読んだ論文 (The role of a Coronavirus disease 2019 pharmacist: an Australian perspective. doi: 10.1007/s11096-020-01067-4)

COVID-19薬剤師の役割:オーストラリアの視点から 

(論文ではなく, 論評ですが、お許しを・・・)

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要旨

COVID-19の大流行は、世界中の医療サービスに大きな影響を与えている。薬剤師は最前線の医療従事者であり、医療チームの不可欠なメンバーである。私たちの施設内に専門の「COVID薬剤師」を配備したことで、薬剤師のスキルを適応、拡大、活用することで、医師不足の圧力を緩和し、医療従事者の感染患者への曝露を減らし、治療上の意思決定に貢献し、このパンデミック中に直面する課題に協力的に取り組むことができることが実証された。本解説では、COVID-19パンデミックに対するオーストラリアの病院薬剤師の対応について詳細に説明し、当院のCOVID専門薬剤師が行ったユニークな臨床的・実践的貢献について述べている。

個人的な読んだ感想など

COVID-19の流行時に、オーストラリアの総合病院における病院薬剤師の活動をどのようにしているかについて論じている論評 (Commentary)です。

COVID-19の確定例、疑似症を受け入れている施設では、専任の薬剤師を配置し(COVID薬剤師と記載されています)、活動を行っていること、個人防護具が限られているため、関わりの工夫や、その他の医療従事者の患者との接触を減らすための適切な薬物管理 (具体的には、呼吸苦の対応、抗菌薬の投与に関して、より接触回数の少なくなるような投与法法や薬剤の選択)、緊急時の薬剤の選定等に関わっているとの記述がありました。

この手の報告は、日本国内では残念ながらされていません (先日発売された月刊薬事9月号の特集で1施設のみ病棟薬剤師の活動が記載されていましたが・・・)。

私の勤務している施設では、第1波の際は、COVID-19症例の受け入れを行っていましたが、今回のオーストラリアからの報告と同様の方法で活動を行っていました (この記事は私の勤務している施設とは関係がないので、ご承知の上読んでください)。

具体的には、専任 (というより、専従)の薬剤師を1名 (=残念ながら、私でしたが・・・)し、通常の病棟業務と基本的には同様の活動を行っていました。

一般病棟には、ロクロニウムなどは配置しませんが、当該病棟では、夜間の急変時に緊急挿管が可能なように、特別に定数配置を行ったり、使用方法の検討、薬剤の定期的な在庫確認なども一手に受けていました。

私もまとめれていませんが (某学会で活動の内容を発表予定)、日本の薬剤師はもっと自分達の活動をアピールする必要があるように思います。

とにかく、アピール力が足りていない!

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