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盲ろう者の田畑さんとなにかの本を作ろうと思っている件 その10

これまでのお話はこちらで。
映画の一週間後、2020年12月18日の話です。
田畑さんのお友達が作品を出展している、六本木ミッドタウンの21-21ギャラリーの「トランスレーションズ展」へ行く予定でした。が、コロナの感染拡大の影響で、3月に延期することになりました。(第二回宣言前のこの頃のほうが世の中に緊張感がありましたね)

その代わり、会う予定だった日にZoomをすることに。
田畑さんとのZoomは二回目です。前回は、田畑さんはiPad、わたしは紙に文字を書いたのをカメラに映して、「会話」しました。今回は、田畑さんの提案で、Zoomしながらアプリを使ってみることに。

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UDトークというアプリです。スマホにダウンロードしただけで安心し、使い方をネットで探して読んでおくという事前準備に思いが至らなかった(だめじゃん)。使い方がわからないまま使い始めるということで、田畑さんとつながるまで、けっこう手こずりました。大学などでも使われているアプリで、外国語にも対応しているようです。


わたしは、スマホで文字をうつのが苦手なので、こちらのパソコンで打った黒地に白字の大きな文字をズームの画面共有で写した方が早いかなと思って準備していたのですが、田畑さんは手持ちのタブレットのほうが、目に近づけて見ることができて、読みやすいようでした。なるほど。大きな字なら良いというわけではないのね。
無音のZoomをつけながら、手元のアプリで文字だけのチャットをしている状態になりました。うーん。チャットならZoomでもできるんだけど、Zoomのチャットの文字って小さくて不便ですよね。あれって、視力の良い人にしか向かないんだなあ。

ところで、12月は田畑さんが入会している神奈川盲ろう者ゆりの会にも参加する予定で、田畑さんとたくさんお会いする予定がありました。でも、それもコロナで中止になってしまいました。とりあえず、今後なんどかお邪魔することになると思うので、賛助会員としてゆりの会に入会の手続きをしました。
来週のコミュニケーション学習会は催行と言うことで、えー本当にやるの? 大丈夫なのかな……。

さて、本作りについて、どういうふうにやっていくのか、考えなくてはならない……とは思ってます。でも、まだ田畑さんのことがよくわからない。知っていくところからです。
筆談……文字のやりとりをして感じたことは、田畑さんにとっての第一言語は日本手話であって、文字は第二言語だということです。田畑さんはバイリンガルではあるけど、田畑さんのことを知るためには、わたしがあるていど日本手話という言語の特性を理解できないと難しいんだなあということ。言語は思考にもつながってますよね。
わたしの使う会話の言葉に曖昧な表現が多いため、聴者であれば聞き慣れたあいまい表現でも、それを書き文字にしたときに田畑さんに正しく意図が伝わるのか等、実は悩んでしまいました。曖昧な自分の言葉を変換して、整った日本語会話を書き文字に変えて会話するより、日本手話で会話できた方が早いし便利だし伝わるのだろうということ。
ああ、手話覚えねば……。
スマホのUDトークのアプリの文字をみながら、しみじみと思ったのでした。

そういえば手話の検定って、いつあるのかな。調べたら手話の検定の団体が二つあることを知りました。
田畑さんにいただいた本は手話技能検定の団体の本、児童文学作家の森埜こみちさんにいただいた本は全国手話検定の団体の本。うーん。児童文学の団体でも、日本児童文学者協会と児童文芸家協会があるものな……。成り立ちがちがうだけでどっちがどうという感じでもないのか? 
どちらの検定を受けていても専門的な手話通訳者の試験となるとまた別のものなので、これはヤマハのピアノグレードとカワイのピアノグレードのようなものと勝手に判断しました。(わかりにくい表現)
2020年はどちらの検定もコロナで中止しているようでしたが、3月にネットで全国手話検定のほうの試験を受けられるものがあるとわかりました。これから3ヶ月くらいだけど、学習の目標に受けてみることに。とりあえず5級。語彙数500。きっと中学2年生の英語みたいな感じだと思います。覚えられるかなあ……。実技試験があるので、それが心配。指文字も使えるようにならなくてはいけません。一人でどうやって勉強しよう……。DVDでは決まった内容だけだから、YouTubeかな。


支えられたい……。m(_ _)m