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実は頭脳派だった三匹目【三匹の子豚】

↓こちらのサイトで著作権切れの洋書が読めると知り、英語の勉強がてら読んでみることにしました。

そこで見つけた三匹の子豚の原作が、小さいころ読んだそれと全然違う話だと分かり、印象が変わったので紹介します。

原作ざっと解説

三匹の子豚と家

昔々、年老いた母豚と三匹の子豚がいました。
母豚は子どもたちを十分に育てることができず、彼らがこの先幸せに生きてくれることを願って子豚を家から追い出しました。

三匹の子豚は自分たちで生きていかなければいけません。まずはそれぞれ住む家を用意しました。

一匹目の豚は、藁で家を建てましたが、狼に吹き飛ばされ、食べられてしまいました。
二匹目の子豚は植物で家を建てましたが、狼は一匹目のときと同様に家を吹き飛ばし、二匹目の子豚も食べてしまうのです。

三匹目の子豚は重いレンガで家を建てました。
狼は子豚を食べるために家を吹き飛ばそうとしましたができませんでした。

三匹目の子豚V.S.狼【カブ編】

レンガ造りの家は吹き飛ばすことができません。
狼は作戦を変えました。
「スミスさんの庭に美味しいカブがあるから、翌朝6時に一緒に行こう」と子豚を誘います。そこで家から出てきた子豚を食べてやろうと企んだのです。
次の日、子豚は5時に起きて、スミスさんの庭からカブを手に入れて6時前に帰りました。
狼は子豚を誘い出すのに失敗し、怒ります。

三匹目の子豚V.S.狼【リンゴ編】

狼はなんとかして子豚を誘い出せる次なる作戦を考えました。
「メリーガーデンのふもとにリンゴの木があるから翌朝5時に迎えに行く」と子豚に言いました。
子豚はまた先回りして、翌朝4時に起きてメリーガーデンへ向かいましたが、狼と鉢合わせそうになり、素早く木に登りました。
狼は恐ろしい顔で子豚を追い詰めます。
子豚はリンゴを遠くへ投げました。それを狼が取りに行くあいだに、子豚は木から飛び降り、走って逃げ帰りました。

三匹目の子豚V.S.狼【バターチャーン編】

次の日、狼は子豚を市場に誘います。
子豚はいつもどおり、約束の時間の前に行き、バターチャーンを買いました。そのとき狼が来るのが見えたので、子豚はチャーンの中に入り、チャーンごと回転しながら丘を降りました。狼は回転するチャーンをとても怖がり、市場に向かわず帰りました。
狼は子豚の家に行き、自分より速く丘を降りていったチャーンがとても恐ろしかったと子豚に話しました。
すると子豚は言いました。
「怖がらせちゃった?僕は市場でバターチャーンを買った。そしてその中に入って君を見ながら丘を転がり降りたんだ。」

三匹目の子豚V.S.狼【THE・END】

子豚にからかわれ、狼は激怒します。「ナメやがって…!煙突から入ってお前を食べてやる!」と叫びました。
子豚は鍋に水を入れて沸騰させ、狼が煙突から降りてきたタイミングで蓋を開けました。すると狼は見事に鍋の中に落っこちたので、また蓋をしました。
子豚はすっかり茹で上がった狼を夕食にしました。
そして平和に、幸せに暮らしましたとさ。

原作は「三匹目の子豚と狼の頭脳戦」

物語のタイトルは「三匹の子豚」ではあるものの、三匹のうち二匹は早々にフェードアウトしています。もう「狼と子豚」でいいじゃん…
それにしても、生き残った三匹目はかなりの頭脳派だとわたしはうなりました。その理由を三つ挙げてみます。

実は頭脳派①レンガで家を建てた

これは有名ですね。
だけどここで一つ疑問が生まれました。
子豚たちは元々どんな家に住んでいたのでしょうか?
レンガの家ではなかったのでしょうか?
ほかの二匹の子豚も、もし元々住んでいた家がレンガだったら、多少面倒でもレンガで家を作ろうとするはずです。
これはヒト的な考えなのかもしれませんが、初めて家事をするときなんかは、自分の育った家庭のスタイルになりませんか?
もしレンガの家に住んでいなかったなら、三匹目の子豚は家をつくるのにレンガが最適なことを知っていたってことですよね。どこでその知識を得たんだろうか。賢い…

実は頭脳派②怪しい人を利用できる

家が頑丈なら、身の安全を守るために狼の誘いを断り続けることもできるはず。
それでも誘いに乗り、カブやリンゴの恩恵はきっちり受けるという有能さ。
リスクを避けてばかりでは、利益は生まれないんだな…

実は頭脳派③鍋で煮る

煙突から入ってくるって言われてすぐ「よし、鍋で煮よう!」って思い立ちますか?バターチャーンで回転されている間に考えたんですかね?
狼が怖がっていたものの正体が自分だったって挑発してたのは、勝算があったからなんでしょうね…

原作の教訓は?

わたしたちが知っている教訓は「どんなに時間がかかってもまじめに努力することで幸せを手に入れる」というようなものでした。
ですが原作には、もっといろんなことが詰まっていたように思います。
たとえば、生き残るには日頃からアンテナを張り、地道に努力して、戦略を練り、勝つために挑戦を続けることが大切だということ。
賢さは自分の身を守るとも言えるのかもしれません。
このお話ができた時代は、一人でも生きていくための術を見つけなければいけなかったのかもしれませんが、現代のビジネススキルにも通ずるものがありそうです。

みなさんはこの原作からどんな学びを得たでしょうか。
それを心にとめて逞しく生きていきましょう!

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