「インフレヘッジのビットコイン」という幻想
2月22日未明、ウクライナとロシア問題について大きな進展がありました。
未明に行われたプーチン大統領の演説LIVE により明らかにされました。これは紛争リスクによる市況のリスクオフ、エネルギー問題に端を発するインフレリスクの上昇を意味します。
そんな中、大統領の演説のタイミングでビットコインの価格はなんと下落したのです。
他の市場を眺めると、休場だった米国株以外も軒並みリスクオフの展開でした。一方で、ゴールド (金) をはじめとするコモディティは全般的に上昇をみせました。
ビットコインの性質は「デジタルゴールド」という名称があるとおり金の代替という側面を期待されています。発行上限および時限的な採掘量が定数で定められており、人為的な変更が実質不可能であるためです。
インフレリスクはまさにビットコインが生かされるべき場面であるようにみえます。しかし、実際はそのように機能しているようにみえないのが最近の値動きです。
特に米国S&P500 との相関が2021年後半から強まっています。相関係数の上昇がデータで証明されているのです。
これから米国市場に起きることはシンプルです。利上げ、およびバランスシート縮小(QT) という、株価には明らかにマイナスとなる政策が実行されるのです。しかし、いまはまだ金融引き締めイベントが何一つ始まってもいないのです。紆余曲折があろうとも、1回マーケットは大きく下がらなければならないでしょう。
問題は、いつ、どの程度まで下げるのか?そしてそれはどれほどまで回復するのか?こればっかりは神にしかわかりません。
とはいえデータとチャートから読めること。現状のビットコインは「インフレヘッジ資産」にはなりえない、ただの「リスク資産」であるということです。
正直、今回の値動きにはとても失望しました。
当面保持し続けるつもりでしたが、2020年に仕入れたビットコインのうち2/3 程度を現金化を完了するに至りました。キャッシュポジションを厚くします。
悲壮な失望が漂う総悲観相場。コモディティとしての値動きを感じる状況と判断したら、しっかりと買い出動したいと思います。もちろん、それが来るかはわかりませんし、わたしが今売ったタイミングが実は底値かもしれません。じぶんで言うのもなんですがわたしは「買い」が比較的上手で、「売り」が絶望的に下手くそです。その点はご留意いただけますと幸いです。
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