見出し画像

本棚:『一橋桐子(76)の犯罪日記』

「夫も子供もいない私の将来がどうなるのかと思うと不安です」
ずっと独身だった桐子。親友のトモは夫が亡くなった後、「一緒に住まない?」と声をかけてくれた。その時、彼女たちは73歳。二人の暮らしはたった三年ほどで終わり、トモが亡くなった後、桐子の暮らしは厳しいものとなり…。

今はまだいいけれど、いずれ自分も桐子と同じ状況になる可能性は大いにあるなと、他人事だとは思えませんでした。桐子は76歳でも清掃の仕事をしており、自分もできるだけ長く働けたらと思ってはいるけれど、その時までちゃんと働ける状態でいられるだろうか…と少々不安です。
お金が全てではないけれど、お金がないと生活できないのも事実で、さらに一人暮らしだと、身体を壊した時に大変だし、いっそのこと刑務所に入った方が…と思わなくもないですが、他に選択肢はないのだろうか…。と思っていたら、最後に「そうか!」と。やっぱり情報リテラシーが大事だなと思いました。自分自身で情報を得られなくても、人とのつながりがあって、誰かが教えてくれるというのでもよいと思うのですが、せっかく色々な制度があっても知らないと使えないですし。
刑務所に入りたいはずなのに、他人には迷惑をかけたくない桐子はやっぱりいい人で、だからこそ、周りも見捨ててないんだろうなと思うので、私もそういうおばあちゃんになりたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?