飯田有抄

クラシック音楽ファシリテーター。コンサートのナビゲーター、楽曲解説、音楽講座の講師、イ…

飯田有抄

クラシック音楽ファシリテーター。コンサートのナビゲーター、楽曲解説、音楽講座の講師、インタビュアー、雑誌や書籍の執筆をしています。オーディオやカメラについての記事を書くこともあります。

最近の記事

戦前のライカレンズSummarの写り

バルナックライカIIIaをお迎えしたときに、一緒に買ったレンズはSummar 5cm F2というものでした。 Leitzによる明るいレンズの初期のもの、とどこかで読んだ記憶があるようなないような。とても柔らかいレンズで(写りも、そして物理的にレンズの表面も)知られていますね。 けっこう傷の入ったものが多いらしいのですが、私の個体はすごく綺麗で、絞れば結構シャキッと写ります。 沈胴式レンズをM10-Pに付けるのは怖かった私ですが、 万が一沈胴してしまっても、このSummar

    • 沈胴OK?ライカのオールドレンズ、エルマー撃沈事件!

      トップの画像は私のオールドレンズ、Elmar 5cmです。 「ライカはエルマーに始まりエルマーに終わる」というまことしやかな名フレーズがありますし、やっぱり一本は欲しくなりますね。 Lマウントのスクリュー式の「赤エルマー」に憧れていたんですが、アダプターをかませて、お店で試させてもらったところ、私のライカM10-Pは、ちょっと干渉する部分があって、取り付けや絞りやフォーカスが難しかったんですよね。 それで、ちょうど状態のいいMマウントのがあったので、一年くらい前にお迎えし

      • 広くガッとつかむ目〜広角寄りのレンズが好きになったお話

        中望遠とかマクロレンズで、対象にグッと寄った写真を撮るのが好きだと思っていたわたくしですが、どうにも近頃、自分がいつも同じような絵を撮ってる感じがして、少し「飽き」もあったんですよね。 そんなとき、カメラを持たずに出掛けてしぶしぶiPhoneの13mmという画角で撮った写真がきっかけで、広角レンズに目覚めました。 15mmという画角で、どんな高層ビルもシュパッと手中に収められるような感覚が気持ちよくて、「新しい目」を手に入れた、そんな気持ちになりました。 超広角15mm

        • The Real Chopin〜プレイエルと18世紀オーケストラで聴く若き日のショパン

          今夜はオペラシティで、「The Real Chopin ×18世紀オーケストラ」を聴きました。素晴らしかった。 オリジナルのプレイエルと、ピリオド楽器のオーケストラにより、ショパンのピアノと管弦楽のための作品を、東京は2夜で全曲やるという意欲的なコンサート。 それもソリストはユリアンナ・アヴデーエワ(2010年ショパンコンクール優勝)、川口成彦、トマシュ・リッテル(第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールの2位と1位)という豪華な顔ぶれ。 今回私は、全6作品が若き日のショパ

        戦前のライカレンズSummarの写り

          超広角レンズが気持ちよくハマった

          どこに出かける時でも、それがたとえランチを買いに行くコンビニであっても、いつどこで撮りたいものが現れるかわからないので、極力カメラを持ち歩いています。 でも昨日は取材に出かけるとき、なんだか体がダルくって、少しでも荷物を減らして仕事に集中せねば……と、泣く泣くカメラを持たずに家を出ました。荷物は軽くて楽なのだけど、どうも心もとない。寂しい。 道中、気が向いたので、サクッとiPhoneで撮影してみました。これが、なかなか楽しく撮れました。 iPhone13 Pro Maxに

