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本棚:『行きつ戻りつ死ぬまで思案中』

垣谷美雨さんのエッセイ。これまで小説は何冊か読んでますが、エッセイはお初。どんなことを日々思ったりしているのかな?と興味がありまして。また、読んだことのある作品のタイトルが出てくると、やはり嬉しくなります。そして、読書メーターをたまに見ておられるようなので、私の感想も読まれていたりするのかな?なんて期待してしまったり。

一番印象に残ったのは「タイムマシンに乗れた私」でして、『鴻上尚史のほがらか人生相談』にあったそうなのですが、「十年後の自分がタイムマシンに乗って現在に来たと考えろ」というもの。年々体力の衰えなどを感じるようになりましたが、それでも十年後の私が見たら、まだまだ若い!と思うだろうなぁ。そして、もっと色々楽しめばよかったのに!とか、周りの目なんか気にするな!とか、十年後の自分が言いそうなことが浮かんできました。何となく漠然とわたしこのままでいいのかな?と思うことも、十年後にはもっと多様性社会となっているだろうから、「あぁ、そんなこと全然気にしなくていいからっ!」となるんじゃないかな、とか。
以前、どなたかのエッセイで「大人とは大人のフリができる人」とあって、なるほどと思ったのですが、本書でも、誰もがみんな完全な大人にはなれないんだなと共感しました。私はいつまでたっても生きかた上手にはなれないな…と思っていましたが、生きかた上手というよりは、そもそも大人にはなれないんだなと思い直し、それならそれでいいじゃないかと。


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