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天然神話 過度に信じることの怖さ

「天然のものだから安心・安全」
「天然のものだから大丈夫」

そんな話や言葉を聞いたことはありませんか?

今回はアロマテラピー講師の視点からだけでなく、一元妊婦の立場から
天然神話について考えてみたいと思います。

天然素材への過信

天然のものは安心・安全なのか

自然療法だけではなく、食品などでも天然のものへの期待はとても大きく、有機野菜などを積極的に選んでいる方も多いのではないでしょうか。

確かに農薬を使わずに自分の力で育った野菜は、私も食べることはありますし、味が濃くて生命力あふれる食べ物だなぁと思います。

でも、天然のものであっても、やっぱり良い面・悪い面は持ち合わせていると思うのです。
逆に言えば、農薬を使って育っている一般的な野菜が店頭に並んでいるから一年中同じ野菜を手に取ることができますし、旬のものだけにこだわっているとその時「食べたい!」と体が欲している物を食べれないこともあります。

また、天然のものだと安心・安全、という考え方はちょっと危険だと思っていて、例えばアロマテラピーで使用する精油は、天然のものかもしれないけど、多くの植物を集めて、水蒸気蒸留法や圧搾法と言った方法で採っています。その濃度は自然界に存在しない濃度です。

また、精油は成分分析表と言うどの成分がどの程度含まれているかという表で見てみると、100%全ての成分がわかっていません。まだ解明されていない成分もあり、そういった意味では全ての成分がハッキリしている薬剤の方が安心する、という方もいらっしゃいます。

私自身、アレルギー体質で、特に妊娠中はいきなり接種できないものが増えました。元々少し反応していたエビ。実家のカレーはエビの出汁をとって作るのですが、母に頼んで作ってもらったにも関わらず、胃に激痛が走り食べられませんでした。また、大好きだからと親戚に贈ってもらった桃。こちらも胃が痛くなり、産後まで口にできなくなりました。

そのことから、私は妊娠中は特に摂取するものに気をつけていたのですが、天然のものは安心・安全と思い込み、アレルギー体質の人への配慮や妊婦さんへの配慮に欠ける方がいらっしゃいます。

それは「講師」と呼ばれる人の中にも複数いらっしゃり、例えば天然のものだけで作られたお茶だから、と妊婦にはよくないとされているハーブが入ったお茶を勧めてこられたり、使用すべきでない時に精油の使用を勧めていたり・・と様々です。


自然療法に触れるなら常に情報収集と精査は必要

特に自然療法の講師は、私も含め常に情報収集していかないと、講座で習ってきたことだけでは知らないことも出てきます。

アロマテラピーのお話ばかりで恐縮ですが、ある精油はとてもリラックスに良い、とされていて、「リラックスと言えばこの精油」と有名なものですが、ある疾患をもっている方にとってはむしろ害になるものでした。意外とそのことを知らなかった方は多く、でも紹介したり教えたりしている講師がそのことを知らなかったら、なぜそのような症状が出てしまっているのか、相手は気づきません。

また、アロマテラピーはメンタルが得意分野ではありますが、クリニックに罹っている方にとっては、気をつけるべき点も多く、「カウンセラー」と名の付く方が扱っているとしても注意が必要です。

医師の診断が必要なケースでは、医師と連携をとっているカウンセラーの方なら良いかとも思いますが、中にはご自身が疾患を持っている(治っていない)ことに気づかずにカウンセリングをされていることもあります。

あくまでも個人的に気づいたケースですが、接していて「あれ?この方もしかして〇〇(メンタル疾患)なんじゃないかな・・」と感じた方が他人へのカウンセリングをされていました。しばらく経ってから、やっぱりその方が〇〇だったということを知り、「私は自然療法で完治した(今症状は落ち着いている)」と思い込んでカウンセリングをしていることは、危険なことではないかと感じました。

はっきり「治った」と言っていなくても、そうとれる表現を用いてお客様を集めることはメンタル面に限らず危険です。良かれと思って、では許されないこともあります。

この数年で新たに注意事項が変わったり、まだ少数の方しかしらない文献や情報から注意すべき点がわかった精油もありました。

講師はもちろんのこと、これから自然療法を習う方達にも、是非今あるその情報が全てなのか、気をつけるべき点はないのか、調べていく癖はつけていただきたいと思っております。

精油は血中にまで入っていきます。

精油に限らず、人体に影響を与えるものを扱っているからには、常に情報のアップデートはしていきたいですね。

日本では精油は「雑貨」

などもくどいかもしれませんが、日本では精油はあくまで「雑貨」扱いです。雑貨扱いですが、前述のように血中にまで入っていく精油。素人の方には特に注意するよう、口をすっぱくして伝えるのが講師の務めだと思っています。

また精油を使用した商品が数多く販売されていますが、ちょっとでも体調に変化があった場合は、それらを疑ってみることも大切です。まさかこの商品のこの香りで!?と思うこともあるかもしれませんが、使用をやめて様子を見ることをお勧めします。(体調が回復しない場合は受診してくださいね。)


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