ワンオペ育児に風穴をあける世間体の魔法
「今日はなんて日だ。
汚れ物の予洗いに洗面所に行くと、不安になった娘がそこから1時間以上泣き続け、それにつられた息子は奇声をあげ続ける。朝から頭痛もある。
耳栓をしてもなお2人の声が脳内にクラクションのように鳴り続け、私は突然、次の行動が何一つわからなくなった。
これがパニックか。」
今日、私はこんなツイートをしました。
140字に収まるようにしか書けませんでしたが、実際は地獄のような光景でした。
阿鼻叫喚の地獄絵図
まずは娘が大泣き。
すぐに駆けつけられないでいると、どんどんその泣き声はエスカレート。
最初はニタニタ笑ってその様子を見ていた息子(それはそれで性格悪い)も、突然不安になったのか、耳をつんざくような奇声を上げ始めました。
奇声を始めた息子はその後、頭を(クッション越しに)ドンドン床に打ち付け始めました。
ただ、カッコ内にあるように、ふわふわのクッションが間に挟まれているので、私としては全く心配しません。
息子はこういうところ、本能的に自分が痛い思いをしないようにしている抜け目ない男です。
それでも、我が家の騒音レベルはすさまじく、一時間以上もこんなところにいては精神に異常をきたすレベルでした。
人間、一定量を超えるストレスがあると、脳も体も動きを停止させてしまうようです。
私は気が付くと、何もできずに立ち尽くしていました。
そして思ったのです。
これが、虐待に手を染めてしまう人、もしくは育児ノイローゼで命を絶ってしまう人の、事を起こす前段階の状態ではないかと。
では、そこから先の分かれ道で最悪の道に進まない人は、何が違うのでしょうか。
立場が人を守る
私は、それはその人の「立場」だと思いました。
一線を超えてしまいそうになった時、母親を思いとどまらせるのは、子供かわいさではありません。
ご近所さんや、子供の同級生のママ友たち、仕事のパートナーや、一緒に夢を追う仲間、そして、Twitterのフォロワーさんたち、自分という存在を支え、認め、応援してくれる人たち。
そういう方たちの顔を思い浮かべ、今自分がなにかやらかしてしまったら、その方たちとの関係性は一気に崩れてしまう、そんな風に思うから踏みとどまるのではないでしょうか。
そう考えると、母親にとって、家庭以外に人間関係をつくり、「立場」を得ることは、結果として家庭生活や子育てを安全に運んでいくためにとても必要なことだと思うのです。
子供と夫しかいなくて、物理的にだけでなく、精神的にもひとりぼっちだったら?
そうなると、ピンチに遭遇した時、耐える壁があまりに薄くなってしまいます。
と、この話を帰宅した夫に話していると、夫婦間で意外にも深い議論ができました。
それは結局「世間体」
まず、夫は私の話を聞いて、私が長い言葉で説明した「母親を思いとどまらせるもの」「立場」を、「世間体」ということばで定義しました。
世間体と聞くと、なんとなくきこえが悪いですが、「意識するべき世間体」もある、というのが、私たち夫婦がいきついた結論です。
先のケースのように、ワンオペで密室の子育て環境で、何か大きなトラブルにみまわれた時、その部屋にいる人間だけでは何も解決できません。
でもそこで、「世間体」を持ち出して意識を世間に向けると、急に広い視野がもてるようになるのです。
だから、世間体を意識するのは実はとても大事なことです。
夫の場合は世間体ではなく家族
夫は次に、もうひとつ気になることを言いました。
夫の場合は、トラブルに見舞われたときに思い返すのは、世間や仕事上の立場や人ではなく、私たち家族だと言うのです。
本当にむかついて殴ってやりたいくらいに思っても、家族の顔がちらつくと、ぐっとこらえて思いとどまるそうです。
私の場合は、家庭を守るために世間を意識し、その世間で働く夫は、仕事上の立場を守るために家族を意識する。
互いに逆なのです。
きっとこういう対の事象の連続で、世界はできているんだと思います。
まとめ
今の世の中、親や親戚が近くにいる人ばっかりじゃありません。
コロナで人と人が分断され、余計に世間と切り離されてしまった人は、多くなっているのではないでしょうか。
でも、そうやって世間での立場をなくしていくことは、実はとても危険です。
行き詰った時こそ、全く違う人間関係に目を向け、世間体を意識する、
家庭以外で何もないという人は、SNSからでもいい。
子供のために、「お母さん」でない自分の立場をいくつも作っておくことが、今後のアフターコロナの世界においても大事になってくる気がします。
とりあえず書きながら、とてつもなく眠くなってきました。
いろいろあった今日はおしまい。
明日はいい日でありますように。
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