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ChatGPTは本質的に何を置き換えるのか?我々は何を考えるべきか?

前提知識

まずは以下の議論を最低限理解するための概念の整理を行う

ChatGPTの拡張

  • ChatGPTは、専門性の高い領域になると間違った答えを出すことがある。

  • 一方そういった弱点を補うために、ChatGPTのPluginやLangChainというライブラリを利用することで、独自DBを機能に追加し、返答の精度を改善することができる

ChatGPTが示したコミュニケーションシステム構造の捉え方

  • インターフェース・ビジネスロジック・リアルオペレーション・ドメインDBの4要素で捉えることが重要となる。

  • インターフェース: 人間もしくはシステムが接する様式のこと

  • ビジネスロジック: アウトプットをどのように加工・表示・利用するかのロジック

  • リアルオペレーション: ChatGPTを取り巻くリアルなオペレーション

  • ドメインDB: ChatGPTの出力をカバーするための専門性・独自性の高い別建てで準備するDB

本題: ChatGPTは本質的に何を置き換えるのか?

次に本題であるChatGPTの登場をどのようにとらえればよいだろうか?という話に移る。

ChatGPT(および昨今のGenerative AI)の登場によってとらえなければならない本質的な変化は以下の3点が重要だと考えている。

  1. コミュニケーションインターフェースがどんな形でもあり得る

  2. いわゆる汎用AIがカバーしうる範囲と人間との役割分担の境目が分かりやすくなった

  3. ドメイン特化のDB・ドキュメント群の生成が重要

1.コミュニケーションインターフェースが今後ChatGPTを通じて多様な形へ変化していく

  • ChatGPTは文字通りチャット形式でのインターフェースとしてのサービス提供が可能なことを指している

  • 一方で、OpenAIの様々なAPIや、その他Generative AIを活用することで、音声形式のやり取り・バーチャルキャラクターとのやり取り・チャットとしてのテキストのやり取り・デジタルヒューマンとのやり取りなど、これまでのコミュニケーションの形式に縛られない形でのコミュニケーションが可能なことを指している。

  • これまではデジタルのインターフェースは、電話・メール・チャット・Web画面であったが、それ以外の選択肢を常に検討することができる。

  • 今後は、これまでのコミュニケーションインターフェースに捉われない形で、様々な形でのコミュニケーションが考えらる。これまで以上に柔軟な発想が必要になってくるだろう。

2. 汎用AIがカバーしうる範囲と人間との役割分担の境目がどこになるのか?

  • 会話が破綻しない形でテキストを生成することが可能であるということは分かった。

  • しかし一方で、現状のChatGPTだと苦手な部分もある。

  • 専門領域の知識については、間違ったことを平気で言ってしまったりする。

  • そうした場合に汎用性の高い領域よりも、専門性の高い領域 or ラストワンマイルの体験については企業・個人がChatGPTなどの汎用AIに付加価値を付けていくべき領域だといえる。

  • 体験設計やまだデジタル化されていないデータの収集とデジタル化などがそれに当てはまるでのではないか

3. ドメイン特化のDB・ドキュメント群の生成が重要

  • 2の内容と共通するが、汎用AIがカバーしきれない専門性の高い領域やドメイン知識などは人間がドメイン特化のDBやドキュメント類を整えていくことが求められる。

  • 今まで以上にデジタルとしてのアウトプットの数、特に個性のあるアウトプットの質と量が求められるようになる。

  • またそれらのアウトプットもデータ文脈が重要になるため、どういったフォーマットにアウトプットを残していくかも重要な観点になる。

企業及び個人としてどのように生きていくべきだろうか?

企業としてChatGPTを前提としたアウトプットの管理をどのように進めるべきか?

  • これまで通りオフラインでのコミュニケーションはデータとして残らないため、出来るだけデジタルなコミュニケーションに移行していくことは、社内ドメイン知識を蓄積していきChatGPTなどの汎用AIに活用していくためにとても重要になる。

  • 特に、これまで以上にソフトウェア開発と社内Wiki・活動履歴のデジタル管理がより密接なものとなってくる。

  • 例えば、社内のマニュアルなどはすべてNotionなどのAPIで取り扱い可能なドキュメントツールにまとめていくことによって、ChatGPTの追加DBとして活用し、これまで以上にスムーズに業務を進めていくことが可能になっていく。

  • 社内業務だけでなく、顧客とのコミュニケーションの形もより一層柔軟なものとなっていく。サービスや社内コミュニケーション全体を、インターフェース・ビジネスロジック・オペレーション・ドメインDBの構成で要素を切り分け、組み立てなおしていくことが企業能力を大きく引き上げることにつながっていく。

個人としてChatGPTの活用をどのように進めていくとよいだろうか?

  • 時間の使い方を大きく変えていく必要がある。

  • 具体的にはデジタルアウトプットを残していくことが今後の大きなアドバンテージになっていく。また、一方でそれ以外の時間は自分自身の個性とアウトプットを支えていくための、インプットの時間・思考の時間・試作の時間にあてていくことも重要になるだろう。

  • また、個人としてのコミュニケーションインターフェースはかなり柔軟になるため、身体的コミュニケーションに捉われず、自分自身のデジタルヒューマンを育てていく意識がより重要になっていく。

  • そのうえで個性あるコミュニケーションインターフェースも併せて育てていくことが、個人の拡張という点でより重要度が高くなっていくだろう。


お知らせ: ChatGPTを活用したヘルスケアサービスの開発もやっていきます。

株式会社ポテックでは、ヘルスケア領域に特化した新規事業開発支援を行っています。ChatGPTを活用した開発も積極的に行っておりますので、気になることがあればご相談ください。
https://www.pottech.co.jp/contact

引用元: https://www.pottech.co.jp/column/article/U4u8f4LE

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