紙の本、アップデートされてる
最近、紙の本に回帰している。そんな自分がちょっと嬉しい。
実は長らく、あまり本が読めなかった。原稿を書く資料は別。でもそれは「仕事」感が強くて、あまり「読書」の感じはない。
少し前に、夫が突然「リアル本屋に行って、頭の中をかき混ざされる感覚を得たい」と言い出したので、それいいね!と賛同し、夜遅くまで開いている本屋を探して、車でハシゴした。
そこからちょっとハマっている。
物量で攻めてくる大型書店もいいし、棚作りに思い切りセンスを感じさせる小さなお店もいい。
ついついたくさん買ってしまう。
とはいえ、家の本棚にはもうスペースがない。”棚卸し”をやって、BOOK OFFにがっさり売った。でも、あっという間にまた埋まってしまった。どうにかしなきゃ。
一冊を読み通すのものもあるけど、いろいろを、あっち行ったりこっち行ったりしながら、同時に手をつけている状態。
久々に紙の本をいろいろ手に取って、紙のザリザリした感触だとか、真新しい本の開いた時の硬さがだんだんしなっていく感じだとか、匂いだとか、やっぱりいいなって思いなおす。
私はもともと手に油分が少ないほうなので、紙をずっと触っているとカサカサになる。だから読書のお供に、香りのいいハンドクリームを置いておくと、気分もいいし、「素敵な時間過ごしちゃってるじゃん自分」感をより楽しめます。
それで気づいたのだけど。
紙の本、アップデートされてる。
最近の本、とても読みやすくなってる。
文字の大きさや行間とか余白に感じられる、作り手の優しさ。昔みたいに、小さい文字で、ぎっちり詰め込まれてない。
それと、そういったデザインの問題もあるけれど、1970年代生まれ、つまり私と同世代の哲学者とか科学者の本などは特に、ひとつの節とかセクションが短めに書かれていて(本全体とか章が短いというわけではない)、キリ良く読みやすい。
隙間時間に少しずつ読んだり、さっと思考を切り替えたりしたい時とかに、すごく扱いやすい。
ああ、こういう本なら、本当に読みやすいなぁ、と思わせてくれる。
だからすごく楽しい。本がいばってない。知的な友達のように、親しげに語りかけてくれる。
それだけフレンドリーでありながら、最近読んで感動した林要さんの『温かいテクノロジー』も、谷川嘉浩さんの『スマホ時代の哲学』とかも、パッと見の印象・語り口とは裏腹に、内容はとても濃いのです。
今、我が家の一角がリフォーム中で、今日私は一歩も外に出られない。自分の原稿3本仕上げなければならないのだけど、合間にまったり読書を楽しみながら過ごします。
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