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【メガバンク勤務「クロ」】メガバンクからの借入と手数料について

今回は、クロさんから寄稿いただいた3本目の記事をご紹介します。
私の自己紹介記事も、ぜひあわせてチェックしていただけると嬉しいです。


こんにちは。クロと申します。

私は新卒でメガバンクに入社し、入行店から現在に至るまで営業店で担当者をしてきました。

谷本さんとはXで出会い、銀行やキャリアについてお話しさせていただいたことをきっかけにそれ以来仲良くさせていただいております。

営業店では多くの経営者の方や貸出案件に携わらせていただきました。今回は「銀行借入の金利と手数料」について書かせていただきます。
特に今後メガバンクと取引を始めたいと考えている企業様に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

Xでも私の考えを発信していますので、よければ見てください。
https://x.com/kuro_career


借入金額と金利を決めるまでの流れ

借入金額と金利を決めるまでの流れ

まずは、借入金額と金利を決めるまでの流れをご紹介します。

申し出金額が適切なのかどうかを検証する

銀行では、お客様から借入をしたいと言われた金額をそのまま受け付けているかというと、決してそんなことはありません。
借入申し出を受け付けたらまず最新の試算表で現状の財務分析を行い、真の資金使途が何なのかを明確にし、その上でお客様からの申し出金額が適切なのかどうかを検証します。

この時「どういったことに使いたいのか」をヒアリングするので、場合によっては申し出金額よりも小さな金額で借入をした方が良いというアドバイスもしますし、CF的に厳しくなる見込みがあれば、もう少し増額した金額で借入を行うよう勧めることもあります。

金利を決める

金額と資金使途が決まれば、次に金利をどうしていくかという議論になりますが、金利は担当者の一存で決めているわけではありません。金利はRORAというリスク(貸出)に見合った収益(金利など)を得られているかを検証する指標がありますので、基本的にはそれに従っていきます。

話すと長くなりますので割愛させていただきますが、下記で金利を決める大きな要素をお話ししたいと思います。

金利を決める要素

金利を決める要素

ここでは、金利を決める大きな要素を6つご紹介します。

①格付
→銀行が独自に付けている各企業の信用力の指標

②与信金額(借入金額)
→借入実行を検討している金額
借入申し出以外に既に貸出を行なっている場合、その金額を含めて採算を検証する。

③与信期間(借入期間)
→貸出を行う期間

④保全状況(担保状況)
→担保の状況
担保の金額や担保の評価や担保物件の種類、根担保なのか特定の根担保なのかで大きく変わる。

⑤金利以外の収益
預金収支や為替収支、メガバンクであればグループ会社で行なっている運用なども含む。

⑥保証有無(代表者の資産状況)
中堅・中小企業の場合、オーナーと企業は一体として見られるため、資産状況などを開示している場合は補正を行う場合がある。

これらを全て検証した上で、借入申し出に対しての金利を決めていきます。

中堅・中小企業は手数料に厳しい

中堅・中小企業は手数料に厳しい

担当者は上記事項を検証し、上席と話し合った上で金利や場合によっては融資取扱い手数料などを決定しています。しかし、多くの中堅・中小企業は銀行担当者が持ってきた提案に対し前向きな反応をしていないのが現状です。

余計な手数料や金利を支払いたくないといった気持ちは十分理解できますし、本当に不要なものであれば払う必要はありません。

ただ、私が担当してきた取引先は決してそうではありませんでしたし、借入申し出をする企業は何かしら資金需要があるので、今後の継続的な取引や業績が厳しくなった場合を考えると最善種とは非常に言い難いように感じます。

借入に見合った手数料(金利)はしっかりと支払うべき

借入に見合った手数料(金利)はしっかりと支払うべき

ここでは、借入に見合った手数料(金利)をしっかりと支払うべき理由をお話ししたいと思います。

成長している企業は借入を使いこなしている

成長している企業は、借入を上手く使いこなしているように感じます。もちろん金利の交渉は行いますが、支払うべきところに対してはしっかりと支払っている印象です。

特にこれは、中堅・中小企業の中でも事業規模が大きく成長意欲が強いお客様ほどその傾向があります。具体的には100億円程の融資に対して、1億円程度の融資取扱い手数料を頂き、採算を十分満たせる水準の金利も頂きました。

金利や手数料を支払う理由

では、なぜこうまでして企業にとっても負担となる金利や手数料を支払っているのでしょうか。「また次も借りたいから」「業績が厳しくなっと時も支えて欲しいから」これが大きな理由かと思います。

実際に社長とお話しても、似たような回答が返ってきています。ある程度事業規模の大きな企業が金利や手数料を支払っているにも関わらず、売上の小さな企業が支払わないで銀行からの安定的に資金調達を行うのは、今後難しくなってくると思います。本当の意味での企業の成長を考えるなら、リスクにあったリターンを銀行が納得する水準で与えられるように、企業としても考えていくことが大切だと思います。

最後に

最後に

借入金額と金利や手数料がどのように決まっていくか、またなぜ金利や手数料を支払わないといけないかを理解いただけたかと思います。とはいえ、銀行が提案してくる水準が全て正しいわけではありません。
もちろん交渉は必要です。

適切な水準は金利だけでなく、メガバンクであれば様々な手段で満たすことができます。そういった交渉に不安がある方は、ぜひ気軽にご相談ください。現役銀行員だからできる交渉の仕方をお伝え出来るかと思います。
それではまた。

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理由としては・・・
・1度融資を利用する企業は、その後、2回目、3回目と利用があります。
・長いお付き合いをすることで、お互いの信頼関係を築くと共に、今後の資金繰りについて責任を果たすためです。
ですので、契約先とは最低でも毎月1回は定例でコミュニケーションを取らせて頂き、その都度、資金調達のタイミングや事業方針などについても議論をしております。

社長の望む調達金額を受けられる決算書の作成を得意とします。

銀行融資にはいくつかポイントがあります。
粉飾などによらず、目指す決算書にたどり着くよう、決算月の約半年前からすり合わせを行います。
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これは、税理士や一般的なコンサルタントでは分からない分野です。

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