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料理を美味しく見せるライティング 

すぐに実践できる、
自分のカメラで料理を撮影する、簡単なのに効果的なノウハウ
「美味しい写真の創り方」をお伝えします。

第3回は、「料理を美味しく見せるライティング」です。

まず、私がお仕事以外で撮り続けている写真
「Vegetable photo」のお話からはじめさせてください。

きっかけは有機農家さんとの出会いから。
農家さんが、食べてもらう人のことを思って作っている野菜、私たちの生きるエネルギーとなる美味しく安全な食材。人と人との信頼関係のつながりがそこにはあり、
’写真を撮ることで、農家さんに恩返ししたい’
畑にいる生き生きとした野菜の姿を記録したい、という思いで、10年ほど前から撮り始めたものです。

オクラと花
暑い夏の日、花豆のトンネル
雨上がりの朝、サボイキャベツ
掘り立ての人参
早朝5時、初霜をまとったトレビス


このような写真は、朝〜午前中に撮ります。野菜が生き生きしている時間帯というのがまず第一にあるのですが、光が白っぽく、切れ味がよく、生き生きとした印象の写真が撮れます。写真を撮る時間帯によって、印象は刻々と変わっていきます。正午頃には、太陽が頭上にきますので、陰影が少なくなり、午後になると光が黄色っぽく鈍く印象が変わってきます。夕焼けの景色を思い浮かべるとイメージしやすいでしょう。人物などをノスタルジーに写したいなどの場合はこの時間帯をあえて選ぶこともあるかもしれません。が、野菜の生き生きとした姿、を撮影するには断然、朝〜午前中の撮影が適しています。

太陽が光源
’私たちが見ている物の光源は太陽一つ’

’見る’ということ。
私たちは、光がなければ、物を見ることができません。

写真を撮るとき、物を撮っているという見方になりがちですが、
光によって物が見えていて、その光を写しているという見方を持ってみるとどうでしょう。

赤くなり始めたアイコトマト
秋の旬 紫キャベツ



私が大学時代によく撮っていた写真は主に風景写真でした。中でも、好きなのは朝焼けと夕焼けタイムの写真。
何しろ明けても暮れても?写真撮影にハマっていたので、常に天候や光に敏感に過ごしていました。今良い光だ、と感じたら、カメラを持って飛び出していく感じで、走り回っていました。
太陽の位置だけでなく、また湿度によっても、光の見え方が変わります。
雨上がりの湿度の高いとき、夕焼けの光はもっと濃厚な色使いに感じられ、その時間帯もすごく好きでした。まさにそれは皆さんが知っているような虹の出る空間のことで、僅かな短い時間帯です。

子供の頃、すっきりと遠くまで見渡せるような青天の日には、カメラマンの父が、「今日はシャープネスのいい空だ。」と窓を開けて言っていたのを思い出します。
なんだそりゃ?とその時は思いましたが、父もまた、気象予報士のように天候や湿度に敏感でした。

皆さんのお部屋の生活空間の中には、色々なライトがあるかと思いますが、
まず皆さんにやってみて欲しいのは、自然光で撮ることです。
太陽の光が出ている間に、自然光で写真を撮る、
たくさん撮ってみて、その一瞬一瞬の違いを感じてみてもらうことをぜひお勧めします。

写真撮影における時間帯と光の印象の違いをイメージした図

朝から午前中の光は、生き生きとした新鮮な印象
料理撮影に向いている

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