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本棚:『夢にも思わない』

『今夜は眠れない』の続編。中学1年生の男の子が主人公の物語です。前作を読んでいなかったので、「順番まちがえた!」と思いましたが、本作のみでも十分楽しめます。でも、この後ちゃんと前作を読もうと思います。
「楽しめます」と書きましたが、夢に見るようなワクワクするような楽しみではなく、もしかしたら自分の身にも起きうるかもしれない怖さでしょうか。中学1年生の頃を思い出して、主人公たちと比べて、自分はそんなに大人っぽくなかったし、今よりもっともっと世の中を知らなかったし、自分の小さな脳みそで考えてやったことが、大きな事件につながる可能性はあっただろうなと。
宮部みゆきさんの作品では『模倣犯』でゾッとしたけれど、一番印象に残っているのが『火車』です。平凡な毎日を生きているはずが、たった1つの手違いで人生が変わってしまうかもしれないなという怖さ。特に10代、20代の若いころほど、そういう危うさがあるようにも思います。
中学の頃にこの本を読んでいたらどう思ったかな?と気になりましたが、残念ながら、この本が発行された時にはすでに中学生ではありませんでした。主人公と同じ年齢の時に読めてたらなぁと思うことは多々あり、早く生まれちゃったね…と思います。その一方で、この本、リアルタイムで読みたかったなと、遅く生まれちゃったわ…と思う時もあり。まぁ、そういう本に出会えたわけだから、贅沢な愚痴なのでしょう。まずは『今夜は眠れない』を近いうちに読まなくちゃ。


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