共同親権をめぐる報道まとめ(2024年2月)
離婚後共同親権をめぐる報道をまとめました。(2024年3月5日更新)
共同親権は「現実離れ」 法制審部会案 反対委員が会見
(2024年2月1日 しんぶん赤旗)
戒能民江名誉教授(ジェンダー法学者)は、DVは身体的、精神的、経済的、性的と多様であり、密室で起きるため、現在でも離婚にあたり家庭裁判所での立証が困難であり、被害者と子どもが命の危険にさらされていると述べました。父母が対立状態にあっても家裁の判断で「共同親権」を適用するとした要綱案は「現実とあまりにもかけ離れている」と指摘。民法改定は、当事者、自治体などの支援現場、社会に「大きな変化をもたらす。その重大性を(部会の委員は)どこまで認識していたのか。大変、疑問だ」と述べました。
「共同親権」導入を今国会提出 離婚後の健全な親子関係が持続できる社会に近づけるか 愛する子どもを配偶者に連れ去られた~実子誘拐の無法地帯
(2024年2月1日 NETIB-NEWS 寺村朋輝)
(社説)離婚と家族 子にとって最善の形に
(2024年2月2日 朝日新聞)
夫婦として破綻(はたん)した2人が、協力して親権を担うのは生半可なことではないと考えるべきだ。住む場所や進路、医療など親権者がすべき大事な意思決定が、父母の意見対立で進まず、子の利益に反するおそれすらある。
家族の事情は多様だ。共同親権、単独親権のどちらを原則・例外とすることなく、それぞれに最適な形になることが求められる。
離婚後の共同親権導入へ 賛否両論の声
(2024年2月2日 あらたにす)
共同親権導入へ民法改正の要綱案決定 法制審部会「福祉の充実を」
(2024年2月3日 福祉新聞)
同部会の審議は非公開。法務省によると、21人の部会委員のうち3人が要綱案に反対し、賛成多数でまとめた。全会一致を慣例とする法制審で多数決は異例という。
【社説】離婚後共同親権 子にとっての最善追求を
(2024年2月3日 熊本日日新聞)
社説:共同親権要綱案 懸念の払拭が不可欠だ
(2024年2月3日 秋田魁新報)
要綱案では、父母いずれかに「子の心身に害悪を及ぼす恐れ」「他方から暴力などを受ける恐れ」を家裁が判断すれば共同親権を認めないとしている。しかし家庭内で起きたトラブルの証明が容易でない場合も想定される。家裁が危険性を見落とす不安は付きまとう。
共同親権では進学や病気の長期治療といった重要事項を父母が話し合って決める点にも疑問が残る。期限が迫る場合など「急迫の事情」がある時は一方だけで決められるとするが、「急迫」の解釈を巡って争いが起きた場合はどうなるのか。
子の利益守る議論尽くせ/離婚後の共同親権導入
(2024年2月4日 東奥日報)
部会では「共同親権は父母の真摯(しんし)な合意がある場合のみに限定すべきだ」との意見も出た。家裁の判断で、どちらか一方が意に沿わない形で共同親権を強いられれば争いが続き、子の利益にならないとの理由からだ。
社説 離婚後の共同親権 子どもの幸せを最優先に
(2024年2月5日 毎日新聞)
共同親権の下でも、日常の世話や教育のほか、差し迫った事情がある時は、単独で対応できることが盛り込まれた。
ただ、どんなケースが該当するかは不明確だ。
<社説>共同親権導入へ 懸念は払拭されていない
(2024年2月5日 琉球新報)
家庭内の「密室」で起きるDVは顕在化しにくい。表面化しない暴力は証明が難しく、個別のケースで家裁が共同親権の可否を判断できるのか課題も残る。DV加害者との接点が残れば、子どもへの悪影響は続く。
<主張>共同親権導入へ 健やかな成長守る環境を
(2024年2月6日 産経新聞)
【社説】共同親権導入へ 懸念の払拭が大前提だ
(2024年2月8日 徳島新聞)
離婚後の共同親権についてどう思う?「特定の条件がある場合には望ましい」が41.6%で最多
(2024年2月8日 マイナビ子育て編集部)
離婚後の親権、要綱案に「異議」 共同親権求め県内外の4団体が法務省に意見書
(2024年2月8日 信濃毎日新聞)
「共同親権」慎重論相次ぐ 超党派議員が初会合
(2024年2月9日 時事通信)
発起人は自民党の野田聖子元少子化担当相と立憲民主党の福山哲郎元幹事長。立民の枝野幸男前代表、共産党の小池晃書記局長らが出席した。
野田氏は会合で、共同親権導入の動きに「違和感」を表明。福山氏も「党派を超えて議論し、今の政府の流れに『慎重にやるべきではないか』と声を上げてほしい」と訴えた。
野田聖子氏「共同親権の議論に違和感」 勉強会開催
(2024年2月9日 日経新聞)
