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法務大臣「面会交流での殺害・性暴力について網羅的に調査・検証したことはない」 ―本村伸子議員、資料提出を求める

4月5日、衆議院法務委員会で、本村伸子議員(共産)が、面会交流と子どもの安全などについて質問しました。

本村伸子議員が「面会交流での殺害・性暴力についてどう検証してきたのか」と質問したのに対し、小泉法務大臣は「法務省において網羅的に調査、検証したことはない」と回答。本村議員は「第三者の委員会で検証すべきではないか」と質しましたが、最高裁も「調査の必要性を含めて検討したい」との消極的な姿勢に終始しました。

本村議員は、最高裁・法務省に対して、面会交流中の子どもたちが命を落とすケースや諸外国のケースの分析について、次の質疑までに資料を提出するよう強く求め、質疑を終えました。

バナー画像は、衆議院 法務委員会 2024年04月05日(金)|PolityLink より



最高裁「日本乳幼児精神保健学会の声明は承知していない」

本村伸子議員
日本乳幼児精神保健学会の声明で、「臨床現場では、家庭裁判所で面会交流を決められた子どもたちが面会交流を嫌悪し、面会をめぐる別居親との紛争にさらされ、あるいは過去のトラウマからの回復が進まず、全身で苦痛を訴え、不適応を起こして健康な発達を害されている事例が増えている」と書かれている。最高裁は認識しているか?

最高裁事務総局家庭局長
承知していない。


法務大臣「面会交流での殺害・性暴力について、網羅的に調査・検証したことはない」

本村伸子議員
面会交流調停の後に起きた殺害・性暴力などの重大事件に関し、法務省や最高裁はどう検証し、方策に生かしてきたのか?

小泉法務大臣
法務省において網羅的に調査、検証したことはない。

最高裁事務総局家庭局長
重大な被害が生じた場合、必要に応じて、当該の家裁において事情聴取するなどして教訓を得るように努めている。


最高裁「面会交流中の性虐待については、調査の必要性を含めて検討したい」

本村伸子議員
面会交流中に性虐待が起きた事例に関して、最高裁には何件の報告が上がっているか?
事件や懸念がある事案で、面会交流の決定の決め直しが何件あるか調査をしているか?

最高裁事務総局家庭局
調査の必要性を含めて検討したい。

本村伸子議員
第三者の検証委員会で検証すべきではないか?

最高裁事務総局家庭局
当該裁判所における検証・聴取が基本になる。


小泉大臣「海外法制等の調査については、必要に応じ、適切に対応していく」

本村伸子議員
他国の状況も分析して、虐待やDVの被害を受けた子や親の安全が最優先に考えられるような対策を取るべきではないか?

小泉法務大臣
必要に応じて、外国法制等の調査を行ってきた。
今後も、必要に応じ、適切に対応していく。

最高裁事務総局家庭局長
関係職員は、子の利益の判断に資する事実の調査方法・文責などについての研究を参考にするなど研鑽を深めている。このような研究において、海外における知見等も引用されていると承知している。

本村伸子議員
面会交流中の子どもたちが命を落とすケース、諸外国のケースの分析について、最高裁・法務省は、次の質疑の前までに資料を全部、出していただくよう強く求める。


本村議員の質疑により、法務省・最高裁が、子の安全の確保に消極的である実態が明らかになりました。
与党は、子の安全に関わる現状把握すら怠ったまま、今週中の法務委員会採決を強行しようとしています。


<参考>

昨年、オーストラリアは子の安全を優先する考え方から家族法を大きく改正しました。法制審議会部会では、この重要な法改正についても、司法長官のプレスリリースを配布したのみで、調査審議は行っていません。

本村伸子議員の質問に出てくる声明は、こちらをご覧ください。

今回の記事は、七緒さんの書きおこしを全面的に参考にさせていただきました。いつもありがとうございます。感謝しかありません。

発言を動画で視聴したい場合は、PolityLinkがおすすめです。

通常国会での質疑などについては、こちらにまとめています。


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