【アートは世界の見方を変える】日々の掃き溜め No.109
猪子さんの「雨」の話がめちゃくちゃ面白いので紹介したい。
(すべては下記の記事を読めばわかります)
1877年に描かれた「パリの通り、雨」という1枚の絵。
一方、歌川広重が描いた「大はしあたけの夕立」の浮世絵。
2つの絵の明確な違いは、「雨」にある。「パリの通り、雨」では、地面が濡れており通行人は傘をさし、明らかに雨が降っていることが分かる。一方、「大はしあたけの夕立」でも雨が降っている事が分かる。ざあざあ降り。
しかし、「雨」の描き方が明確に違う。「大はし~」のほうでは、雨が線で描かれている。一方、「パリの通り、雨」では、ただ地面が濡れているだけ。この違いはいったい何なのか。
猪子さんは、西洋と東洋での世界の見え方が違うからだという。
「人間は、自分たちの目のフォーカス範囲が狭くて浅いとは思っていない。だから、過去までさかのぼって目を縦横無尽に動かして、脳の中で再構築している」。
そして、映像を脳で再構築する時間が長かったから、歌川広重が描いた雨は、「線」になり、一方、西洋の絵は「ぼんやり」したものになった。
西洋で生まれた「カメラ」で雨の日の写真を撮ると、そこには「線」の雨は見えない。しかし、近代以前の日本では、雨は「線」に見えていた。
そして、「大はし~」の絵は世界に衝撃を与え、ゴッホも模写するに至った。そうして、それ以降、雨は「線に見える」という考え方が広がった。
まとめると、「アートは世界の見方を変えうる」ということだ。(一方で、「サイエンスは世界の見え方を拡げる」と考えられる)
アートと同じ文脈で語ってよいかわからないが、その意味でエンターテイメントは、「世界の見方を変えうる」ものだと思う。そして、その中でもゲームは強烈なパワーを持つメディアだと思う。映画や漫画に比べて、仮想的な「体験」価値が大きいと考えるからだ。
これからも猪子さん、チームラボはウォッチしていきたい。てか、こういう風にアートを学ぶと、めちゃくちゃ面白いよね。
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本日も読んでいただきありがとうございます。
では!
西川恭平
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