企業のコメントは人手不足、原材料の高騰、サプライチェーンの混乱に関する悲鳴が多く、個人消費など需要は歴史的な強さである一方、物流停滞や人手不足が深刻なまま。需要と供給がかみ合わない状態でインフレ圧力がかかり続けています。

オミクロン株は米国でも感染が拡大し、バイデン米大統領の首席医療顧問を務める米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)のファウチ所長は「市中感染が起きているのは間違いない」と語っています。

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)では、オミクロンの症例は、米国の少なくとも15の州で発見されたとしています。
ノルウェーの首都オスロでは、市内で開かれた1件のクリスマスパーティーで、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の感染者を新たに12人確認し、感染者は計13人になったと発表しています。

オミクロン株の特徴も少しずつ明らかになってきており、感染力はデルタ株より強い恐れがある一方、軽症や無症状で済む傾向も指摘されています。
新型コロナワクチンを2回接種後に感染したとの報告が相次ぎ、専門家らが分析を急いでいます。
重症化リスクは不明ですが、軽症で済む傾向を示すデータもあり。EUの欧州疾病予防管理センターによると、EU域内などの感染は12月3日時点で16カ国で109件確認され、判明分では全員が軽症か無症状で死者の報告はないとしています。
ここから少しづつオミクロン株の全容が判明してきて、オミクロン株が経済に与える影響が評価されてくると思われます。

◆先週の為替の動き

先週は、全体的にリスクオフ傾向が強く、円、フランが強く、原油価格の下落を受けて豪ドル、加ドル、ポンドなど資源国通貨が弱い状況が続き、ドル、ユーロは底堅い動きとなっています。

◆今日の予定など

今日は注目度の高い経済指標の発表や要人発言は予定されていません。オミクロン株の影響、欧州の地政学的リスク、米国など金融政策の行方などが材料視される動きとなるかもしれません。

欧州の地政学的リスクでは、ウクライナ情勢は相当きな臭くなってきており、CNNによると、ウクライナ国境沿いのロシア軍は、ウクライナへの即時侵攻を可能にし、紛争中の軍隊を継続的に支援できる医療ユニットと補給線の設置を完了させています。
米国などは、ロシアがウクライナとの国境に沿って軍隊を強化することは、侵略が差し迫っていることを意味する可能性があると警告しており、ロシアはウクライナを攻撃する計画を否定しましたが、ウクライナのNATO参加を認めないように要求し、その理由としてプーチン大統領は、ウクライナがNATOに参加することになった場合、ロシア国境の近くに対ロシアの兵器システムが配備されることを心配していると主張しています。
ウクライナ軍は、米国から入手した新しい哨戒艇を追加することを計画しており、対戦車ミサイルも追加する予定です。ブリンケン米国務長官は、水曜日にラトビアで外相と会談した後、「プーチン大統領が侵略を決定したかどうかはわからない」と述べ、「プーチン大統領がそう決定した場合、彼が短期間にそうする能力を備えていることを私たちは知っている。」とし、ロシアがウクライナを侵略することを選択した場合、前例のない経済制裁に見舞われるだろうと警告しています。
ホワイトハウスのサキ報道官は、バイデン大統領とプーチン大統領が、7日火曜日にビデオ会議を行うと発表し、バイデン大統領は、ウクライナ国境でのロシアの軍事力増強に関する米国の懸念について話し合いたいと考えていると述べており、それまでの偶発的な動きには市場が反応するかもしれません。

英国とEU間のブレグジットに関する協議は、英国フロスト担当大臣が自身のTwitterで、先週金曜日にシェフチョビッチEU副委員長とオンライン会合を行い、医薬品問題で一部進展はみられたものの、依然ギャップも大きく合意には至っていないとし、先週末と同じスタンスとなっており、引き続き今週金曜日に会合を行うとコメントしています。

市場の動きとしては、これまでは金融緩和での過剰流動性マネーが相場を崩すことはないだろうとの楽観視されており、米国株式も高止まりしていましたが、徐々に動きが変わりつつあります。

ビットコイン、原油、天然ガスなどリスク資産から資金が抜けつつあり、資金が米国債に逃避したことが伺えます。オミクロン株の影響の不安に、予想外にタカ派寄りに転じたパウエルFRB議長とテーパリング加速の警戒感が加わり、株式市場の動揺から急なリスクオフには注意したいと思います。

◆ポンド円 GBPJPY

9時時点 1時間足基準 149.471
先週のポンド円は大きく下落し、150円を割り込み、一時は148.90台まで下げています。
149.0円は過去に何度も意識されている水準ですので、今週も引き続き下落するのか、反発の動きとなるのか注意して見ていきたいと思います。
1時間足では、紫MA、青MAともに下向きで売りが優位な状況となっています。今の位置は反発が意識されるポイントですので、売るのであれば充分に引き付けてから売りたいと思いますし、買うのであれば紫MAの向きが水平にかわるの待ってから買った方がリスクが少ないと思われます。
基本は、紫MAまで上げてくれば戻り売り狙い。利確目標は149.50、149.00付近。

◆ポンドドル GBPUSD

9時時点 1時間足基準 1.32333
先週のポンドドルも大きく続落し、一時は1.3200を割り込む水準まで売られています。
1.3000まで抵抗が少ない真空地帯ですので、引き続き下落するかどうかを見極めたいと思います。
1時間足では、紫MA、青MAともに下向きで売りが優位な状況となっています。今日も引き続き、戻り売りを狙う展開になるかもしれません。
基本は、紫MAまで上げてくれば戻り売り狙い。利確目標は1.3250、1.3200付近。
紫MAを上に抜ければ、青MAまで待って戻り売り狙い。利確目標は1.3300,1.3250,1.3200付近。

◆ポンドオージー GBPAUD

9時時点 1時間足基準 1.88738
先週のポンドオージーは、大きく上昇し5週連続の上昇となっています。
1.8900まで上昇してきており、直近で反落したポイントですので、ここからの動きには注意したいと思います。
1時間足では、紫MA、青MAともに上向きで買いが優位な状況となっています。今の位置は上位足でも抵抗が想定されるポイントですので、買うのであれば充分に押し目を付けたポイントを狙っていきたいと思います。
基本は、紫MAまで下げれば押し目買い狙い。利確目標は、1.8850、1.8900付近。
下抜けした場合は見送りし、青MAまで下げてくるを待ってから押し目買い狙い。利確目標は1.8700、1.87500付近。

◆ドル円 USDJPY

9時時点 1時間足基準 112.950
先週のドル円は2週連続の下落となり、113円を割り込み112.70円台まで下げています。
113.0-115.0のレンジの下限となっているので、ここで反発してレンジ上限を目指す動きになるのか、それとも下落するのか見極めたいと思います。下落するならば、111.50付近までは下げるかもしれません。
1時間足では、紫MAは水平から下向きに、青MAは下向きになっています。レンジ下限からの反発となるのか、このまま戻り売り優勢になっていくのか見極めたいと思います。
基本は、紫MAまで上がってくれば、紫MAが下向きのままならば戻り売り狙い。利確目標は112.50付近。
紫MAが水平から上向きに変わり、紫MAで押し目となれば押し目買い狙い。利確目標は113.50付近。

◆まとめ

これからクリスマスに向けて、市場参加者も減少し流動性が低下していきます。市場が懸念しているニュースなどで、急なリスクオフによる値動きには注意したいと思います。

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