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コレステロールの本当

動脈硬化や心疾患は動物性脂肪の摂取が原因だとされていますが、そもそもそのもとになる論文は、有意に操作したものであったと暴露されています。


肉や卵、乳製品の摂取量を減らすための、この50年間の努力は悲劇的だ。キーズ博士の説を証明するために多額の資金が費やされたが、その食事法による恩恵は何も示されなかった。飽和脂肪酸にまつわる仮説をいったん寝かせ、国民の健康を悪化させている別の犯人を探すときがきた。


脂質の一種、コレステロール値が高いと体に悪いという説は、栄養学最大の嘘かもしれません。


コレステロールとは?

コレステロールとは脂質の一種です。
細胞膜をはじめ、脳、内臓、筋肉、性ホルモンや副腎皮質ホルモン、脂肪の消化吸収を助ける胆汁の材料になります。

人間の体は約60兆とも70兆とも、はたまた30兆ともいわれたり、とにかくおびただしい数の細胞からできています。その細胞ひとつひとつの膜、細胞膜の材料もコレステロール。つまり、コレステロールはなくてはならない重要な役割を担っています。

血液検査の結果によって、コレステロールの値がどうのという話になるのですが、血液検査で見られるのはLDLとHDLの数値です。

LDLコレステロール:low density lipoprotein cholesterol
低比重リポタンパク質のこと
いわゆる悪玉

HDLコレステロール:high density lipoprotein cholesterol
高比重リポタンパク質のこと
いわゆる善玉


リポタンパク質

コレステ

リポたんぱくとは、脂質を結晶中に安定に存在させるためにタンパク質と結合している球状の粒子をいいます。コレステロールは脂質なのでそのままでは血液に溶け込むことができません。血液となじみやすいタンパク質に包まれて血液中を流れていきます。こうしてタンパク質に包まれた状態をリポタンパク質といいます。

つまり、リポタンパク質はコレステロールの運び屋。コレステロールを積みこんだトラックみたいなものです。

LDL
肝臓から出発して、各細胞にコレステロールを運びます。
HDL
全身の細胞から余ったコレステロールを回収して、肝臓へ戻ります。

コレステロール

リポタンパク質は、コレステロールを運ぶ大切な役割を持っています。

HDLは余ったコレステロールを回収する機能があるので「善玉」と呼ばれます。対してコレステロールを運ぶのみで回収する機能を持たないLDLは「悪玉」と呼ばれてしまいます。

LDLの値が基準を外れると、下げましょうということで薬が処方されます。


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コレステロール値を下げるために飲む薬の副作用として、筋力低下、性欲低下、記憶障害、鬱といったケースが報告されています。


なぜ動物性脂肪は敵視されるようになったか?

先ほど、脂質の一種、コレステロール値が高いと体に悪いという説は、栄養学最大の嘘かもしれませんと書きました。

飽和脂肪酸、多くは動物性の脂肪をさしますが、それを悪者とする考えの起源は1950年代にさかのぼります。


ミネソタ大学のアンセル・ベンジャミン・キーズ博士が飽和脂肪酸はコレステロール値を上げ、その結果、心臓疾患の原因になるという説を主張したのが始まりです。

米心臓協会(AHA)は、当初はキーズ博士の説に懐疑的だったものの、1961年に飽和脂肪酸を悪者としたガイドラインを米国で初めて発行しました。1980年には米農務省がこれに続きました。

その後も、キーズ博士の説を証明するために多大な労力や費用がつぎ込まれました。この説が正しいとする先入観があまりにも強く、博士の説は常識のようになりはじめました。ハーバード大学で栄養学を教えるマーク・ヘグステッド教授は1977年、キーズ博士の説に基づく食事法を全国に勧めるよう上院を説得することに成功しました。その際、ヘグステッド教授は大きな恩恵が期待でき得るとし、リスクについては「何もない」としました。

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しかし、実際には、キーズ博士のデータの並べ方に作為がありました。

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キーズ博士は6か国のデータを抽出して脂質の摂取量と心臓病に相関がみられるとしましたが、実際は22か国からデータをとっていました。

そしてその22か国のデーターでは、その脂質の摂取量と心臓病との相関関係は見られません。

冒頭で紹介したウォール・ストリートジャーナルで発表された記事の日本語訳があります。

疑わしき飽和脂肪酸「悪玉論」 
バター、チーズ、ステーキは本当に体に悪いのか?
脂質が悪とされたその歴史


この記事から抜粋します。

当時も、飽和脂肪酸をあまりとらない食事法が引き起こす結果について警告する科学者はいた。そして現在、私たちはその結果に直面している。
その1つは、私たちは今、脂肪の摂取量を減らす一方で、炭水化物を多く摂取していることだ――1970年代初頭より少なくとも25%多い。政府のデータによると、飽和脂肪酸の摂取量は11%減少した。つまり、肉や卵、チーズの代わりに、パスタや穀物、フルーツ、イモのようなデンプン質の野菜を摂っているのだ。
問題は炭水化物がブドウ糖に分解され、インスリンが分泌されることだ。インスリンは効率良く脂肪を蓄積させるホルモンだ。果糖は肝臓が血液中に脂質や中性脂肪を分泌させる原因となる。炭水化物の摂りすぎは肥満の原因となるだけでなく、後天性の2型糖尿病の原因にもなる。さらには心臓疾患の可能性も高まる。
肉や卵、乳製品の摂取量を減らすための、この50年間の努力は悲劇的だ。キーズ博士の説を証明するために多額の資金が費やされたが、その食事法による恩恵は何も示されなかった。飽和脂肪酸にまつわる仮説をいったん寝かせ、国民の健康を悪化させている別の犯人を探すときがきた。


コレステロールの食事由来は25%ほどで、ほとんどが体内で合成されるものです。食事でとる脂肪はコレステロール値にはおおきな影響をおよぼしません。

また、実際、動物性脂質の摂取と心臓病リスクには相関がありません。


何が問題なのか?

穀類の栽培は、人が生きていく上で
寿命を延ばす
労働力をあげる
という点で、すぐれていました。
穀類の安定供給により人類増加につながったとも言えます。

けれども、近代は穀類、つまり糖質のとりすぎがさまざまな病気の原因ともなっています。

炭水化物の摂取量が増えるとLDLが増えます。

というのも、炭水化物をとりすぎることは、炎症を引き起こすことになるからです。

炎症を起こしたところに修復しようとLDLがあつまります。
そのLDLの蓄積で、血管が詰まり動脈硬化や心疾患につながるというわけです。

LDLの値が増加する大元の原因は、糖質過多の炎症によるのであり、油のせいではありません。

高脂血症も、コレステロールがリポプロテインによって血液中を循環する量が過剰な状態によるものです。

糖質、つまり人の欲求、欲望を刺激するものの過剰摂取にこそ問題がありますよというお話でした。

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※参考記事
飽和脂肪酸と心疾患の関係についての記事

・British Medical Journal

飽和脂肪酸は動脈を詰まらせない:冠状動脈性心疾患は慢性炎症性疾患であり、そのリスクは健康的な生活習慣の介入から効果的に減少させることが可能。

・Healthline Media

飽和脂肪に関する研究 神話を退ける時が来た?
結局のところ、一般の人々が飽和脂肪酸について心配する理由は何もないようです。甘いソーダやジャンクフードを回避すること、健康食品の摂取すること、運動することなど、注目に値する問題が他にあります。

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