3月5日(日)のつぶやき

おはようございます。四万十は、快晴。
空と川のあいだに吹く北風は、頬にピリリと冷たく、水面には、ちりめん皺のようなさざ波が立っています。
んーさぶい。朝の川はまだ冬。
でも、川辺には、ハクモクレンの花が咲きはじめていて「春がきたよ!」と告げています。
んーきれいだなぁ・・・春がきたなぁ・・・。
今日の最低気温は、3、2度。

最高気温19、4度。午後も晴れ。

『春は、地上の空気中にも、またモグラのまわりの土のなかにも動きだしていました。そして、いまでは、暗くてみすぼらしいモグラの家のなかまではいりこんで、なんともいえないそわそわした、じっとしていられない気もちで、そこらじゅうをいっぱいにしてしまったのです。
とすれば、モグラが、きゅうに、はけを床の上に投げすてて、「え、めんどくさい!」とか、「なんだこんなもの!」とか、「春の大そうじなんてやめっちまえ!」などといいながら、上着をひっかけもしないで、家からとびだしてしまったとしても、ふしぎはありません。』
たのしい川べ ケネス・グレーアム著  

そして、家をとびだしたモグラは(さのは)、川にでかけたのでした。
川原の日なたにゴロリとよこになり、いつものようにぼおっと空をながめ、風と川の音をききました。

ちぎれた綿飴のような雲が、のんびり流れるあかるい空からは、あたたかな陽ざしがふりそそぎ、南風が、岸辺の背のたかいヤナギの、あざやかな萌黄色(芽吹いた葉)を、やさしくゆらします。
恋の歌をニギヤカに歌いながら、鳥たちがとびかっています。
南国の川にも、ついに春がやってきたのです。

コーヒーを飲みながらさのは、おもしろや今年の春も旅の空(芭蕉)とひとりごちました。
ここなら、モモ(児童書)の作中にでてくる「時間どろぼう」たちにも見つからないことでしょう。

春の楽しいおでかけのあとのかなしみは、目のひどいかゆみとくしゃみ。
ゴシゴシ、ハーークション!
でも、ココロさわぐ春のユーワクには、花粉症も勝てなかったのでした。

家にもどってもさのは、春は夕暮れ、などとほざきながらベランダの椅子にすわり、ふたたびぼおっと、くれゆく空とやわらかな西日がさす庭をながめました。こんどは、ビールを飲みながら。13番目の月をまちながら。
ここには、ゆったりゆったり流れる川と時間があります。

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