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4泊5日台湾鉄道一周の旅[3日目・その1]

本日のスケジュール

一日ゆるりと台南市内を観光します。

3日目

これまた載せる必要性をほとんど感じられない路線図が登場

台南地方法院へ

台南地方法院は、台湾が日本の統治下にあった1914年(注)に地方裁判所として建てられました。2016年8月に修復工事が完了し、司法博物館として一般に公開されています。なお、地方裁判所自体は別の場所にお引越しをしているので、現在、ここで実際に裁判が行われているわけではありません。(注)後述するとおり、台南地方法院のパンフレットには「1914年」と書かれているのですが、Wikipediaや各種旅行サイトでは「1912年竣工(落成)」とされています。正しいのはどっちなんだ?

地図を見ると、ホテルから台南地方法院までは歩いて行けそうです。

地図(台南地方法院)

路地を省いて簡略化して適当にトレースした地図を載せてみる

歩くこと約15分、到着しました。

台南地方法院の写真1

ばばーん!かっこいい!!

台南地方法院のパンフレット(日本語版が置いてありました)によれば、

国指定史跡と呼ばれる台南地方法院(地方裁判所)は日本時代に建築技師である森山松之助が設計し、1914年に建てられて以来利用されてきた。
バロック様式の非対称的なヨーロッパ式建築スタイルにより、「総統府」、「国立台湾博物館」と並び、日本時代の台湾の三大古典建築と呼ばれる。

とのこと。ほほう。

台南地方法院の写真2

建物前ではヤシの木がファサファサ揺れてました。南国だなあ。

台南地方法院の写真3

ヤシの木越しに見える地方法院。麗しい。

台南地方法院の写真4

修復に関する写真も展示されています。

台南地方法院の写真5

 建物全体の模型。「雰囲気がなんとなく東京駅っぽいな」と思って
 調べると、あちらも1914年開業でした。しかも、台南地方法院を設計
 した森山松之助は、東京駅を設計した辰野金吾の教え子だそうです。

「司法博物館」の名のとおり、こちらでは、台湾の司法制度に関する展示や、昔の法廷の内部を見ることができます。

台南地方法院の写真6

法廷では、法服(判事・検察・弁護人が着る服)を借りることができます。これを着て審判長席(裁判長席のこと)や検察人席、弁護人席に座ると、何だかとってもかしこくなったような気分になれます(頭わるそうな感想)。

建物内には40~50代と思われるガイドさん(ボランティアの方々かも)が何人もいらっしゃって、我々が訪問したのがド平日の午前中でめちゃめちゃ空いていたからか、どの展示コーナーに行ってもガイドさんが解説しに来てくれました。やさしい~。うれしい~。でも英語~。

私、英語の「読み・書き」はそれなりにできるけど「聞く・話す」がわりと苦手という、一昔前の「受験英語だけできる日本人」の典型例でして。短い文章なら聞き取れるのですが、ペラペラと長文をしゃべられると頭がショートしてしまいます。もうちょいゆっくり話してくださらんか…。
こちらがそんなレベルとは当然知らないガイドさんたちは、私を見つけるとサササッとやってきて、解説してくれるんです。とびきりの笑顔で。その優しさに応えるべく、こちらも全力でヒアリングの限界に挑戦。突然、サバイバル英会話開始。
でも、相手の英語が流暢過ぎて、こちらの限界がすぐ来る。秒で来る。
やがて相槌に徹する私。そっと気配を消す同行者(英語は苦手)。「あれ?こいつらさっきからウンウン頷いてはいるけれど、実はよく分かってないのでは?」と勘づき始めるガイドさん。なんとなく微笑みあう我々とガイドさん。そこに広がるのは、優しさによって生み出された地獄…き、気まずい…。

よい子のみんな!英語がイマイチ分からんなと思ったら、「よく分かんない」って正直に伝えような!分かるフリしても誰も幸せにならないからな!(と自分に言い聞かせる)