          超広角レンズが気持ちよくハマった

          AIの進化が著しい時代に、自動ではほぼ何もしてくれないモノたち

          生成AIの進化がとてつもないことになっていますね。SNSでも、注文に従って出てきた画像を共有する人も増えていて、すごく綺麗な絵にびっくりします。今日はこの人、ずいぶんピントがピシッとしてて解像度のある写真撮れてる!と思ったらAIだったり、コンサートのチラシの絵をそれで作ってる例もあって、なるほどこういう活用ができるのか、と。 Soraとかいう動画生成も激しくて、もうスクリプトさえ言葉で書ければ、かなり面白い動画も作れるそうだ。 スノードームの中で小さいお百姓さんが耕していた

          AIの進化が著しい時代に、自動ではほぼ何もしてくれないモノたち

          船底が透けてるボートに乗った話

          バイクで夫とプチツーリング。ムーミンバレーパークのあるメッツァビレッジに行きました。 ここではいつもLAGOMの美味しいビュッフェでご飯をするんです。今日はプリンがありましたよ。 今日は兼ねてから乗りたいと思っていた手漕ぎボートに乗りました。 なんと、そこが透けてるやつでした! これがけっこうな重労働(?)で、わりといい運動になりました。 気持ちよかったですが、なんとなく顔が日焼けしたかも。 今日のカメラはX-T5です。防塵防滴ありがたい。 結構、漕いでる時にオールか

          船底が透けてるボートに乗った話

          キラキラ3月カメラとバイク

          今日から3月ですね。気持ちよく晴れました。 今月もがんばるぞー 午前中は、我が癒しのパワースポット・深大寺に行ってきました。 すでにポカポカです。 今日のカメラはCCDセンサーのOLYMPUS E-500。思えばこのカメラを手に入れてから、晴天の日にはまだあまりたくさんは写真を撮っていなかった気がします。CCD日和! というわけで、以下は作例いろいろです。 やっぱり大好き。E-500の写り。もう、ドキドキするレベル。 午前からそこそこの参拝者。そこそこっていうところが

          キラキラ3月カメラとバイク

          愛機3つを気まぐれ撮り比べ

          夜更けに突然気が向いたので、愛機たちで撮り比べをしてみました。 雨の夜。なかなかフォトウォークに行けないなら、家の中でだって写真を撮って楽しめばいっか、と思ったのでした。 カメラにとってはなかなかに過酷な、黒いクマちゃんが白いお洋服を着て、白い壁を前にいるっていう、コントラスト強めなシチュエーションです。ぜんぶjpeg撮って出し、ホワイトバランスのみオートで、ほかはいろいろいじりながらやっています。別にカメラやレンズの腕比べをしたいわけではなく、それぞれにいい感じのが撮れる

          愛機3つを気まぐれ撮り比べ

          雨が降り出す前に 束の間Daxさんぽ

          2月も末日。締切原稿をひとまず無事終えたので、ちょっとホッとして散歩に出かけました。仕事だったり雨だったり強風だったりで、なかなか乗れていなかったDaxと。 おともカメラはLeica M10-Pです。久しぶりにVoigtlander 75mm F1.9を付けて。このレンズ、現代的なパリッとした写りなのですが、M型ライカのフィルムっぽい粘り気とのアンサンブルで、なんだかとてもいい感じになるのです。大好きです。 雨が降り出す前の夕方。冷たい空気の人もまばらな公園で。色味のない

          雨が降り出す前に 束の間Daxさんぽ

          デジタルピアノ/アコースティックピアノの二項対立から逃れたい(3)2台のデジタルピアノによる演奏会「白と黒で」を聴いて

          連投してきたテーマですが、ようやく今夜のコンサートのところまで辿り着きました。本荘悠亜さんと横山博さんの2台のデジタルピアノによるコンサートです。 プログラムは、チラシ内容とは少し変わって、こうなっていました。 ホルスト:組曲「惑星」より『木星』 ラヴェル:ソナチネ(本荘さんのソロ) 小杉武久:DISTANCE FOR PIANO (revised,2005)(横山さんのソロ) ライヒ:ピアノ・フェイズ ドビュッシー:白と黒で フラットな会場の中央に、CASIO PX-

