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盲ろう者の田畑さんとなにかの本を作ろうと思っている件 その15

これまでのお話はこちら

なかなか本をつくる話になりません。(笑)
そうなんです。壮大な旅の序章に過ぎないのです。

正直なわたしは、この連載の文のタイトルに「本を作ろうと思っている」と書きました。作る話と言い切ってないところが重要なのです。「本を作ろうと思っている」けどどうしたらいいのかわからないからとりあえずその試行錯誤からnote.に書いてみんべーということなのです。

で、壮大な旅の序章の段階で、わかったのは「旅の準備」が必要だということ。
海賊王に、おれはなる。じゃなくて、わたしの場合は
魔法使いに……じゃなくて、
日本手話つかいになる準備。

ということで、今回は、手話検定を受けてみましたという話です。田畑さんのことは出てきません。

手話検定、遙か昔うけたそろばん検定や英検のノリで検索して調べてみると、どうも
「全国手話検定試験」というのと
「手話技能検定試験」というのがあるのでした……。えーと。いろいろな大人の事情があったのでしょうか。ちなみに通訳士はこれとは別の資格です。
 去年、田畑さんからいただいた手話の本は、手話技能検定協会の理事の方の監修でした。作家の森埜さんからいただいた手話の本は、全国手話検定試験対応の本でした。どちらも「日本手話」ですけど。

「日本手話」ですと書いたのには理由があります。ご存じないかたのほうが多いと思うので、説明します。無関心だったわたしは、半年前まで知りませんでした。
 手話には二種類の手話があるのです。
「日本手話」 ろうの方からうまれた自然な手話言語。
「日本語対応手話」 日本語の文法(聞える人の言語)に対応させた手話。

単に手話というとき、現在は「日本手話」のほうをさしていると思います。でも、ろう教育の歴史の中で、いろいろあったんですね。ろう学校で手話を禁止した時期があったとか、本当に大変だったのですね……。

話をもどして、検定の話です。どっちを受けるのがいいのか。結論、どっちでも大丈夫らしい。手話練習のモチベーションあげとしてなら、どちらでも問題ない。
コロナ禍で例年の試験がどちらの団体も中止になっていました。でも「全国手話検定試験」のほうが、3月にwebで試験をするとわかりました。とうぶんは独学で勉強することになるので、難しい級でなく、まず初心者の級を受けることを目標にしました。申し込んだら、とりあえずは勉強するようになるからね。

本とDVDだけでは心配なので、試験の級に対応した「レッツ手話」という動画のweb講座も受けることにしました。毎日少しずつ単語を覚えました。(先生が眼鏡のお姉さんでちょっと嬉しかった……)
それから、どういう試験をするのかわからなかったので、対策のため中央法規の「これで合格2020全国手話検定試験」も購入しました。
5級の試験内容は、手話の単語や短文の読み取り(答えを選んでマークシート記入)、手話によるスピーチ、手話での会話の三種類。
読み取りは、出題範囲の単語を500ぐらい覚えておけば、まあ大丈夫だろうな。でも、会話が心配。DVDの相手とは会話ができないからです。
で、DVDの過去の試験の参考映像をみて、ヤバイと思いました……。受験生の実際の指文字が、はやくて読みとれない。指文字は、図を読むように一つずつ時間をかければわかるのだけど、生身のひとの動きでは認識する前に次の文字にかわってしまう。ワラ。笑うしかない。
どうやって練習したらいいんだ……。手話系のYouTube見ても、早すぎてわからない。
そこで、アプリを頼ることにしました。「指文字トレーナー」というのが、初心者の読み取り練習にはちょうど良かったです。

はい、そして試験。手話のスピーチと会話の試験はZOOMです。

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受かりました。でも、会話がかなりめちゃくちゃだったです。5級は、手話で会話しようとする「意欲」を評価してくれる級なので、意欲は合格ということです、たぶん。読み取りは全部わかったので、それでご容赦ください。

実は5月から毎週、市の聴覚障害者協会の手話講座に通うようになり、生身の人の手話をみて、自分の独学のやり方がぜんぜんなってなかったことがわかりました……。マジで「意欲」で受かったんだわ。

ということで、全国手話検定試験5級といっても、おそらく手話で会話できる内容は、小6か中学一年生の英語のレベルと同じかなと思います。まだまだ全然……。


海賊王になる(違うだろ)には壮大すぎる旅。



支えられたい……。m(_ _)m