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発病 2

 翌週主人が休みを取ってくれ、紹介先の病院受診に出掛ける事になった。まずは神経内科で受診。手足をコンコンし立ったり座ったり歩いたりと、診察室内で色んな検査をし脊髄空洞症ではないと判断され、続いて脳外科に移動する事になった。画像から判断して腫瘍の確立が極めて高いとの説明を受け、一旦帰り数日後に造影剤を入れて2度目のMRIを写すことになった。検査日までは家で安静に過ごして待つようにという事だったので、職場に報告に行き、お仕事を休ませてもらう事になった。
 勤務していたクリニックの医師が心配してくれていたようで、受け取ったメモには、空洞症だった時にお世話になるといい医師の名前が書かれていた。それと「何か困ったことがあれば連絡してくれたらいいから」と、先生の個人の連絡先が書かれていた。心強い気持ちと優しさで涙がこぼれそうになり、恵まれた職場で仕事をさせてもらっていた事を改めて感じた。
 検査日までは特に変化もなく検査日を迎えた。検査後すぐに受診となり、やはり脊髄腫瘍の可能性が極めて高く進行している状態なので、出来るだけ早く入院して詳しい検査をして行くと説明を受けた。
「手術になるんですか?」
と主人が聞くと、
「難しい場所なので、全て取り切れるか手術できるかどうかも・・・。症例がないので何とも言えません」
と不安な回答が帰って来た。手術になれば、腫瘍を取り除くため、骨を切り開き、その中の腫瘍を取り除く事になるのでリスクの伴う話や、自分には経験がないので他の病院から経験のある先生に来てもらう可能性もあると話した。色んな検査や手術の方法を聞くたび、不安で何か納得出来ないものがあり、1度席を外して主人と相談する事にした。不安を残したまま入院して後悔するのだけは嫌で、メモをくれた先生に電話で相談した。勤務先の同僚からも「納得のいく答えと医師に出会えるまで、病院は何か所変わってもいいんだからね」とアドバイスを受けていたので、再度診察室に入り、医師には更に大きい病院を紹介していただけないかお願いしてみる事にした。返事は
「いいですよ。どちらの病院が希望ですか?」
とあっさりしたものだった。
 脊髄空洞症や脊髄腫瘍はどちらも珍しい病気で、手術も困難な場所だけにリスクや後遺症などの事も考えると、絶望的な病名だった。空洞症であっても脊髄腫瘍であっても術例の情報が少ない為、術例の多い病院や神経内科の名医など、勤務先の医師が調べてくれていた3つの病院から、今もお世話になる大学病院を選んで紹介してもらう事にした。

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