天国はまだ遠く(瀬尾まいこ/新潮社/2006.10.30)
2008年に映画化され、加藤ローサさんとチュートリアル徳井さんが主演をつとめたお話。最初は映画から入ったのだけど、この作品きっかけで瀬尾まいこさんの作品のファンになった。
都会で疲れた若い女性が田舎で気力を取り戻す話。筋書きを一言で説明するとべたな感じもするのだけど、瀬尾まいこさんの描く主人公の内面や眼差しがべたにさせない感じ。20代のとき、日々の仕事に追われて消耗していたこときに何度助けられたか。
都市の楽しさを経験しながらも、日々のために仕事に追われ、人間関係で消耗して、だんだん無感覚になっていったときに気力をじわじわと蘇えらせるような。温泉のような。現実では、田舎は田舎で難しいことや嫌なことがたくさんあるけども、そういった表現は薄めなので、フィクションとして楽しめます。普通の価値とそれを営むことを励ましてくれるような作品。
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