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虫眼鏡を捨てて

 3/13からマスク緩和が始まった。現在のところ外している人はかなり少数であるが、花粉症真っただ中のシーズンであることと、念のため5類への引き下げを待つ人、周りの様子を見ながら外していこうと考えている人が相当数いることが要因ではないかと予想される。この緩和に伴って俄かに散見され始めたのが「外す同調圧力」、マスク外せ警察を懸念した声だ。

 しかしマスク警察にしてもマスク外せ警察にしても、メディアやSNSの反応を見ていると「いったい誰と戦っているんだ?」と思うようなものが多い。実際に街を歩いてみてもこの手のトラブルのエンカウント率など極めて低いことは自明であるし、現実的な危険性として取るに足らない。メディアに流れる虫眼鏡で見たようなピンポイントの世界の物語がそれこそウイルスのように広まりすぎている。気持ちは分かるが、不安との一人相撲である。

 ただ、緩和にあたっての「着脱は個人の自由である」というのは半分建前に留まっていると思う。思えばマスク推奨も当初からそのような要請ベースで進んでいったが、今回「マスクを最後に外すことになるのは誰か?」を考えてみると、明らかに自己決定権が弱い、あるいは持てないであろう立場の人たちがいる。接客業の従業員を始めとした多くの労働者、大人の意思決定に左右されやすい子どもなどだ。

 だから、フツーの人やリスクの低い人たちが”積極的に”マスクを外していくことは、コロナ禍を終わらせるという目標に対してある程度プラスの作用があると思う。別に3/13以前と以後でウイルスが無くなったり変異するわけではないのだが、こういう号令を出すということにちゃんと意義があるのだなと感じる。私は軽い花粉症持ちだが、マスクは元々煩わしくて嫌いだし、症状がひどく表れない限りは室内や人と向かい合うシチュエーションでも出来る限り外していくつもりだ。

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