音楽と向き合って5年目

音楽、それは人の心と心を音でつなぐコミュニケーションの1つ。そのことを教えてくれたのは中学校で入った吹奏楽部だ。

私の吹奏楽部は元強豪校で、その名残を受け継いでいた。誰もが音楽を愛し、誰もが楽器を愛する人々の集まりだ。私もその中の1人になった。  この吹奏楽部は、楽器の技術や音楽の知識はもちろんのこと、仲間の大切さや上下関係、一人一人の存在についても教えてくれたのだ。

どうしてそんなことが必要なのか。入ったばかりの私には理解できなかった。どうして上下関係がこんなに厳しいのか、こんなに何回も話し合いをして意味があるのか。

先輩、それは後輩を思いやる気持ちで溢れていること、そしてこの部活を引っ張っていこうとし、いつでも頼りにできる存在。

仲間、それは自分が辛いとき、一緒になって泣けること。嬉しい時は一緒になって笑顔になれる存在。何があっても信じられる、最高のライバル。

そんなことを教えてもらったような気がする。この部活を通して、私はもっと人間味に溢れ、喜怒哀楽を共にできる仲間を作れたのだ。

今年はコロナで全然部活ができない状況が続いた。吹奏楽部は卒部し、今は新しい学校で弦楽部のパートリーダーを務めている。

どんなに状況が変わろうが、やることは一緒だ。何があっても仲間を信じ、先輩を頼り、後輩を愛し、それが最高の音楽を作るための土台だと思っている。技術だけでは人を感動させる音楽は作れない。いかにして作曲者の意図を読み取り、自分なりの色に塗り替え、どう聞いている人に伝えるのか。そのためには仲間は必要不可欠なのだ。仲間がいるから自分の表現を隠さずに伝えられ、仲間を信じてるから塗りたい色を塗ることができる。

弦楽部では全く厳しくないし、話し合いもないし、相手が私を信じてくれているかわからない。でも、私の作りたい音楽はそうした透き通った音楽だ。

さぁ、今日はどんな音楽を伝えようかなぁ!

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