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英語と向き合うということ10

英会話の練習は、海外出身のネイティブまたは幼少期から第二言語として英語に触れてきたほぼネイティブな人と話したりします。言うならば、生徒(日本人)と、海外出身者の先生という関係です。

ちなみに、久しぶりに行って「Long time no see」って言われると「覚えててくれたのね」となってモチベが上がります。なんといっても生徒側はたくさんいるので。

日本人から海外出身の英語先生に対して

「日本に来るきっかけは何ですか?」
「日本にどういう理由できたのですか?」

のような質問があったりします。まあ、初対面とかだと大概失礼ではあるので要注意な気がしますが、この質問が出るとどの人も

「ぅ〜ん」
「ちょっと話すと長いんだけどね・・」

みたいなリアクションになります。

質問する側は、多分単純な回答を想像していたりすると思います。例えば、「日本語を学ぶために留学で来た」とか「日本に親戚や知り合いがいたから」とか。わざわざ遠い国に来たわけだから、何か明確な答えがあるのだろうと期待してしまうのです。

まあ、実際そういうケースもあると思いますが、よくよく聞いていると、答えに悩むのは、色々な選択肢を繰り返した結果、結果的に日本に来ているというパターンだからかもしれません。

1.認知 → 2.興味→ 3.きっかけ → 4.検討 → 5.具体的な実行計画 → 6.来日

大袈裟にいうと上記のような複数のステップを踏んだ結果、日本が選択肢に入ったという感じです。1.認知は、やはりアニメ(ワンピース、鬼滅の刃、ドラえもん、ジブリなど)、ゲーム(マリオなど)、音楽(J-POPなど)ほかにも日本のテレビ番組が放送している国もあるので、日本を知る入口は多いように思います。これは日本の誇る資産だと思いますし、特に若い世代の人はみんなこの辺の話は共通していると思います。嵐などの日本のアイドルもそうだと思います。こういうきっかけをもとに日本への興味が無意識のうちに蓄積されて、旅行してみようかなと、調べてみようかなという明確な興味に変わっていくのだと思います。

きっかけは、もちろん人によって様々だと思いますが、日本への旅行の体験がある人は、そこでの雰囲気やご飯や治安もそうですし、大学で日本語文化や言語の専攻をしたケースもあると思います。他にも、友達や知人が先に日本に来ているとか、大学の卒業のタイミングで進路を考える必要があったり、社会人になってから次のステップを考えるタイミングだったりもするかもしれません。

自身の出身国によりますが、その後に、シンガポールでもなく、韓国でもなく、日本が選択肢の一つに自然となり、実際のプランに移っていくのでしょう。そうすると、暮らしていくためのお金の問題、奨学金制度、住む場所、ビザ、多くの手続きなども踏まえて、現実的にクリアになると決心がつくという感じだと思います。

日本は、日本語という世界でいうと応用の効かない(大して使う場面のない)言語なので、言語学習というよりは日本の文化、暮らし、景色など生活全般の総合評価である気もします。なので余計に理由が一つという感じにならないのだろうと思います。なんなら、日本語の勉強に断念して、日本語を話さずに暮らしている人も多い気もします(英会話カフェのセッションはそもそも英語しか喋らないので、仕事的にも日本語が必要ないという特殊な環境でもありますし)。

そんなわけで、「なぜ日本に来たのですか?」というややストレートな日本人の疑問に対して、海外出身者が「う〜ん」と回答に悩むのは、上記のような複数のきっかけを通して、その結果日本に来ることになったというケースが多いからではないでしょうか。