FOMC議事要旨 ガイダンスを巡り意見が割れる

■ 9月FOMCは「当面は緩やかに2%を超える物価上昇を目指す」とガイダンスを変更

■ 議事要旨では、ガイダンスを巡り、参加者の意見がまとまっていないことが明らかに

 9月15、16日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が公表された。9月の会合において、米連邦準備理事会(FRB)は政策据え置きを決定したが、8月27日に公表された新たな政策指針に従い、「物価上昇率が平均で2%となるよう、当面は緩やかに2%を超える水準の達成を目指す」と物価が目標の2%を超えることを容認するガイダンスを声明文に追加した。

 議事要旨では、新たな政策指針の主要部分をガイダンスに組み込むことについては、全ての参加者が同意したが、詳細について意見が分かれていることも浮き彫りになった。ほとんどの参加者は、利上げ決定に向けた雇用や物価の基準を設定するような、より明確で結果に基づいたガイダンスの提供を支持した。2、3人の参加者は、より力強いが限定的でないガイダンスのほうがFOMCの目標達成への熱意を示せるため好ましいとした。一方、数人の参加者はガイダンスをこれまでの「経済が最近の出来事を乗り切り、雇用最大化と物価安定の目標を達成する軌道に乗ったと確信するまで、政策金利目標の誘導レンジを維持する」から変えないことを支持した。彼らは、長期金利が既にかなり低いなかでガイダンス強化の必要はないとし、「雇用や物価の基準を達成するまで政策金利をほぼゼロにする」といったガイダンスはFOMCの柔軟性を数年にわたって限定することになりかねないと懸念を表した。なお、ガイダンスを巡り、ダラス連銀カプラン総裁は変更不要、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁が物価指標を食料・エネルギーを除くコアに変更すべき、としてそれぞれ反対票を投じている。

 FRBの新たな政策指針に基づく、新ガイダンスにある「物価上昇率が平均2%」がどの程度の期間の平均となるかについてなど具体的なヒントは、今回の議事要旨では示されなかった。また、ガイダンスの変更を巡って参加者に異論が多いことも明らかとなり、今後の具体的な運用については、FRB要人の発言を注視していきたい。

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