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小泉大臣「父母の合意に基づいて共同親権を選ばなければ、親権を共同で行使することはできない」 法案と答弁の致命的矛盾が露わに

3月22日、参議院法務委員会で仁比聡平議員(共産)が、離婚後共同親権について法務大臣に質しました。

改正案は、父母の合意がなくても裁判所が共同親権を命ずる制度の導入であるにもかかわらず、小泉法務大臣は「父母の合意に基づいて共同親権を選ばなければ、親権を共同で行使することはできない」などと答弁。早くも、法案と大臣答弁の致命的な矛盾が露わになりました。



【質問】子の利益にかなうのは、子の養育については共同して責任を果たそうという父母の関係性が前提ではないか?

法務大臣
まさに仰る通りです。父母の合意に基づいて共同親権を選ばなければ、親権を共同で行使することはできません。そうなれば子どもの利益を守ることはできないので、父母のコミュニケーション、父母の理解、父母の合意、そういうものが整った時には共同親権を選ぶことができると、今までは選ぶ道がなかったわけですよね。そういう制度です。

【コメント】
仁比議員の質問に、小泉大臣は「まさに仰る通り」と答弁。
仁比議員は、すかさず「法案はそうではなく、合意ができない場合に、裁判所が判断することができるという枠組みになっている」と指摘しました。


【質問】改正案は共同行使の真摯な合意ができている場合の父母についてだけではなく、共同行使の真摯な合意ができない父母にも裁判所が共同親権を定めることになっているのではないか?

法務省民事局長
父母の協議が整わないときは裁判所が子の利益の観点から親権者を父母双方とするか、その一方のみとするかを判断することとしている。

【コメント】
「合意」「選択」を強調する小泉大臣の答弁との矛盾が露呈。
仁比議員が「つまり合意ができない場合、非合意型の共同親権を裁判所が定めることがあるというご答弁です」とまとめました。


【質問】共同行使の合意ができないのに共同できるというのはどういう場合か?

法務省民事局長
同居親の養育にやや不安があるとか、同居親と子との関係が良好でないという理由で別居親が子の養育に関わったほうがいいという場合が考えられるということです。

【コメント】
「共同行使の合意すらできない父母に、共同親権を命じることが子の利益になるのは、いかなる場合か?」という問いは、「非合意・強制型」共同親権導入への根本的な疑問です。
法務省の答弁は、父母が共同行使の合意すらできない関係性において、「同居親の教育にやや不安がある」「同居親と子との関係が良好でない」場合に、"父母が合意しないと重要事項を決定できなくする制度を導入することは子の利益になるのだ"、と主張しているわけです。


以上、木村草太先生の投稿、太田啓子弁護士の投稿、七緒さんのnoteを参考にさせていただきました。ありがとうございます。


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