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YouTuberになるべきか、ならないべきか

01 背景

子供の将来なりたい職業ランキングとしてYouTuber(ユーチューバー)がランキングするのが当たり前になっています。(ちなみに、以下2018年男子で6位、2019年男子は11位)

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参照:日本FP協会https://www.jafp.or.jp/about_jafp/katsudou/news/news_2019/files/newsrelease20190419.pdf

会社の後輩にも会社員を辞めてYouTuberになった人もいます。もともとメディア露出が高く知名度がある芸能人がYouTuber化するのとはまた意味合いが違うと思います。子供たちが憧れるYouTuberは、普通の大人が真剣に職業としている時代なのです。

しかし「YouTuberになることは良いことなのか」「子供に勧められる職業なのか」、そんな疑問も同時にあがります。大学生から「就職せずにYouTuberになろうと思うがどう思いますか?」と聞かれて困った、という話もあり、自分ならなんと答えるだろうと本気で考えました。

02 人気YouTuberが所属していたマネジメント会社から続いて脱退

そんな人気職業のYouTuberですが、個人で活動している人のほかにUUUM(ウーム)のようなマネジメント会社に所属して、イベントなどの新しい仕事をとってきてもらったりお金の管理をしてもらう人もいます。しかし、昨今ではUUUMからたびたび脱退しているという報道がありました。

会社へ20%の手数料が発生しますが、中堅YouTuberにとっては新たなファン獲得や仕事の増やせるということでメリットも多いようで、人気が増えるにつれ、グロス売り上げは増えていきます。当然、同じ20%の割合で手数料も多く支払うことになるわけですが、マネジメントの仕事自体は売り上げが多くても少なくてもさほど変わらないため、不満のひとつだと言われています。

脱退者のいくつかのインタビューにもありましたが、ファン層を活かして物販の事業に乗り出したり、芸能人化してステップアップしていく例もあるようです。

03 YouTuberから新たな挑戦をする理由

「なんだやっぱりな」「一時的な流行りだったのか」と一言では済ませられないと思います。なぜなら、このUUUMからの脱退は、自分たち社会人が経験してきた転職とよく似ているからです。よい環境の職場であっても、それなりに不満のない給与だったとしても、長い間勤めていれば新しいチャレンジのために転職を目指す人は多いです。若い層であればなおさらそういう気持ちは自然な感情だと思います。

同じことを何年も繰り返すことのほうが、よっぽど怖いのです。(人によるかもしれませんが、多かれ少なかれあると思います。)

なのでYouTuberが所属事務所を辞めて、新たな事業のチャレンジをしていくことはむしろ自然でポジティブなことであると思います。むしろ同じことを淡々と続けていくことに懸念があります。他にもGoogleのルール(広告が掲載される基準など)に依存しすぎて、振り回されることもあるでしょうし、YouTube以外のメディアの登場で収入が減ることも十分にあり得ます。

04 YouTuberへのモヤモヤ

そんなことを考えている中で「YouTuberが勧められる職業なのか」という疑問の本質に辿り着きました。それは、”成長し続けていける職業環境かどうか”ということです。楽しいかどうかはさておき、作業のように延々と続けていくことに自分自身の未来はあるのかということです。

「安定しない職業ではないか?」
それはwithコロナの時代、YouTuberに限ったことではありません。むしろリスクが高い業種も多いです。なのでこれはYouTuberに非はないです。 

「潰しが効かない職業なのではないか?」
小説家とか音楽家も同じです。なのにこういう職業は花形的な扱いであり、実際なりたいランキングにもあがります。スポーツ選手も体育の先生やトレーナーという道はあるものの、スポーツ一本でいくことはYouTuber以上です。

「YouTubeをみんなが見なくなる時代がきたら?」
これだけテレビからユーザーを奪取しており、人の生活サイクルに入りこんでいれば、数年の流行りではないでしょう。もちろん10年単位でみるとがらりと変わっているかもしれません。それはYouTuberを心配するのではなく、事務やオペレーション職の方々も同様です。

「楽しいことばかりやっていていいのか?」
楽しいことばかりなのかは人によるでしょう。むしろ、楽しくなくてどうするんだという気もしますし、ただその楽しさが周りからみれば見えない努力が含まれているのかもしれません。YouTuberに限ったことではないように思います。

05 結論:YouTuberはあり

論点は、成長し続けられるかどうかという観点だと思います。多くが個人事業主として収入を得るバイタリティがあるならば、少々メディアとしてのYouTubeが廃れても新たな仕事ができるでしょう。

しかし、一方でコンテンツが危険を伴うもので希少価値はあるものの(危険だからみんなやらない)長く続けることが困難である場合、特定のジャンルに固執しすぎて将来的に自分を成長できる視野が持てているかが分からなくなっている場合、視聴者からの見え方はさておき自分として新しい挑戦ができているかというような検討事項はあると思います。

基本的にはYouTuber特有の問題に限らず、一般的な社会人に当てはまる要素が多いと感じました。個人だろうが会社に所属していようが、この先何が起きても仕事がなくならないように自分のスキルアップが必要ですし、そうでないと年齢を重ねるほどリスクも高まります。(自分にそう言い聞かせています。)

なので、精一杯スキルアップをしてこの先何があっても生き抜く力を身につけていくべきだと思います。