サバイバル英会話再び

ガイドさんの説明を必死に聞いたり聞いているフリしたりしながら、何とか館内を一通り見学し終えた我々。時は正午。そろそろごはん食べに行こうか、その前にトイレはどこだ、と館内をうろついていると、通りすがりのガイドさんに「今日はこれからどうするの?」と聞かれました。
「今日は市内を観光しようと思っています」と返事したところ、さっきまでニコニコしていたガイドさんの表情が一変。もの凄いスピードで我々に話しかけてくる。「話しかけてくる」というよりかは、もはや何かを訴えかけてきているのでは、というレベルの勢い。気が付いたら他のガイドさんたちも我々の周りに集結している。何事。

ガイドさんたちの話す英語があまりに早過ぎて、何を言ってるのか皆目分からぬ…と遠い目になりかけたのですが、みなさんの必死な表情とその勢いから、ただならぬ気配を察知。「私、英語分かんなーい」とか悠長なことを言っている場合ではない。我々も必死にヒアリングを試みます。まさかのサバイバル英会話再開。しかも、さっきとは本気度が段違いです。

何とか聞き取れた単語からガイドさんたちの話の内容を推測すると、

「今日は13:30からtrafficがofficiallyにclosedするので、this areaから身動きが取れなくなります!」

は?今日の13:30から?道路が封鎖?本当に?

「(封鎖対象は)このエリアだけ?」って聞いたら「台南全市が対象で、この建物も正午に一旦閉館する」とのこと。もう正午ですけど?閉館するの?えっちょっと待ってトイレに行かせて?

やさしいガイドさんたちは、トイレまでエスコートしてくれました。そして、「私は行かない」と言っていた同行者もなぜかトイレに現れました。聞くと、「あなたもトイレに行っておきなさい!さあ早く!」とガイドさんから強く促されたとのこと。我々の膀胱(と、やらかしてしまった場合の社会的立場)まで心配されるほどの緊急事態なのか…本気のやつだ…。

ホテルに戻ろう

トイレを済ませた我々は一旦ホテルに戻ることにし、ガイドさんたちに別れを告げて台南地方法院を後にしました。が、外では普通に人も歩いているし、車も走っているぞ?
一瞬、「本当に道路封鎖なんかされるの?」と思いましたが、あの親切だったガイドさんたちが嘘つくはずありません。早くホテルに戻らないと、道路が封鎖されて戻れなくなってしまう。寄り道なんかしている場合じゃない。急がないと。でもお腹空いたな。

というわけで、康楽市場内にある「赤嵌棺材板」というお店にシチュートーストを食べに来ました。

1.地図(お昼ごはん)

台南地方法院からは歩いて10分くらいのはずだけど、途中迷ったから
もう少し時間がかかった気がする(急いでいるときに迷うな)。

ところで、外の道路では封鎖の気配が全くないし、封鎖開始時刻までは1時間ちょっとあるしで余裕ぶっこいていた我々ですが、康楽市場の光景を見て、にわかに焦り始めます。というのも、

・まだ正午なのに、ほとんどのお店が閉まっている
・空いているお店も、店の前の通路にワゴン車や軽トラを突っ込み、荷台に品物を放り込んで閉店準備をしている

という状況だったからです。

「これはさすがに様子がおかしいぞ」
「確かに」
「でもお腹空いたな」
「確かに」

という全く実の無い会話を繰り広げながら、お目当てのお店に向かいます。頼む、開いていてくれ!

お昼ごはん

やったー!開いてたー!いただきまーす!

シチュートーストとは、揚げパンをくり抜いて中にシチューやカレーを詰めて作った、お手軽ファストフードのこと。注文したらすぐ出てくるので、急いでいるとき(まさに今)にうってつけのメニューです。

食べ終わって時計を見ると13時を過ぎたところ。さあ、今度こそホテルに戻らねば。

その2に続きます。

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