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本棚:『菜の花食堂のささやかな事件簿 裏切りのジャム』

著者は『書店ガール』の碧野圭さん。食堂と料理教室を営む靖子先生の推理とアフターフォローがあたたかい本シリーズの第四弾。

はじめのお話で、夫が痩せるようにと、ご飯は一杯、揚げ物を控え、ビールも週に2回だけ…など食事制限をしているにもかかわらず、4カ月も経つのに体重が減らないため、困っている女性が出てきます。理由が分かれば、「なんだ…」という感じですが、こういうダイエットをやってしまっている人いそうだなぁ。

タイトルにも入っている「裏切りのジャム」は、真ん中の3つめのお話。裏切り…というだけあって、心中穏やかでないですが…。

そして、最後のお話では、靖子先生が主人公の優希に、タイミングが大事だという話をするのですが、それが素敵です。食べ物の旬とか、料理でもタイミングが大事かと思いますが、人との関係もタイミングがありますよね。特に恋愛の場合だと、竹内まりやさんの「純愛ラプソディ」の歌詞「遅すぎためぐり逢いを悔やみながら 過去にやきもち焼いたって 戻せない時までは」が思い浮かびます。あの時ああしていれば…という後悔があるからこそ、次こそは、と思えることもあるかと思いますので、後悔や失敗を糧に人生はよりよくなっていると思いたいものです。ただ、若い頃よりは適切な判断が頭ではできたとしても、身軽に行動に移せなくなった…という問題が。


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