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メマリーえっせえ

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メマリーさんがつづる、つれずれ、ずれずれ、さわやか、ふにふにえっせえ。
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#やってみた大賞

どうぶつたちへのレクイエム

写真展に行ってきた。あまりにも衝撃的だったので写真集を買って帰ってきた。 「動物たちへのレクイエム」児玉小枝さん 最後のページを閉じた時、私は肩をしゃくって泣いていた。 同書は今まさに殺処分されようとしている子(犬や猫)の最後の命を切り取った写真集である。 格子越しに見つめる彼らの瞳が脳裏にこびりつく。 どす黒い積乱雲のような感情が私の心臓を圧迫する。 私は止まらぬ涙を拭おうともせず、破裂しそうな感情の濁流を開放するようにペンを走らせた。 ― 生まれてきたわけ 

登山なんて大嫌い:酒呑童子、大江山連峰編

自慢じゃないが、私は登山が大嫌いである。しかし、時折、ふと乱心を起こすことがある。 ある日私は深酒をして、倒れ込むように布団にもぐりこんだ。 朝日にたたき起こされ、眠い目をこすって窓を開けると、晴天快晴。さわやかな風が頬を撫で、酔いを醒ます。何とも気持ちのいい朝ではないか。 よし!! 山に登ろう!! 思い立ったら吉日である。 Tシャツにジャージ。完全に山をなめきった姿に身を包み・・・ ジャージのお尻のところに穴が!! いきなり出鼻をくじかれてしまった。 まぁい

登山なんて大嫌い:備中松山編

現存12城を巡ってみようと思い立ち。行ったことのある城を指折り数えてみた。 松本城、姫路城、高知城、丸亀城、彦根城、松江城、松山城。 備中松山城には行っていない。ならば、と車を走らせいざ岡山へレッツラゴー 高梁市に入ると、川の堤防がコンクリートの石垣風でできており、何とも城下町を思わせる演出。城好きにはたまらない街づくり。高校の土台も石垣でできているほどの秀逸っぷりに感心しながら城を目指した。 駐車場に入るとシャトルバスが止まっており、それに乗れと係りの人に言われた。

女医との恋

年を重ねてくると、もうどうせ恋なんてありえない。と、あきらめがちになってしまうものです。恋は若人の特権。親父やジジイがするもんじゃない。と世間体や体裁を考えてしまうのがお・と・なってやつですなぁ。つまらんもんです。 でもまぁ、あまーーーい恋はいくつになっても大好物なわけですよ。恋したい!!!もてたい!!!的な願望はいくつになっても衰えないもんです。男子ちゅうのは永遠の少年なのです。すみません。(*- -)(*_ _)ペコリ と言う訳で、今日は一発、恋バナでも書いてみよう。

コント:診察室

夏に定期診察に行った時の話である。子供の頃からお世話になっている日本でも結構有名な病院。北は北海道から南は沖縄まで、遠方から患者さんがやってくるような大病院である。 診察に入ると、いつもどおり、私の担当医がパソコンをにらみつけながら、私を迎える。 タンクトップいっちょで診察室に入った私を見て医師は「元気そうだね」と声をかけた。つづけて、「どうでしたか?」いつも通りのセリフである。 「あの~。先月は結構発作が起きたんですけど。今月は一回も発作が起きなかったんですよ。先月の

課外活動

高校一年春のことである。悪友Tから電話がかかってきた。 「バンドやろうぜ」 という内容の話だった。当時は、バンド全盛期。ボウイにブルーハーツ、バービーボーイズと人気アーティストがメディアを賑わせていた時代。 その当時、まことしやかにふんわりと高校生男子の中で流れていた怪情報があった。それは、バンドマン=女にもてる。と言う図式だった。 元来、女好きで名を馳せていたTもその噂にどっぷりつかってやろうという計画だった。Tの熱心な勧誘にとうとう根負けした私は、バンドを始めるこ

