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タイパと教養

これは人工芝アドベントカレンダー2022 7日前の記事です。10分で何かをポストします。

メタ物語本を読んだ

物語のカギという本を読んだ。ざっくり紹介すると物語の読み方をさまざまな視点で紹介しているメタ物語本である。

本書は、色々な文学作品、映画、漫画などを引用し、それぞれの物語の読み方・持つべき視点をわかりやすく紹介されている良書であるが、一点腑に落ちない点がある。

それはタイパ(タイムパフォーマンス)と教養を両立させようとしている点である。

これは以前、独学大全を読んだときに感じた居心地の悪さと通じるものがある。

独学大全も教養をタイパ良く身につけるための方法論を提示しようとしている本であり、その紹介文としては次のようなものである。

本書は正体不明、博覧強記の読書家であり、独学の達人である読書猿が書いた「勉強法の百科事典」です。ギリシア哲学から最新の論文まで、あらゆる「知の先人」から学んだ内容を、著者独自の視点で55の技法にまとめました。
本の読み方、挫折の乗り越え方、時間の作り方…勉強はこの1冊でOK!独学者のバイブル誕生。

この紹介文のどことない薄っぺらさは本書のある種の欺瞞が分かりやすく表現されているものだと思う。

上記紹介した2冊はどちらも読者の教養をつけさせることを目標に据えているものの、アプローチは読者の期待するタイパの良さに全力で応える形式を採用しているのである。

おわり

タイパと教養という以前は相容れないと思われていたものが、ここ1, 2年は急にタッグを組み始めたようにみえる。

市場ではそれなりに受け入れられて歓迎されている気もするが、じぶん的にはそんなんじゃねェだろという思いもそれなりに残っている。なんとも複雑な気持ちである。

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