自民党の野田聖子元総務相と立憲民主党の福山哲郎参院議員は9日、国会内で離婚後の共同親権の導入に関する勉強会を開いた。野田氏は「にわかに起きた共同親権(の議論)が進められるのに立法府の一員として違和感を覚える」と述べた。親権問題を巡り国会で十分に議論してこなかったとの認識を示した。
離婚後の共同親権「子どものための議論を」 超党派議員が勉強会立ち上げ
(2024年2月9日 弁護士ドットコムニュース)
自民党の野田聖子衆議院議員、立憲民主党の福山哲郎参議院議員が、離婚後の親権に関する勉強会(「親権のあり方勉強会」)を立ち上げ、2月9日、国会内で初会合を開いた。野田議員は「国会では、親権や養育費について議論していない」として、「単純に共同親権なのか、単独親権なのかではなく、広くあまねく子どもたちをどう支えるのか。答えを出していきたい」と語った。
「共同親権」慎重論相次ぐ 超党派議員が初会合
(2024年2月10日 しんぶん赤旗)
同省の担当者は、要綱案について、離婚後は父母のどちらかが親権を持つ現在の「単独親権」から、離婚後も父母双方に親権を認める「共同親権」が原則になると説明。
離婚後の「共同親権」を可能にする民法改正要綱案に懸念の声〈弁護士アンケート〉
(2024年2月10日 弁護士ドットコムニュース)
要綱案について賛否を尋ねたところ、63.7%が「反対」、16.3%が「どちらかといえば反対」と回答し、8割が否定的な見解を示しました。
「人間関係の強制」共同親権に高まる批判 反対ある要綱案、多数決でまとめる
(2024年2月11日 生活ニュースコモンズ)
共同親権に慎重論相次ぐ 「別居親の親権より、経済的支援を」 国会で超党派勉強会始まる
(2024年2月11日 生活ニュースコモンズ)
共同親権導入問題、法務省が今国会に民法改正案提出へ
(2024年2月13日 週刊金曜日オンライン 吉永磨美)https://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2024/02/13/antena-1411
自民党内からも共同親権に慎重論 超党派議員の勉強会がスタート 野田聖子さんと立憲・福山哲郎さんが発起人
(2024年2月13日 東京新聞 大野暢子)
立民の枝野幸男前代表はパスポートの取得を巡るトラブルなどを念頭に「(単独の親権行使が認められる)『急迫』が意味する範囲について、裁判例の蓄積はあるのか」と法務省に質問。共産党の仁比聡平参院議員も「共同親権が導入されると、子を巡る紛争はさらに増える。日々の暮らしで大変なひとり親が、裁判所に通い続けなくてはならなくなる」と訴えました。
法務省は裁判例の蓄積は「ない」と回答。パスポートの取得などで対立する父母や、一方が相手に対して根拠のない訴訟を乱発するようなケースでは、そもそも裁判所が共同親権を認めないと答えました。
【社説】共同親権の導入 「子の利益」国会で熟議を
(2024年2月11日 西日本新聞)
社説【離婚後の親権】子どもの利益を第一に
(2024年2月12日 高知新聞)
刑事手続きデジタル化を答申 離婚後共同親権も、法制審
(2024年2月15日 共同通信 福井新聞・沖縄タイムスなど)
離婚後は父母どちらかの単独親権とする民法を改め、共同親権を可能にする制度見直しも答申。小泉氏は今国会を念頭に「速やかに法案を提出できるよう準備を進める」と述べた。
政府は共同親権を導入する民法などの改正案の国会審議を先行させる考えだが、与党内には提出に慎重な意見もある。
離婚後の「共同親権」導入=父母協議で選択可能に―法制審答申
(2024年2月15日 時事通信)
離婚後の共同親権、法制審が答申 今通常国会に改正案提出へ
(2024年2月15日 毎日新聞)
要綱では、父母は協議して離婚する際、共同親権か単独親権かを選ぶことができるとし、協議が整わなければ家裁が審判で親権者を決める。家庭内暴力(DV)や児童虐待があり、共同親権がふさわしくないケースを除外するため、家裁が判断の手掛かりとする考慮要素も盛り込んだ。
刑事IT化や共同親権、法制審が答申 3月にも法案提出へ
(2024年2月15日 日本経済新聞)
父母の協議で決まらない場合は裁判所が父母や子との関係などをもとに親権者を判断する。ドメスティックバイオレンス(DV)や子への虐待などの恐れがある場合は単独親権と決める。
法制審議会 共同親権導入など 法改正に向けた3要綱 法相に答申
(2024年2月15日 NHK)
法務大臣の諮問機関である法制審議会は、15日、総会を開き、法改正に向けた3つの要綱を決定しました。