          デジタルピアノ/アコースティックピアノの二項対立から逃れたい(3)2台のデジタルピアノによる演奏会「白と黒で」を聴いて

          デジタルピアノ/アコースティックピアノの二項対立から逃れたい(2)

          本記事のテーマその1はこちらでございます。 さて続きです。 デジタルピアノをグランドピアノやアップライトピアノと比較して「劣った偽物」と捉えないためのヒントが、本荘悠亜さんと横山博さんのコンサート 「2台のデジタルピアノによる演奏会『白と黒で』vol.1」を聴いて、 得られたように思えました。 ここではまだ、コンサートのレビュー的な話よりも、私自身の気づき、その結論めいたところからメモしておきます。 本日の気づきとはズバリ、 デジタルピアノは、ピリオド楽器である。 と

          デジタルピアノ/アコースティックピアノの二項対立から逃れたい(2)

          デジタルピアノ/アコースティックピアノの二項対立から逃れたい(1)

          コンクールやそれに類するイベントの審査やアドヴァイザーなどを務めると、審査員・アドヴァイザー間でよく聴かれるのが 「電子ピアノで練習してる子っていうのはすぐわかる」 「たぶんあの弾き方は電子ピアノで練習してるんでしょうね」 などの言葉です。 タッチがいまひとつ貧弱で、 ステージ上のグランドピアノから十分な鳴り響きが作れず、 音が遠くまで伸びないとか、 音色の変化や表情に乏しいような場合に、 そのように捉えられがちだと思います。 教育現場における「切実な声」としても 電子ピ

          デジタルピアノ/アコースティックピアノの二項対立から逃れたい(1)

          閲覧注意。切なくて可愛らしい透明骨格標本と

          以下に出てくる写真、ニガテな方がいらっしゃると思うので、要注意でお願いします。 先日、作曲家の春畑セロリさんと久々にお会いしまして、「そうそう!これを渡してって頼まれたんだった」と小さな瓶をもらいました。 それは生物の研究者、蝦名元さんからのプレゼントで、セロリさん、ちょっと微妙な表情。心配そうな感じ。 「メダカの骨格標本だって」 なぜ蝦名さんが、 それを私に渡そうとしてくれたかというと、お礼だ。たぶん。 セロリさんが音楽と美術と生物学とをリンクさせたワークショップ・シ

          閲覧注意。切なくて可愛らしい透明骨格標本と

          Dax 納車! 深大寺とリス園へ

          少なくとも還暦までのあと11年は、バイクを楽しく乗り続けたい。そんな私の「上がり」バイクとして、HONDAのDaxを選択。晴れて昨日納車されました。 いまひとつ相性の良くなかったKAWASAKIのKSRと入れ替えです。中免挫折者につき、125ccは私の相棒として最大排気量(笑)です。 Daxの復刻が発表された一昨年、予約を入れたものの、納期がまったく読めず、待ちきれなくて一度は諦めたバイクでした。 でもなんだか、50を目前にして、現実的に人生とっくに折り返してることを実

          Dax 納車! 深大寺とリス園へ

          横浜赤レンガ倉庫での加藤訓子さんと中村恩恵さんのクセナキス公演

          昨日2月10日は、横浜の赤レンガ倉庫1号館3Fホールで行われた、加藤訓子さん(パーカッション)と中村恩恵さん(ダンス・コリオグラフィー)の公演「PSAPPHA- A MUSIC THEATER」の公演に出かけてきました。 クセナキスのマルチ・パーカッション・ソロのための作品「プサッファ」を軸としたプログラムで、加藤さんの打楽器と中村さんのダンスに加え、映像とマルチスピーカーを使用したイマーシヴなサウンドインスタレーションもあって、期待斜め上の特別な体験ができました。 赤レ

          横浜赤レンガ倉庫での加藤訓子さんと中村恩恵さんのクセナキス公演