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可視化のすすめ〜ニューノーマル時代の旅行者変化を掴む〜

01 はじめに

私たちは何の前触れもなく、心の準備も対策も不足したままニューノーマル(新しい生活様式)に突入しました。メディアではこぞって過去に起きた様々な感染症の事例や経済悪化の事象を例に今後の推測が行われてきました。しかし、やはり私たちの期待どおりの曲線を描くことはなく予測しづらい感染状況が続いています。それにより、私たちの生活に強制的な変化が起きたのはご存知のとおりで、特に移動を伴う観光業界に関しては顕著であると思います。

数えればきりがないですが、一般的には以下のような変化が起きています。
・衛生重視(バスやレストランなどでの一定の席間隔や除菌など)
・密集する都市圏での観光から密にならない地方へ
・自然で楽しめるキャンプやアウトドアなどのアクティビティ
・電車などの移動から車での移動
・飛行機や新幹線などの長距離旅行から近隣の旅行

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今後、海外からの入国でいうと、国や地域ごとに検討が行われていますが、時間の問題で、ビジネス目的の渡航者から始まり、プラベートジェットなどの移動が可能な富裕層、そして日本への理解がもともと深いリピーター旅行者の入国が始まると予想されます。特に台湾などのアジアからの旅行者はリピーターも多くかつ感染状況も安定しているため(台湾国内の旅行はすでに活発になっている状況)、日本の受け入れ環境次第という状況になっています。

とはいえ、インバウンド旅行者集客の前に7/22より開始のGoToキャンペーンなどをきっかけに日本各地域で国内旅行の促進が始まっています。受け入れ側の対策も充分ではないでしょうし、まだまだ休日の旅行に集中しがちな日本人旅行者ですので、懸念は多いと思います。

02  旅行者ターゲットと興味の変化

優先すべきターゲットは「日本国内を旅行する日本人」。そして次にいずれ回復する「インバウンド旅行者」の順番でしょうか。そして重要となるのはニューノーマルで、これまでコロナ前に来ていた来訪者と属性や興味が変化している可能性があるということです。もしかすると、これまで来ていなかった近隣の旅行者もいるでしょうし、街散策をメインに観光していた人が消え、自然を好む傾向になっているかもしれません。
そうならば、観光商品もコロナ前と同じというわけにはいかない場合も考えられます。新たな需要が発生している可能性も無いとは言い切れません。しかし、無意識であってもこれまで積み上げてきた知見をカンで見直すのはあまりにも無謀だと言えます。旅行者の変化を汲み取るにはそれなりの根拠をもとに正しい方向へ改良していく必要があります。
また、誘客プロモーションが段階的に始まり、そのプロモーション結果も蓄積しておかなければ、過去と比較することもできませんし、良かった悪かったの判断は曖昧になります。少なくともプロモーションの結果を見える状態にしておくことは最低限必要となるでしょう。

03  可視化のすすめ

そのような背景を踏まえると、2つの可視化がおすすめです。
1つ目は現状把握フェーズにおける自社(自地域)のWEBサイトの訪問ユーザーの可視化です。どの観光コンテンツがどの時期にどれぐらい興味を持って見られているのか、コロナ前の感覚とはまた違ってニーズが生まれているかもしれません。そして訪問ユーザーの属性はどのような年代、性別で、どのような興味をもっている人たちなのか。海外からのアクセスであればどの国籍の人たちがどのコンテンツに興味をもって、今後日本に来ようとしているのか。これらのユーザー属性を時系列で把握しておくことは変化をウォッチするという意味で非常に基礎的でありながら重要な可視化と言えます。

2つ目はやはり多くの企業や地域が課題にあげるプロモーションの効果の可視化です。単純に集客を目的とした広告プロモーションにおいては、広告のクリック数や閲覧数もそうですし、チケットの予約数や販売数なども結果のKPIとして重要なものになり得ると思います。また複数の媒体(Google/YouTube、Yahoo、LINE、Twitter、Facebook、Instagramなど)に出稿しているケースではそれぞれの広告経由での効果も常に明確にしておく必要があります。もしパンフレットやポスターなどの紙媒体の露出が多いようであればQRコードなどからの誘導もウォッチしておく必要があります。地域の認知目的で、動画を配信している場合であれば、アンケート調査による認知度や好感度の点数の変化が対象となります。
これらを一つのダッシュボードにまとめて可視化しておくことで次回のプロモーションの計画をたてる際に強力な根拠となるでしょう

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04 ユースケース

よくご相談いただくケースとして、地域をまたがるDMO組織の方の場合、各市区町村ごとにWEBサイトがあり、それが個別に運営されているケースです。個別にアクセス解析ツールなどが入っているものの活用されていなかったり、DMOの方が市ごとに比較を行うことができなかったりという課題が発生します。Vpon DMP Lightでは複数のドメイン(URL)をまたがる場合においても一括比較を可能にし、ご要望に応じた見え方でご提供いたします。
また結果データの蓄積の際にも、オンライン(WEB上)のデータだけでなくエクセルなどで手持ちのデータがあればそれについてもダッシュボードに統合して可視化することもできるため、分散せずに効果検証が可能となります。さらに外部の旅行者データ(例えば、アジア旅行者の国内での移動情報など)を買い付けて同一のダッシュボードに可視化するような拡張性もあります。

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05 さいごに

私たちの目に見える範囲は非常に限られており、知らないところで様々な変化が起きています。旅行者の状況が例外ではないのは、これまでに記述したとおりです。そのため、常に数値として可視化して時系列での変化、また過去との比較、国別の比較など、観光商品の造成やプロモーション計画を行う必要があり、可視化は避けて通ることのできない道なのかもしれません。

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図1:Vpon DMP Light(効果検証ダッシュボード)の例

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図2:Vpon DMP Light(WEB分析ダッシュボード)の例