このうち、子どもの養育制度を見直す要綱は、離婚後に父と母のどちらか一方が子どもの親権を持つ今の「単独親権」に加えて、父と母双方に親権を認める「共同親権」を導入することが柱となっています。
離婚後の「共同親権」認める民法改正へ 父か母の一方だけが子の親権持てる制度を変更 家族・子育ての在り方変化
(2024年2月15日 FNN)
「共同親権導入」や「マンション建て替え要件緩和」へ 法制審が法務大臣に答申
(2024年2月15日 テレビ朝日)
離婚後の父母双方に親権を認める「共同親権」導入、民法改正要綱を決定し答申…法制審議会
(2024年2月16日 読売新聞)
「共同親権」本当に導入する? 推進の自民内部にも慎重論 公約の維新「強引に押し切らない」
(2024年2月16日 東京新聞 大野暢子)
自民の法務部会関係者も「党としては推進が基本姿勢だが、意義を丁寧に伝えないといけない」と漏らす。公明党の山口那津男代表は13日、記者団に「不安を招かないように議論を尽くすことが重要だ」と語った。
共同親権の導入推進を公約する維新は、独自法案の提出も模索。藤田文武幹事長は14日の記者会見で「強引に押し切るのではなく、絡んだ糸をほぐしながら前進させたい」と説明した。
DV・虐待被害者らの萎縮防止を 共同親権導入の民法見直し要綱巡り日弁連が声明
(2024年2月16日 産経新聞)
日弁連の小林元治会長は16日、法制審議会が答申した離婚後の共同親権を導入する民法見直しの要綱に関し、「ドメスティックバイオレンス(DV)・虐待被害者が加害者から逃避することへの萎縮がないよう検討されるべきだ」などとする声明を発表した。
離婚後の共同親権可能にする「家族法制」の見直し要綱、日弁連が会長声明
(2024年2月16日 弁護士ドットコムニュース)
離婚後の親子のあり方は? 「共同親権」導入へ
(2024年2月16日 NHK 政治マガジン 西澤文香)
法務省は、民法などの改正案を今の通常国会に提出し、成立を目指す方針だ。
ただ、具体的な運用や支援のあり方を決めるのはこれからだ。
家裁の役割も大きくなるが、それを果たせる体制整備も喫緊の課題となる。
何より、DVや虐待などへの不安を抱える人たちにも寄り添った制度にしなければならない。
「離婚しても親子は親子」 離婚後の〝共同親権〟が審議されている今、知っておきたい〝共同養育〟のこと。あなたはどんなイメージを持っていますか?
(2024年2月16日 HugKum)
想像を絶するDV夫のたくらみ。「した側」なのになぜかメンタル不調を訴えて休職、その真相とは【共同親権を考える】
(2024年2月16日 OTONA SALONE 上條まゆみ)
親権争いと「子の連れ去り問題」話し合いもせず一方的に連れ去った側が有利になる仕組みがあるからこんな不幸がずっと続いている
(2024年2月16日 OTONA SALONE 上條まゆみ)
SAKISIRU「共同親権」訴訟結審、判決は3月8日 裁判の経緯おさらいも
(2024年2月16日 SAKISIRU)
<注>
SAKISIRUは「共同親権」訴訟との見出しをつけていますが、この訴訟は「共同親権」について争っているものではありません。
SAKISIRU運営会社と西牟田靖ライターが訴えられた名誉毀損訴訟です(国際指名手配されてないのに、そのように報じたことが論点となっています)。
離婚後共同親権導入に反対 青年司法書士協議会が会長声明
(2024年2月17日 しんぶん赤旗)
「共同親権」選択が可能 党部会、改正案の概要聴取 子どもの利益守る視点重要
(2024年2月17日 公明新聞)
大口部会長は、有識者や団体からのヒアリングなど、これまで積み重ねてきた議論を踏まえ、「子どもの利益を最大限守る視点が重要だ」と強調。その上で、共同親権の導入に当たっては、裁判所の体制やDV、虐待への対応の強化に取り組むことが必要だと訴えた。
オーストラリア人が「日本のシングルマザー」困窮に漏らした、衝撃の感想…養育費はもらえず、「女手一つ」の“美談”が追い詰める
(2024年2月17日 現代ビジネス 池畑 修平)
養育費が着実に支払われるよう、法整備を期待するシングルマザーの声が映画で紹介されている。これに関しては、最近、前進がみられた。1月30日、法務省の法制審議会家族法制部会が、夫婦の合意を前提に「共同親権」を認めるという民法改正の要綱案を決定したのだ。
法務省は3月に改正法案を国会に提出する方針だという。映画では、この動きが実現すれば養育費不払いの問題が改善へと向かうのではないかという専門家の見方が示される。
自民、共同親権導入を了承 民法改正案、今国会提出へ
(2024年2月19日 共同通信)
「共同親権」導入、自民了承 来月国会提出
