退院の日が近づいてきた
退院準備を兼ねて
病棟への立ち入りが許され
面談する
車椅子で部屋から連れてこられた母の姿は
ずいぶんと老人のそれとなっていた
退院時に用意すること
迎え入れる家の中に準備すること
慌ただしく決めたケアマネジャーとの打ち合わせ
自宅での世話を委ねるヘルパー会社との契約
ケータリングの食事会社
介護ベッドなどを用意するレンタル会社
家まで車椅子ごと運ぶ介護タクシーの手配やら
契約すべき事柄が山積み
昔自分も入院経験があるからわかるのだけど
退院が現実味を帯びてくると
自然と心は軽くなる
少し無駄口が増えた母
さらに扱いが悪い看護師の悪口まで口にする
体の機能はあまり回復していない
家に戻って普段に近い生活を送ることはできるのか
生活の質を維持できるのか
不安が期待を上回っているのだが
あまり多くの事柄を処理できない母にとっては
自宅に戻れるという希望のみが
頭の中で大きく占めていることだろう
半年以上の入院生活
これがようやく終わろうとしていた
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