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自己紹介

知詠と申します。

大学の農学部食品栄養学科を卒業した後、乳製品をつくる食品会社に勤め、研究職に従事しました。

高校生の時から、食品の成分、とくに食品添加物に興味があったということもあるのですが、そもそも農学部に入ったのは、環境破壊について学びたかったからでもあります。

農学部のなかで専攻は食品微生物、カビでした。人にとって有益な微生物の発生を発酵といいますが、不利益なものを腐敗と言います。私がやってたのは腐敗の方。けれども、顕微鏡で覗くカビの世界は花畑のようでした。なので、わたしはカビを見ると「カビが咲いてる」と言います。私の中では普通の言葉でしたが、咲いてるというと怪訝な顔をされる事が多いですね。そういえば、カビは生えるが一般的かもしれません。

野菜、果物にどんなカビが生えやすい、というのを調べてみていくわけですが、そのカビがどんな環境であれば育ちにくく、育ちやすいかを調べて、野菜や果物などの輸送時の品質を保つ、それとどんな農薬をいつ使うかということにつながる基礎研究をしていました。

会社に勤めてからは、乳製品を作っていました。乳製品といっても、偽物、加工品の乳製品です。

水と油と乳化剤、香料を入れて、乳化させてコーヒーフレッシュとか、ソフトクリームとかですね。そんな合成品を開発していました。

結局は、心身ともにしんどくなってしまって6年半でやめるのですが、食品会社に勤められたのは今から思うととてもおもしろい経験となりました。加工食品が何からできているのかを知ることができたのも、ここからの経験によるもので、知識としてはありがたいものです。また、会社というものがどういうところなのかを知れるのもとてもよかったと思っています。

とはいえ、その後しばらくはそんなふうにも思ってませんでした。大きく意識が変わったのは、それから随分と時が経って、今から3年前。かなり最近のこと。

ガンがわかってからです。子宮ガンのステージ4でした。

そこから、食べるものをあらためて見直しました。

ちゃんと食べているつもりでしたが、まったく栄養素が足りてなかったということを知りました。農学部食品栄養学科を出たのにも関わらず、です。


そこからあらためて学びなおしました。
大学での授業の片鱗がいくつも思い出されます。

ああ、あの時の話はここにつながるのかとか、もう一度、今ならば食いついて聴けるのになぁということもたくさんあります。


でも、学問はアップデートされるものです。
常識はうつろうもの。

またあらためて知ろうという意欲が湧くようになりました。

私は病気の前より元気になった、そう感じています。

それは「何を食べるか」ということと、「生きているとはどういうことか」を考えるようになったからとも言えます。


生きている、とはどういうことか
を考えることも大事です。

けれども、これは共通した答えのない、そして一人一人が考えること。

というわけで、栄養素の話を進めていきます。

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