(2024年2月19日 時事通信)
政府は3月上旬に閣議決定し、今国会に提出する方針。成立すれば、公布から2年以内に施行する。
<社説>共同親権の導入 子の不利益生じぬよう
(2024年2月20日 東京新聞)
改正案は共同親権は父母が合意した場合に限り、DVや虐待がある場合は家裁が単独親権と決めるとしているが、家庭という密室でのDVや虐待は表面化しにくく、証明も難しいのが現実だ。
配偶者間の力関係で共同親権を強制されることへの懸念は残る。個別の事例に合わせて家裁が共同親権の可否を判断できるのかという課題もある。
賛否分かれる「共同親権」 子供の視点を忘れずに【堀内恭彦の一筆両断】
(2024年2月20日 産経新聞)
特にDVや子供への虐待に苦しむ親からは「家庭裁判所が適切に判断できるのか?」という不安の声が上がっている。DVや虐待は別居・離婚した後も続くことが多く、加害者側は子供と会う機会を利用して精神的・肉体的支配を続けようとする傾向がある。殊に精神的DVは証明が難しい。全国の児童相談所に寄せられる虐待相談は毎年増え続けており、問題は深刻化している。
特集「今国会で審議へ。DV対策から見た離婚後の共同親権、その課題」
(2024年2月20日 TBSラジオ 荻上チキ・ Session)
共同親権をめぐっては、DVや虐待被害者にとって対策が不十分だとする当事者や支援者らの声もあり、与野党の議員の中でも「現実に即さず、機能しない制度になるのでは」と懸念が広がっています。
ひろゆき氏「経済的に厳しい制度から進学がしやすくなる」民法改正案で自民が共同親権を了承
(2024年2月20日 日刊スポーツ)
施行前の離婚も共同親権可 民法改正案、変更請求で
(2024年2月21日 共同通信)
https://www.47news.jp/10557293.html
<社説>離婚後の親権/子どもの幸せを最優先に
(2024年2月22日 神戸新聞)
DV被害の当事者らは「そもそも力関係に差があり、対等に話し合えない」と訴える。共同親権を支持する専門家からも、「共同親権に同意しないと離婚には応じないとか、別居親が親権によって子どもの教育やしつけに介入する恐れがある」との指摘が出ている。
「単独親権」制度は“違憲”と主張する国賠訴訟の控訴審に判決 「自然的親子権」の訴えは認められず
(2024年2月23日 弁護士JPニュース)
どうなる家族のあり方 医師、弁護士、公認心理師、親の離婚経験者が語る「共同親権」
(2024年2月26日 スポニチ)
飯島氏が離婚の相談を受けた際は、決断の前に別居することを提案している。「離れて暮らすことで夫婦間の争いが減り、前向きな関係になるケースが多い。子供にとっても、両親に会いたい時に会える自由が保障されることで精神が安定する傾向がある」とした。
共同親権導入を答申 父母が合意で選べるように(法制審総会)
(2024年2月27日 福祉新聞)
https://news.yahoo.co.jp/articles/cb86ffb7bbfeaa41a89cb47aac3b07b16389ae8d
離婚後「共同親権」課題は?政府が改正案提出見通しも専門家は懸念「丁寧な制度設計必要」《長崎》
(2024年2月27日 長崎国際テレビ)
長崎市では、2017年1月に調停の結果、面会交流を命じられた母親が、子どもを別居中の父親に会わせに行ったところ、刺殺される事件も発生。
共同親権導入への議論が大詰めの日本。今こそ大切にしたい「子どもの最善」の視点
(2024年2月28日 OTEMON VIEW 善積京子 追手門学院大学 名誉教授)
43歳専業主婦がある日突然「子どもも家も奪われて」起きたこととは?あまりの理不尽に言葉もない
(2024年2月28日 OTONA SALONE 上條まゆみ)
拙速な導入は命や安全を脅かす。共同親権に関する家族法改正への重大な疑問
(2024年2月29日 YAHOO!ニュース 伊藤和子)
家事と育児に献身的な夫が「近所の騒音トラブル」に悩まされ、別居の末に…妻の「非情な宣告」に崩れ落ちた「絶望の瞬間」【共同親権について考える】
(2024年2月29日 現代ビジネス 露木幸彦)
「子どもとずっと一緒にいたい」…!親権を奪われた夫が「非情な妻」と戦った離婚調停の「意外な結末」【共同親権について考える】
(2024年2月29日 現代ビジネス 露木幸彦)
お読みいただき、ありがとうございました。
なお、過去の報道関連は、こちらのマガジンにまとめています。
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