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本棚:『TUGUMI』

初めて読んだのは高校生の頃で、その頃、吉本ばななさんの作品を何冊か読んだので、図書館などで見かけるたびに懐かしくなります。高校の頃はあまり本を読んでいなかったものの、吉本ばななさんの作品をよく読んだという記憶だけはあって、ピンポイントで高校時代を思い出します。
高校生の頃は、まだ主人公の年齢と同じぐらいだったので、あまり意識しなかったかもしれませんが、今になって読んでみて、ものすごく瑞々しいなと思いました。TUGUMIの最後はどうだったんだっけ?と記憶があやふやでしたが、読み返してみて、あやふやな理由がなんとなく分かりました。また何年後かに読んだなら、今とは違うところに心を動かされるのかな。初めて読んだ高校生の頃だって、だいぶ前なのだけれど、1989年の作品と知ってびっくり。全然、時代を感じさせないです。
気に入った作家に出会うと、その作家の作品ばかり続けて読むクセがあったので、かつてよく読んだ作家の作品を見かけると懐かしくはなるものの、その頃の情熱はなく、再び手に取るのは億劫に感じてしまうことがあります。なので本書も何度か見かけてはいるものの、どうせなら、まだ読んだことのない新しい作品を…と思うところもあって、今回 手に取ったのは、ほんの気まぐれ。でも、久々に読んでよかったです。かつての自分を思い出しながら読むのは、少々、恥ずかしいというか、心が乱れそうにもなりますが、良い作品はやっぱりよいのだなぁと。『キッチン』も読み返してみようかしら。


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