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わたしの本棚

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わたしの読書記録です。
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#古典部シリーズ

本棚:『いまさら翼といわれても』

いちいちタイトルがかっこいいよなぁと思う古典部シリーズ第6弾。「いまさら翼といわれても」と思ったのは、はたして誰なのか。 本書は長編ではなく短編集でして、一番印象に残ったのは主人公の折木奉太郎の「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」のモットーの原点がわかる「長い休日」というお話。なんだか切なくなりました。 本書とは全然別の本なのですが(著者も違います)、主人公が「不器用な人が嫌い」と思う場面があって、その理由として、不器用だから、やってい

本棚:『ふたりの距離の概算』

古典部メンバーは高校2年生に進級。そして、新入生の大日向が仮入部するも、本入部届の締め切りであるマラソン大会の前日に入部しないと告げる。しかも、原因は千反田のようだが…。 古典部シリーズは、「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「遠まわりする雛」に続くのが、「ふたりの距離の概算」「いまさら翼といわれても」でして、どれもタイトルがかっこいいよなぁと思います。これまでの4作は、ふだん利用する図書館で借りたのですが、その続きをなかなかお目にかかれず。もしや、ここには

本棚:『遠まわりする雛』

シリーズ第4弾は短篇集。古典部の4人の1年を振り返るような感じでした。これまでの3作 以外にも1年間、色々あったんだなぁと。里志が伊原のチョコレートを受け取ろうとしなかった理由をはっきり理解できるわけではないけれど、なんとなく分かるような気もして、私の理解が間違っていないのであれば、すごく誠実だなとも思いました。 それにしても、奉太郎の「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。」という信条、だんだん気に入ってきました。その省エネ具合、はじめから

本棚:『クドリャフカの順番』

〈古典部〉シリーズ第3弾。とうとう神山高校文化祭の幕開け。古典部の文集「氷菓」の事前に打ち合わせた発行部数は三十部。それでも売れ残り覚悟の数字だったのに、なんと実際に刷り上がってきたのは二百部。この積み重なった「山」をどう乗り越えるのか。 古典部4名のそれぞれの視点で話が進んでいきます。学生時代の一大イベントが各自の視点で…というところから、三浦しをんさんの『風が強く吹いている』が再び読みたくなりました。人生をもう一度やり直せても、きっと、わたしは以前と大して変わらない学生

本棚:『愚者のエンドロール』

〈古典部〉シリーズ第2弾。文化祭のクラス展示、ミステリー映画の試写会に誘われた古典部の4名。しかし、その映画は未完だった…。試写会の本当の目的とは? ミステリー小説はほとんど読んだことがなく、コナン・ドイルもアガサ・クリスティも、子ども向けのものをちょっと読んだことがあるかどうか…という程度(その記憶さえ怪しい…)。物理的トリックとか心理的トリックとか、ミステリーって難しいんだなと思いました。叙述トリックに騙されて最後に「あぁ、そうだったのか!」ということは度々あります。で