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『ラークシャサの家系』全26話

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オレたちは鬼なのだ・・・2000年以上の長きにわたり、その時代の統治者のもとで、秘密裏に関係を築いてきた人と鬼。令和の今も、誰にも知られることなく人の生活に溶け込む鬼たち。埼玉県…
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#群馬県上野村

『ラークシャサの家系』第12話

◇「上野村の道人さま」 武蔵ダイカスト工業の現場は3直2交代の操業。各班が4日出勤して2日休む。それを3班で巧みにずらしながらシフトを組む。そうすると現場は休みなく連続操業となるが、働いている人たちは、ちゃんと2日休めるという訳だ。昼勤と夜勤の間は無人になってしまうが、そこは残業で対応したり、自動運転で対応したりしている。とても合理的なやり方だ。こんな仕組みになっているなんて、実際に工場に勤務しないとわからない。  やはり山崎正の線で調べたほうが良いのか?  上野英、斉藤和

『ラークシャサの家系』第13話

◇「かくしごと」 オレも一応クシャトリヤ。一周目の若造だが、それでも戦士の端くれだ。近くに鬼がいることぐらいはわかる。 「明子ちゃん大丈夫?ほら!キダさん気を付けてよっ!」 緊張感のない七瀬の声。鈍感な奴は幸せだ。 「七瀬さん、キダさん、大丈夫です。離れていきました。」 「私たちに気付いたのかな?ほら!キダさんどうなんですか?」 あいかわらず緊張感がない七瀬。 「あぁ、なんとなくだが気づいたのかもな。ただ、相手に戦意はなかったような気もするけど。」 「私もそんな気はしましたけ

『ラークシャサの家系』第14話

◇「連携プレイ」 その日の夕食は、上野村の食堂で蕎麦を食った。オレは、蕎麦には少々うるさいほうだが、この店の、田舎切り、乱切りの蕎麦は、歯応え良し、香り良しの逸品だった。上品な更科ではなく、蕎麦の風味が引き立つ挽きぐるみでオレの好みだ。鳥取の溝口に住んでいた時、同じような蕎麦をよく食った。蕎麦ツユは、カツオ、昆布、それと、なんだろう?サバか?あと椎茸の僅な香りもあって複雑でキレのある風味だ。総じて水が良いところの蕎麦は美味い。様々な要素の連携プレイも、肝心な水が悪いと台無しだ

『ラークシャサの家系』第24話

◇「二度目の戦い」 2匹のアチュートは、前に戦った時とはずいぶん雰囲気が違うというか、前回よりも明らかに強くなっている気がした。約2kmの距離を、数秒で駆け抜けるスピードにも驚いたが、その速度に耐えられるアキコと呼ばれる女にも驚かされる。おそらく、36年前に行方不明になった、メツキの娘ってところなんだろうが、もしかして、この女が、アチュートの戦闘力を高めている?そんな考えも脳裏に浮かんだ。 「七瀬、ちょっとヤバい。明子ちゃんと車に乗って、すぐ逃げられるようにしておいてくれ。

『ラークシャサの家系』最終話

◇「Just accident」 その後、オレたちは、アチュートたちと、再度一戦交えることはなかった。向こうも、それを望んでいないようだった。少し拍子抜けしたような感じだが、こんな結末が、最も平和的解決なのかもしれない。 「メツキ、とりあえず俺たちはここから消える。七瀬やキダに知られた以上、この上野村に残ることは得策ではない。」 「勝手にしなさい。いずれ何かの会議で、また顔を合わせることになるのでしょ? それまで楽しみにしているわ。恵子も元気にね。それじゃ私はここで・・・ご

『ラークシャサの家系』あとがき+作者紹介 その2

今回も、読んでいただいた方、スキをくれた方、本当に感謝です。 ありがとうございます。 どうも、雪丸です。  今回は、ラノベ風とかコミックスの原作風をテーマに書いてみました。  ただただ普通に難しいというか、自分の発想力?空想力?妄想力?に失望です。書く前はなんだかイケそうな感じだったんですが、書いていけばいくほど、最初に創ったプランが浅はかだったというか、矛盾だらけだったというか・・・  まぁ結果的に何事も中途半端で、メリハリのない物語を書いてしまいました。この手の作