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【答弁集】(後半)「連れ去り」「偽装DV」等と主張することの人格尊重・協力義務違反性などについて

共同親権法案での国会審議では、数多くの重要な国会答弁がありました。
その中から、「連れ去り」「偽装DV」等と主張することの人格尊重・協力義務違反性などについて、答弁をまとめた資料を掲載します。

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以下、こちらのnoteの資料を許可をいただいて転載しています。

※転載するにあたり、Web画面にあわせて修正しています(下線太字は太字のみに、見出しの文字を大きく、行間をあける等)


●DVの事実やそのおそれがないことと共同親権の定めとの関係

【4/16衆・法務省民事局長・寺田学君】

 本改正案におきましては、裁判所は、父母の双方を親権者と定めるかその一方を親権者と定めるかを判断するに当たっては、子の利益のため、父母と子との関係、父と母との関係その他一切の事情を考慮しなければならないものとした上で、必ず父母の一方を親権者と定めなければならない場合の例として、虐待等のおそれがあると認められるとき、DV被害を受けるおそれ等の事情を考慮して、父母が共同して親権を行うことは困難であると認められるときを挙げております。
この規定によりましても、DVの事実やそのおそれがないことのみをもって裁判所が必ず父母双方を親権者と定めるというわけではありません
 

●濫訴と協力義務違反

【4/2衆・法務大臣・道下大樹君】

 何が濫訴に当たるかについて一概にお答えすることは困難でありますが、現行法においても、不当な目的でみだりに調停の申立てがなされた場合には、調停手続をしないことによって事件を終了させる、こういう規律などがございます。
また、本改正案では父母相互の協力義務を定めておりますけれども、不当な目的でなされた濫用的な訴え等については、個別具体的な事情によってはこの協力義務に違反するものと評価されることがあり得る、このことがそのような訴え等の防止策になると考えております。


●本法案により生じるリーガルハラスメントの危険性

【5/9参・法務大臣・仁比聡平君】

 濫用的な訴え、申立てに対する不安の、こうした不安の声があることはよく承知をいたしておりますが、これによってDV被害者の方への支援が滞るようなことがあってはならないと思います。様々な手段を講じて子どもたちを守っていく、そういう努力は引き続き行っていく必要があると思います。


●DV加害者の認知の歪み

【4/25参・法務大臣・石川大我君】

(石川大我君 DV加害者の認知のゆがみですけれども、DV、虐待加害者に認知のゆがみがあり、加害の事実や加害性を否認し、むしろ自分は被害者なんだと被害者意識を抱く方もいると聞きます。一方、被害者側が被害者であるというふうに認識できず、暴力を受けDVであると認知していても、自分が悪い、自分に原因がある、相手が正しい、相手の愛情だというようなケースも散見されますが、そのような加害者や被害者の心理と行動について、法務省として具体的に手当て考えていますでしょうか。)

 法制審議会では、DVが問題となる事案においては、その加害者や被害者の認識に客観的事実と大きな隔たりがある、そういうケースがあることを十分認識した上で議論が進められたと承知をしております。
また、本改正案では、例えばDV等のある事案では、裁判所は必ず父母の一方を親権者と定めなければならないと規定するなど、DVのある事案にも適切に対応する内容となっており、裁判所において、当事者双方の主張、立証を踏まえて適切な審理が行われるものと承知をしております。
本改正案を円滑に施行し子の利益を確保するためには、DV等を防止して安全、安心を確保することが重要であり、法務省としては、本改正案の趣旨、内容が正しく理解されるよう適切かつ十分な周知、広報に努めるとともに、円滑な施行に必要な環境整備等について関係府省庁等としっかりと連携を行い、適切に取り組んでまいりたいと思います。


●DV加害者の認知の歪み

【5/14参法務・内閣府官房審議官・石川大我君】
配偶者からの暴力は、加害者に加害の意識が薄い傾向にあり、被害が深刻化しやすいという特性がございます。また、加害者は、自らの行為を正当化する場合や、自らが被害を受けているとの認識を持つ場合があることも指摘されております被害者からの相談対応をする職員においても、こうした加害者の特性等を十分理解した上で対応に当たる必要があると考えております。


●DV被害者保護・支援への姿勢

【5/14参厚労・厚労省社会・援護局長・大椿ゆうこ君】

 民法の所管省庁であります法務省より、DV被害を受けている場合には、今般の民法改正案に規定されております子の利益のため急迫な事情があるときに該当する旨が示されておりまして、また、急迫な事情があると認められるのは暴力等の直後のみに限られないと考えているとの見解も示されています。
 このため、女性相談支援センターにおきましては、DV被害者の立場に立って相談に応じ、その相談内容に基づき、DVから保護することが必要であると判断した場合には、子の利益のため急迫な事情があるときに該当するものとしてためらうことなく必要な支援を行う必要があると考えております。
厚生労働省においては、こうした考え方について、女性相談支援センター等の関係機関に対し研修会等を通じて周知を行い、引き続きDV被害者への支援が適切に行われるよう努めてまいります。


●DV被害者保護への姿勢

【5/14参厚労・厚労大臣・大椿ゆうこ君】

 今事務方からも答えましたけれども、厚労省として、この関係省庁としっかり連携しながら、この改正案の趣旨を女性相談支援センター等に周知をして、DV被害を受けておられる方などへの必要な支援が確実に行われるように努めたいと考えます。
その上で、この女性支援新法等において、女性相談支援センターというのが、DV被害など困難な問題を抱える方の立場に立って相談に応じるとともに、困難な問題を抱える方及びその同伴する家族の緊急時の安全の確保及び一時保護などを行うこととされておりまして、相談内容から支援が必要と判断した場合には、ためらうことなくこの一時保護等の必要な支援を提供していく必要があると考えます。


●離婚後共同親権の導入がDV被害者に対する支援措置に及ぼす影響

【5/9参法務・総務省大臣官房審議官・福島みずほ君】

 住民基本台帳事務におきましては、DV等の被害者の相手方が住民票の写し等の交付等を不当に利用して被害者の住所を探索することを防止するDV等支援措置を実施をしております。
 本措置の実施に当たりましては、専門的知見を有する警察、配偶者暴力相談支援センターなどの相談機関から支援の必要性を確認することといたしております。
 DV等を受けた申出者が子供とともに同一の住所に避難している場合に、申出者の相手方が当該申出者の住所を探索する目的で当該子供の住民票の写しの交付の申出などを行うおそれがあると認める場合には、当該子供についても支援措置を実施することとしております。
 このように、現行の民法における婚姻中の共同親権の場合におきましても、申出者の相手方への住民票の写しと、写しの交付制限などのDV支援措置の措置は行われているものでございまして、今回の民法改正により離婚後に父母双方が親権者と定められた場合でも、DV等支援措置の必要性が認められる場合にはこれを実施するという基本的な考え方に変更はないものと考えております。
 また、申出者の相手方が交付制限等を受ける場合につきましては、住民票の写しなどの交付決定に際して審査請求や処分の取消しの訴えが提起されることがあり得るものと考えておりますが、この場合におきましては、当該DV支援措置等が適切に運用されたか否かが問われることとなると考えております。
 したがいまして、本措置の実施に当たりましては、専門的知見を有する警察等の相談機関からの意見聴取による支援の必要性の確認が重要でございまして、この点も含め、総務省といたしましては、今回の民法改正後のDV支援措置等の取扱いに関し、各自治体に対して必要な助言等を行い、制度の適正な運用に努めてまいります。


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