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あの日

世界で一番好きな人から愛が返ってきた日の話をします。

もう4年前になるらしい。また同じ話してるけど、あの日のおかげで今日も生き延びている。

2019年GW 横浜アリーナ。大好きな友人たちと4連って、それだけで楽しかった。
チケット発券したら『スタンド10列』……最後列?そうとなれば更に盛り上がってしまうのが私たちで、好きなだけ騒げるねってずっとわいわいしていた気がする。天井だけど横アリ規模だからちゃんと見えるし、何より同じ空間で同じ時間を共有できたら何でもよかった。

スタンド最後列だからスタトロが来たら頑張ってアピールしようねって話をしながら開演。後ろの人がいないのでとってもはしゃいで楽しかった日。

スタンドトロッコが来て、少しずつこちらに近づいてくるアイドルたちはポケットからサインボールを取り出した。

そもそも最後列と言ったってスタトロはスタンド5〜6列目の間を通るんだから間に4人挟んだらアイドルな訳で。
同じ空間にいて会えていることだって普通じゃないのに、どう考えても普通じゃない距離にアイドルが来たらこちらも普通ではなくなる。

あの日の私は考える間もなく、右手でうちわとペンライトを振りながら左手を差し出していた。らしい。(本当無意識だったから覚えてなくて後から友人にそう聞いた)(しっかり受け取る気でいるの笑ってしまう)

最愛のアイドルがこちらに向かってくるとき、バチっと音が聞こえたみたいに、目が合ったなと思った。アイドルを応援していると毎度毎度「絶対こっち見たよね?!」と思っているのですが、あの日は不思議だった。最愛のアイドルも私を見ていることをしっかり自覚するみたいな一瞬、さくっと矢が刺さるようだった。

そのとき、歌ってたのかな?自分のパートじゃなかったのかな?全く覚えてないけど、ボール持った手で私を指さした後、マイクから少し口を離して口パクで「いい?」って言った。私、多分必死に頷いていたんだと思う。「いくよ」みたいに口が動いて、最後列のわたしまで届くように、でもしっかり受け取れるように、下から優しく投げてくれた。サインボールは私のところにやってきた。

ドラマとか漫画とか夢みたいな話のように、一発キャッチして取れたよ!って笑いたかったのだけど、そんなことはできなかった。ボールは私の手を掠めて後ろに飛んでいった。

と、ここで効いてくるのがスタンド最後列(伏線?)、後ろは壁。すぐ後ろの出入り口のようなところに警備員さんが立っていて、すみません!と叫んだのを覚えている。
そんなことをしているうちに壁に跳ね返ったボールが私の足元に戻ってきた。(どう考えてもそんな奇跡あるわけないだろ、と今でも思っている)

こうして無事(?)受け取ったサインボールは今日も私の元ですやすやと眠っているのだけど。

友人曰く私がサインボール取り逃がした後も、「取れたんかな…?」みたいに少し見守ってくれていたらしい。そんなの好きになってしまう。既に大好きなんだけれど、せっかく受け取った愛もときめきもあまりに多くて溢れ落ちてしまう。

外に出たところで他の友人たちとも合流。
サインボールの写真を撮っていたんだけど静かにしていたくせに友人のひとりがボールを落とし、とんでもない悲鳴をあげたり、その瞬間全員で拾いに行って周りの方にご迷惑おかけしたり、散々だった。私が一番状況飲み込めていないのに、あんたたち何やってんのって笑ってしまった。


ファンサに拘っていたわけではない。私が青のペンライトで健人くんのうちわを振るのは、健人くんのことが大好きだと伝えたいから。だからと言って見つけてもらわなくてもいい、は少し嘘になる。会えるだけで幸せだけど、あわよくば届いてくれないかなぁと思いながらうちわを振っている。

だからその思いが本人に届いたこと、その愛が返ってきたこと、安っぽい響きになってしまうけど私は奇跡だと思いたい。

そんなの、これからも好きに決まってる。サインボールなんて貰ってなくてもずっと大好きでついていく。
それでも最愛のひとから愛が返ってきたら、大切にするしかないじゃん。送りっぱなしの愛でもよかった。私たちファンのこといつも大切にしてくれてるって分かってるから。勝手に愛を送らせてもらっていた。この先のことなんて分からないから、あなたのことをいつまで好きでいるかなんて分からない。忘れられなくなってしまった。今後ファンを辞めようとも絶対忘れられない。最愛のリボンをぎゅっと締められたようで。

『こんな経験をしてしまったら私、離れられない』と当時書き殴った日記にあった。その通り月日が経っても変わらず貴方のことが一番に好きです。

これから何年かけたらあの日の思いを返せるか分からないけど、これからもずっとあの日のお礼をさせてください。

貴方に見つけてもらったおかげで、貴方に愛をもらったおかげで、どんな日も前を向こうと思えます。

健人くんに恥じない自分でいようと、健人くんにとって自慢できるわたしでいようと、日々生きています。

中島健人くん、あなたは私の一番星よ。
私の人生で一番幸せだった、春の日の話。

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