赤ら顔のおっちゃんたち

とんでもなく若いころ、大手を振って、プータローをしていた私は、大きなギターケースを抱え、ぷらぷら大阪天王寺駅をさまよっていた。停車していた夜行バスが目に入り、何を思ったのか気付いた時にはバスに乗り込んでいた。 着いた先は鹿児島。 何の考えもなしに来たものだから、着替えもなければ地図もない。 ポケットに手をやると夏目漱石が二人グシャッと可哀そうな姿で現れた。  とにかく腹が減っていた。 「商店街は何処だ」と街ゆく人に聞きもってようやく、商店街に辿り着く事が出来た。商店街

ぼくの悪童日記

ぼくのポリコ戦争を書いたので、ちょっとノスタルジーにひたってみよう。アホでアホでしょうがなかったぼくの中学生日記。30年以上前なので、時効ってことでよろしくお願いします。 「ぼく、女子トイレ覗いてみたいねん!」 真剣な面持ちで僕たち悪童連に話を持ちかけてきたのは、A君だった。A君は私たちと違ってとってもシャイで内気な少年だった。そう、あれは中学3年生の秋。未だ見ぬ想像上の絶大なる憧れ「女体」で頭の先から足の先まで埋め尽くされていたときのお話。 このA君小学校の時、将来の

絶対に使ってはいけない「こけし」

昔、昔私がまだ若かりしころ珍宝館に行ってきたときのお話である。 全国に珍宝館は点在しているが、私が行ったのは淡路島の珍宝館である。まぁ、言わずと知れた場所ですから、そこらじゅうに男性や女性の大事なところを模したオブジェが立ち並んでいるわけです。 しかし、見どころはそこじゃ〜なかった。 出口が売店になっていて、あれです。USJのアトラクション乗った後売店になってるでしょ。あのスタイルです。 まぁ、その手のいろんなものが売っているわけですよ。 江戸風の絵が描かれた、「48手」

やっぱり山なんて大嫌い!

山は嫌いだ。とにかく冬山ときたら最悪だ。 だが、どうしても冬山に登らなければならない事態が起きた。 それが…スキー しぶしぶ、行ったあげく、さんざんカニ歩きをやらされて、開けても暮れてもハの字&斜滑降、時々、キックターン。カニ歩きなんてもはや登山以外の何物でもない。 カニ歩き → 斜滑降 → キックターン → 斜滑降 →キックターン → 斜滑降 → ボーゲン →カニ歩き 延々、延々、延々、この繰り返し。 真横では、カップルやおねぇちゃんたちが悠々とリフトに乗って、

登山なんて大嫌い!!!

私は、登山が大嫌いだ。 子供の頃、手足がかじかむ思いをして冬山を何度も登らされた。アイゼンをはいて一歩一歩山頂を目指す。つま先、指先が千切れるほどに痛かった。嫌で嫌でたまらなかった。 中学に入り、御嶽山(3000m級)に登らされた。真夜中に出発し、漆黒の闇に足を踏み入れた。 「ご来光」とやらが目的だったらしい。 這うようにして九合目近くまで登った時、卵の腐ったような匂いに包まれ、朝食が口腔から一気に噴射した。 青い顔をして頂上までたどり着き、やっとの思いで拝んだご来

旅は道連れ世は情け

旅は道連れ世は情け。 旅先で出会った素敵な人々を紹介してみよう。 広島は呉、軍艦の町。 戦艦大和ミュージアムに行きたくてこの地を訪れた。 1/10スケールの戦艦大和。言わずと知れた、悲劇の巨大戦艦。そこにあるだけで、悲しみの歴史を語りかけてくる特攻潜水艦回天。息が詰まるような声なき声がガラス張りの明るい館内に溢れていた。 愛する人を守るために散っていった先人の大和魂に熱い思いを胸にたぎらせ、うっすらと涙を浮かべて館を出た。 興奮冷め止まないまま、居酒屋に入った。