ビリオンダラー・ブレイカーズ!

 今まさに宝くじを買いに行こうと思い付いた、30代後半の小汚い男は、2週間後の当選発表の日を境に大金持ちになる。その日は、10年後、世界が乱れる原因が生まれる運命の日でもある。

 「いいか。タイムマシンの性質上、活動できるのは、運命の日の前後2週間。奴らの邪魔も予想されるが、歴史への影響を少なくするため穏便に事を進めなくちゃならない。」演説をする彼の目の前には5人の男女が並ぶ。「最大限のバックアップは行うが、何しろまだ不安定な技術だ。何が起こるかは分からない。各自限界まで注意してくれ!それでは衝撃に備えろ!タイムマシン起動!」

 暗闇。永遠にも思えた時間が終わり、閉じた眼に光が差し込む。通信によるとジェイクはスカイツリーのてっぺん、マナは地下鉄の線路内、ミーシャは首相官邸、テムジンは両国国技館の土俵に、かくいう俺は…上空3000メートルを落下中だ…これで穏便に事を進められると思うか?絶対無理だろ!
【続く】

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