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不動産Tech【TERASS】の特許分析

おそらく日本で一番スタートアップ・ベンチャーの知財活動の立ち上げをしているarisadaです。
これまでにLINEとメルカリの知財立ち上げに従事し、現在は複数のスタートアップ・ベンチャーで知財活動立ち上げを支援しています。

株式会社TERASSの特許を分析してみました。

※本noteに記載の解釈・見解・意見・認知等は筆者個人のものであり、筆者が所属・参画・支援等する法人・団体等のものではありません。

TERASS(テラス)の基本情報

テラスは、不動産Techを営むスタートアップで、エージェントの働きやすさに特徴があります。
・コミッション還元75%
・フルリモートで出社義務やノルマなし。
これらを可能にしているのが、テラスの保有する自社ツールとのこと。

Terass Cloud:事務作業自動化ツール
Terass Offer:集客プラットフォーム

簡単に言えば、不動産業をスタートアップっぽくしたイメージでしょうか。
不動産業界は未だにFAXを使う不動産業者も多く、かなりレガシーな業界なので自動化しまくってエージェントへの還元率を上げることでエージェントのモチベーションを上げて成約数を増やすだけでも利益は大きくなりそうです。

創業:2019/04
従業員数:17人
調達後合計額:約60億円
※全て2023/06/18調査時の情報

出典:INITIAL

TERASSの特許分析

J-platPatで調べると2件の特許出願がヒットします。(ともに登録済)
2019年4月創業で2件なので少ない印象です。

出典:J-PlatPat

長くなるので個別の特許分析は後日にしますが、上記の特許出願は自社のビジネスモデルや機能の特徴をベースに特許出願をしており、主な発明は下記の2つです。

①エージェントへの報酬還元方法
②不動産商談の進捗管理

明細書まで見ていないので推測ですが、②は重説のアップロードを限定要素にして登録に至っているようです。
法律上必ず実施しなくてはならい要素を限定要素として特許に組み込むと、「権利範囲は狭くなるが、回避がしにくい」特許を作りやすいのでその類かなと思います。
(もう少しキレイに権利範囲とれそうです。この辺が知財担当者の腕の見せどころ。)

所感

レガシー業界だと、Webベースのサービスとして磨き込むだけで特許出願のネタはかなり出てくるので、その観点からはもっと出願が多くても良いように思います。
不動産業界は今後より一層のオンライン化していくと思われるので、5年後くらいの将来にどのような業界になっているかを想像してブレストするだけでもかなり多くの発明を創出できそうです。

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